砂漠の中のクラシックカーミュージアムとは?

クラシックカーファンにとって避けては通れない道、アメリカのルート66を通っていて、風変わりだが引きつけられるものたちに囲まれ、最も興味深い場所の一つが、ニューメキシコ州モリアーティにあるルイス・アンティーク・オート&トイ・ミュージアムだ。

ニューメキシコ州アルバカーキのすぐ東側のルート66と巨大なトラックが行き交う州間高速道路40号線が二手に分かれる場所にある。この場所は、乾燥した砂漠のセルリアンブルーの空の下、クロムメッキや鋼鉄、それにすこしの錆により、きらきらと光る幻想のように現れる。ミュージアムというものは、廃品保管場所、風変わりで半世紀かそれ以上日にさらされた誰かのクラシックカーコレクションと紙一重だ。

81歳になるミュージアムの所有者、アーチー・ルイスは、間違いなく後者の中にいる。『いつも人が部品を探しにやってくるが、彼らにここはミュージアムで、何も売るつもりはないって言うんだ』



ルイスは、別の時代からやって来たかのようだ。白髪まじりの風貌で、砂漠の突き刺す様な太陽に常に目を細め、カウボーイの様な歩き方と編まれた長いポニーテールで、ウィリー・ネルソンとジョン・ウェインを足して2で割った様な感じだ。彼は、新聞配達をして稼いだ金で19歳で初めて自分の車を買って以降、車両を蒐集し続けている。初めて買った車は、1926年製のモデルTで今もまだ持っている。

彼の両親が車の引き取りに連れて行ってくれ、家のあるニューメキシコ州の信号のない町ボーンまで彼は運転した。ルイスはその時を思い出して言う『あんなに小さな町では、運転免許を持っていようがいまいが、どうでもよかったんだ』

最初に車を買って以降、彼は70年間車を買い続けた。ミュージアムには、600以上の車、トラック、トラクター、バスに加え4000以上のおもちゃのトラックやライオネルの電車の模型がある。主要な車両のうち40台は室内に置かれている。目玉は、427のコブラ・エンジンを載せた1957年製フォード・サンダーバードとアリスター・クックの1972年にアメリカの歴史についてのBBCテレビシリーズに登場した1915年製フォード・モデルTだ。

その時の放送は、ニューメキシコ州ホワイト・サンドの殺風景な場所で撮影され、ルイスは、イギリス人ジャーナリストの様な服装で、モデルTを運転し、さもクックが車を運転しているかの様に見えた。外を散策していると、墓石の代わりにさびたボンネットやブートリッドのある、車の墓地が姿を表わす。車や、車の一部がきちんと規則正しく並べられている。地面にあるものを見て回ることは歴史の勉強にもなる。

フォード(アーチが大好きなブランドだ)、シボレー、コレクションの中には、今はもうないブランド、パッカード、クロスレイ、レオの車もある。『クロスレイの車はずっと好きだったんだ。』とルイスは言い、その理由はすぐにわかる。オハイオ出身のこの小さな車たちは、遊園地のバンパーカーのかわいらしさに似ているのだ。

事故後直接ルイスの所に持ち込まれた車も何台かあり、何も手を加えられず、琥珀の中に閉じ込められた昆虫のようにそのままの姿を保っている。1915年と1926年のモデルTを牽引している1955年製インターナショナル・ハーベスター社のフラットベッドトラックは、昔のルート66にタイムスリップするような感覚にさせる。

ニューメキシコの砂漠の中でも錆が止まることはない。錆はすごい勢いで金属を腐食し、時には車におもしろい模様を作ることがある。1951年製フォードは、1950 年代に改造車を乗り回していた多くの人たちが自分たちの車にペイントした炎の様に錆びていて、今すぐにでもドラッグレースに出られそうだ。アリス・クーパーの歌詞に『学校は永遠に終わった』があるが、ここに駐車されている1946年製フォードと1959年製シボレーのスクールバスにとって、ここが最後の場所となっている。

これらの車両は修理もされず、道路に出ることもないと非難する人もいる、だがここの多くの車はルイスによって助けられる前にスクラップになっていたかも知れないのが現実なのだ。その結果、車の歴史の中を歩いて回ることのできる、独特なアメリカの車部品コレクションの一部を見ることができる場所になっている。多くの車のミュージアムの輝くクロムメッキの展示とかなり対照的である。

ミュージアムは、アルバカーキの東40マイルに位置し、毎日午前10時から午後5時まで開いている。入場料は4米ドルだが、ミュージアムが開いているかどうかは電話して確認することをお勧めする。

ルイス・アンティーク・オート&トイ・ミュージアム905 US 66 East, Moriarty, New Mexixo 87035