『トラペジウム』が平成生まれが買った本1位獲得 乃木坂46 高山一実「私を作った本」を語る

乃木坂46高山一実の初小説『トラペジウム』が2019年上半期「平成世代が買った本」1位を獲得した。それを記念し19日(水)、東京・六本木のブックカフェ「文喫」にてトークイベントを開催した。

アイドルを目指す少女の10年間を瑞々しく綴った青春小説『トラペジウム』(KADOKAWA)。昨年11月の発売以来重版を重ね、今年2月には20万部を突破していた。今回、日本出版販売が発表した「2019年上半期文芸書ベストセラー」では3位にランクインし、「平成世代が買った本」ではベストセラー1位を獲得した。

トークイベントでは今年3月に紀伊国屋新宿本店で開催されていた「高山一実記念館」で実施されていた企画「高山一実を作った20冊」について高山自身が語る場面もあった。

本を読むきっかけになった湊かなえの作品については「本当に湊さんがきっかけで今の私があるので、『少女』は私の中では殿堂入りです。本をまだ読んだことのない方は、最初に読んでほしいなって思います」と語った。

『少女』は、『告白』で本屋大賞を受賞した湊かなえの2作目の書き下ろし小説。それぞれ別の理由で人が死ぬ瞬間を見てみたいと考えた女子高生2人が、死の瞬間に立ち会おうと、老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く、少女たちの衝撃的な夏休みを描いた長編ミステリーだ。

また『トラペジウム』執筆中に刊行された湊かなえの『未来』については「(執筆中の)『トラペジウム』を全てになかったことにしたいぐらい、自分の伝えたいメッセージを伝えてくださっているって思ったんです。その感想を(対談で)湊さんに伝えさせていただいた時に、“絶対に発売するべき”っておっしゃっていただいて、その言葉が糧になりました。9割書き終わっている時だったんですけど、あとの1割は湊さんに背中を押していただいたなと思っています」と『トラペジウム』執筆中のエピソードを交えてその素晴らしさを語った。

20年後の自分から届いた手紙に励まされ日々を暮らす小学生・章子と、彼女を待っている目を背けたくなるような現実。『未来』は“イヤミスの女王”湊かなえが「大人と子どもの関係性」をテーマに書いた長編ミステリーだ。

また、「高山一実を作った20冊」に2冊入っている、文豪・三島由紀夫については「三島由紀夫さんは私がまだ本の魅力を知らなかった頃から国語の授業で習うので『金閣寺』『潮騒』『仮面の告白』の作品名だけ知っていたんです。最初に読んだのは高校生の頃。『命売ります』を読んで、こんなポップな内容の作品も書かかれるんだって思いました」と語った。

『命売ります』は自殺に失敗した男が、新聞の求職欄に「命売ります」という広告を出し、依頼してきた人々と繰り広げる命のやり取りをブラックユーモアを交えて描いたエンターテイメント小説で、三島由紀夫が死の2年前に『週刊プレイボーイ』で連載した異色作。

そのほか、「最近読んだ本とか、ジャンルもいろいろ変えて選ばさせていただいた」という高山一実の私を作った20冊はこちら。
▽高山一実を作った20冊(日本作家・海外作家 それぞれ50音順)
赤川次郎『マリオネットの罠』(文春文庫)
有川浩『阪急電車』(幻冬舎文庫)
乙一『暗いところで待ち合わせ』(幻冬舎文庫)
川村元気『四月になれば彼女は』(文藝春秋)
住野よる『君の膵臓を食べたい』(双葉文庫)
中村文則『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎文庫)
中村文則『掏摸(スリ)』(河出文庫)
羽田圭介『黒冷水』(河出文庫)
古市憲寿『平成くん、さようなら』(文藝春秋)
三島由紀夫『命売ります』(ちくま文庫)
三島由紀夫『三島由紀夫レター教室』(ちくま文庫)
湊かなえ『少女』(双葉文庫)
湊かなえ『リバース』(講談社文庫)
湊かなえ『未来』(双葉社)
村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文春文庫)
群ようこ『かもめ食堂』(幻冬舎文庫)
アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』(ハヤカワ文庫)
チャールズ・ブコウスキー『パルプ』(ちくま文庫)
ヘミングウェイ『老人と海』(新潮文庫)
R・J・パラシオ『Wonder ワンダー』(ほるぷ出版)