車種別・最新情報[2019.06.20 UP]


メルセデス・ベンツGLEがフルモデルチェンジ。7人乗り仕様が標準に、MBUXも搭載

GLE 450 4MATIC スポーツ(ISG搭載モデル)

文と写真●内田俊一

 メルセデス・ベンツ日本は同社の中核SUVモデルのGLEをフルモデルチェンジし注文受付を開始。ガソリンモデルのGLE4504MATICスポーツ(ISG搭載)は6月20日から納車開始。6気筒ディーゼルのGLE400d4MATICスポーツは8月以降、4気筒ディーゼルのGLE300d4MATICスポーツは11月以降の納車が予定されている。価格は940万円から1153万円。


SUV攻勢第1弾


 人気のあるSUVセグメントに向けて、メルセデス・ベンツ日本でも複数車種の投入が控えており、その第1弾が今回のGLEである。

 日本市場でのメルセデスベンツのSUVはGLA、GLC、GLE、GLS、そして本格オフローダーのGクラスと多彩なラインアップとなっている。「SUVモデルの拡充は、サイズやその性格など様々なお客様のニーズに応えるために進めてきました。その結果2013年当時は5%であったメルセデス内のSUV比率を、昨年はその4倍である20%近くにまで押し上げてきました」とコメントするのは同社代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏だ。

 SUVのなかでも中核モデルといえるGLEはMクラスというブランド名で日本においても1998年にデビュー。「当時はSUV専用ではないプレミアムブランドが販売する初のSUVということで話題となりました。途中2015年に名称をGLEと変え、初代の発表から約20年、メルセデスベンツのSUVの中核モデルとして親しまれてきています」と振り返る。

 そして新型GLEは、「SUVらしい力強さとスポーティさを表現したエクステリア、上質感溢れる内装、オンロード・オフロードともに大変優れた走行性能を備えています。またメルセデスベンツの最新の安全運転支援システムも搭載し、日本では新たに7人乗りを標準装備として導入するなど、多くの特徴を持ったモデルです」と紹介した。


3列7人乗り仕様を初設定


 新型GLEの最大の特徴は3列シートを備えることだ。ボディサイズは先代比で全長105mm、全幅は12mm拡大。ホイールベースも80mm長くなったことから、居住性や積載性が大幅に向上。この結果、GLEに初めて3列シートが設定され、日本仕様では標準仕様となった(本国では2列5人乗りもあり)。3列目の出入りは2列目シートの肩口にあるボタンを押すだけで電動で2列目のシートが前にスライドし、バックレストが前傾することで簡単にアクセスが可能となる。

 メルセデス・ベンツ日本営業企画部商品企画2課マネージャーのマニュエル・テロネス氏は、「人が多く集まった際の移動や、親子三世代でのお買い物やお食事などの際にこの3列シートは活用できるでしょう。また3列目が不要な際はフルフラットにでき、ラゲッジスペースも多く確保することが可能です」とした。ちなみに3列目シート使用時のラゲッジルームスペースは160Lで、2、3列目シートを倒すと最大2055Lまで拡大。また、トランクスルーで積み込める横幅が72mm拡大されたことで、長尺物もより簡単に積載できるようになった。AIRMATICサスペンション装備の場合は、スイッチ操作によりリアの車高が約40mm下がり、よりスムーズな荷物の積み下ろしが可能である。










今後のメルセデスSUVを示唆するインテリア


 新型GLEのインテリアについてテロネス氏は、「コックピットディスプレイや、新たなステアリングデザイン、アンビエントライトや上質感あふれる内装等の最新のコンポーネントが未来的イメージを醸し出しています。それに加えて大胆な要素もちりばめられ、SUVらしい雰囲気が強調されています。こういったコンセプトは今後発表されるSUVにも適用されていく予定です」とし、今後のSUVラインナップのインテリアデザインの先駆けであることを強調する。

 また横幅のあるセンターコンソールは、カップホルダーや収納などのスペースを十分確保していると共に、フルサイズSUVとしてのゆとりを表現。SUV特有の大きなグラブハンドルを左右に備えることで、「SUVらしさと流れるようなデザインによる高級感を演出しています」という。

 インパネ周りでは水平に4つ並んだ四角いエアベントが目に付く。これは、「標準モデルのフロントグリルに採用されているルーバーのデザインがモチーフとしており、メルセデスのSUVのエッセンスを表現しています」とテロネス氏は説明する。

 最新のミドルサイズ以上のメルセデスに共通の、2枚の高精細12.3インチワイドディスプレイを一枚のガラスカバーで融合したコックピットディスプレイを採用。「まるで空中に浮かんでいるかのような先進的なデザインとなっています」と述べた。






