ウッドストック50周年フェス、主宰者は今夏開催をまだ諦めていないと主張

伝説の音楽フェスティバル「ウッドストック」の50周年記念として行われる予定だった「ウッドストック50」は、主要投資会社の一つである電通の撤退によって中止が発表されたばかりだったが、主宰者であるマイケル・ラングは、同フェスティバルの開催を別会場で予定通り行う予定だと語る。

すべてが計画通りに運んでいたとしたら、初回ウッドストックの共同開催者で、この夏開催予定のウッドストック50の主要オーガナイザーのマイケル・ラングは、今頃開催が迫った同フェスティバルの最終調整を行っていただろう。しかし、1969年のランドマークとなったフェスティバルを記念して行われる予定だった8月開催の3日間の音楽フェスティバルは窮地に陥り、新たな会場探しと開催するための許可証明書の取得を大急ぎで進めている。

ラングの新著『Woodstock: 3 Days of Peace & Music(原題)』についてローリングストーン誌の取材を受けたラングは、ニューヨーク州ユーティカ郊外のレース場、カジノ、ホテルがあるヴァーノン・ダウンズでのイベント開催申請を行ったという報道を否定しなかった。ちなみに上記の書籍は初回ウッドストックの写真を集めた写真集である。(※6月25日出版です㊥)ラングによると、ヴァーノン・ダウンズは自身が考えている「3〜4ヵ所ある」候補地の一カ所に過ぎないらしい。詳細は語らずに「数日後にはすべてが明らかになる」とラングが述べた。ヴァーノン・ダウンズは最大6万5000人収容できるが、昨年のウッドストック50開催発表時に3日間の参加者総数として当初見積もっていた15万人からは大幅に減少することになる。

5月、ニューヨーク州ワトキンスグレンのレース場のオーガナイザーたちが、会場を確保するために必要な15万ドル(約1600万円)の最終支払いが未払いなことを理由に会場提供を見送り、これによってウッドストック50はイベント会場を失うことになった。

「ワトキンスグレン・インターナショナルは契約条項に則ってウッドストックに対する会場使用ライセンスを取り消した。これにより、今後ワトキンスグレン・インターナショナルでウッドストック50フェスティバルを開催することはなくなった」と、6月初めに同レース場の代理人が声明で述べた。

これに対して「あまりにも遅い決断によってすべての手配が手遅れになってしまった」とラングが反撃したが、ワトキンスグレンの代理人は「白紙になった時点では白紙にする以外に方法がない状況だった」とだけ述べて、それ以上のコメントを避けた。

そして、同フェスティバルの新たな障害が明らかになったのが先週だ。ニューヨーク州上訴裁判所が同フェスティバルの当初のオーガナイザーだった日本の大手広告代理店「電通」の主張を認めて、ウッドストック50には1850万ドル(約19億8700万円)の資金を受け取る権利がないと宣言したのである。この資金は当初フェスティバルの口座に保管されていたが、4月に電通がウッドストック50からの撤退を表明したのちに口座から全額引き揚げられた。これまで数多くのフェスティバルを手がけてきたラングは、この一件を「これまでで最も奇妙だ。電通の言動は奇っ怪の一言に尽きる」と言い、それ以上のコメントを避けた。


困難な状況が次から次へと持ち上がる中、ウッドストック50のオーガーナイザーたちは多数の規則や規定に応じなくてはいけない。これは初回ウッドストックが成功したとはいえ、カオス状態になった事実を考慮して作られたものだ。そこで、これが皮肉に感じるかをラングにきいてみた。すると、彼はくすくす笑いながら「ああ、でもそれが世の中ってものだよ。最初は私たちも後ろからこっそり近づいたからね」と言った。新たに設けられた規則について、彼はこう付け加えた。「理解できる規則もある一方で、中には主催者に二度と同じフェスティバルを開催させたくないという意図を持って加えられた規則もある。初回で学んだ教訓があるし、業界もそれを活かしている。でも、彼らが求める条件の多くはやり過ぎという印象だ。安全性を蔑ろにすることは絶対にないが、これらの規則や規定はこの業界を全く知らない人々によって作成されたものさ。彼らは過去の出来事に過剰に反応しているだけだね」

会場もチケット発売も未定の状態で、ウッドストック50自体は1ヶ月半後に開催される予定のままという現状を、ラングが本当に理解しているのか確認してみた。「わかっているよ!」と言って笑ったラングは「ちゃんと理解している。ただ、これまでの成り行きが信じられなくて……とにかく凄い。まあ、こういう状況は今回が初めてじゃないけどね」と続けた。開催を危ぶむ人たちへのコメントを求めると、「そうだな……『見てろ』かな」と笑って「それ以外に何を言えっての?」と言った。

ある意味で生命維持装置につながれた状態のウッドストック50だが、このフェスティバルが中止になる可能性についてラングに質問すると、彼の表情は一変した。そして「あり得ない。その方向へギアは切っていないから。私はそういうやり方をしない。ある種、楽天的というか……うん、この気質は今回とても役に立っている」と反論した。