ドライバーのストレスを検知し快適性向上


 新型GLEにはエナジャイジングコンフォートと呼ばれるシステムが新たに装備された。各種ヒーターやパフュームアトマイザー、シート設定、照明、音楽等のシステムを統合的にコントロールし快適性を高めるもので、“リフレッシュ”や“バイタリティー”、“トレーニング”の3プログラムから選択することが可能だ。さらに、“エナジャイジングコーチ”機能を使用すると、高度なアルゴリズムに基づき走行時間等を加味したうえで、さらにGarmin製スマートウォッチを装着した場合は、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データも活用し、運転手をサポートするモードを提案するという。また、シートクッションとバックレストのわずかな動きにより、着座姿勢の変更をサポートする“エナジャイジングシートキネティクス”も装備される。その他、昨年導入されたAクラスと同様、MBUXも搭載されている。


3種類のエンジンを搭載

M256型のガソリン直列6気筒エンジン

 パワートレインは3種類。GLE450はM256型のガソリン直列6気筒エンジンにISG、48V電気システムが組み合わされる。エンジン単体で最高出力367PS、最大トルク500Nmを発生させ、さらに、エンジンとトランスミッションの間に配置された、最高出力16kW、最大トルク250Nmを発生する電気モーター、ISGと、48V電気システムにより、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電する。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と、力強い加速を実現。スターターが従来よりも高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性が向上した。テロネス氏はこのエンジンについて、「走行性能や快適性能を、エンジンだけでは到達できなかったレベルまで向上させています。スムーズでありながらトルクフルな低速からの立ち上がり、高回転域での伸びやかな直列6気筒の加速感など、まるで大排気量の自然吸気エンジンのような感触で、とても気持ちの良いパワートレインです」と評する。

 GLE400dに採用されるクリーンディーゼル直列6気筒エンジンはOM656型と呼ばれ、S400dにも搭載されたものと同型だ。最高出力330PS、最大トルク700Nmと、メルセデスの乗用車の中で最高水準の出力を誇るもので、2ステージターボチャージャーを使用し、小さいタービンにはさらに可変タービンジオメトリーを採用。低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能にしている。効率性や環境性能の追求はもちろんのこと、低振動で高い静粛性を有しているという。「ディーゼルエンジンであることを忘れさせるほどの静かで低回転から高回転までスムーズに吹け上がる加速感は、ディーゼルエンジンでありながら官能的とまで表現できる感性性能を備えています」とこちらも高く評価する。

 そしてGLE300d 4Maticは2リッター直列4気筒クリーンディーゼルエンジン、OM654型が搭載される。この実績のある4気筒クリーンディーゼルエンジンをベースに、ターボの大型化などを行い、最高出力245PS、最大トルク500Nmを発生。「GLEを無理なく加速させるのに十分な出力を有しています」とした。


2種類の4MATIC


 新型GLEには2種類の4MATICが搭載される。GLE400dとGLE450には、連続可変のトルク配分を行う新開発の4MATICが装備され、オンロード・オフロードの性能をさらに高いレベルで両立させた。そして、GLE300dは、固定トルク配分となる4MATICを採用。トランスミッションは全て9速オートマチックトランスミッションの9G-TRONICが装備される。1速から9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、優れたエネルギー効率と快適性を実現している。

 安全運転支援システムも充実しており、Sクラスと同レベルのものが標準装備。新型GLEからは、アクティブブレーキアシスト機能を採用。これは右折する際に対向車との衝突の危険性があるとシステムが判断した場合、緊急ブレーキが作動するものだ。


SUV特設Webサイトを開設

メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏(右)とプロサーファーの大野修聖氏(左)

 上野氏によると、GLEのマーケティング活動として、SUV特設Webサイトを開設するという。これは、「メルセデスのSUVで日本各地の魅力を再発見するという企画で、第1弾の新型GLEでは、日本で活躍する一流の方をアンバサダーとして起用。そのアンバサダーのライフスタイルや言葉を通してメルセデスSUVと日本の知られざる魅力に迫る内容となる予定です」と発表。

 発表会場にはその新型GLEのアンバサダーとしてプロサーファーの大野修聖氏も登壇。「子供の頃からメルセデスベンツは大好きな、夢に見たクルマだったので、こうしてアンバサダーとして任命してもらい嬉しいという以上の気持ちです。最初のクルマが18歳のころに買ったVクラスで、生意気にも心地よく大会を転々としたことを覚えています。新型GLEにはまだ乗っていませんが、メルセデスベンツといえばベストオブベストなのでデザインと機能性はもちろんのこと、ひたすら移動しているので、僕にとっては安全性が大切。これ以上のクルマはないと思っています。これから今までに挑戦したこともない波をこのGLEとともに一生現役で進んでいきたいと思っています」とコメントし、このアンバサダーを楽しんでいくことを明かした。


メルセデスベンツ GLE 400d 4MATIC スポーツ(9速AT)※諸元は欧州参考値

全長×全幅×全高 4930×2018×1795mm
ホイールベース 2995mm
エンジン 直6DOHCディーゼルターボ
総排気量 2925cc
最高出力 330ps/3600-4000rpm
最大トルク 51.0kgm/1200-3000rpm
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 275/50R20