ブルーレイディスクボックスが10月に発売される「白蛇伝」

 日本初の本格的カラー長編アニメーション映画として1958(昭和33)年に公開された「白蛇伝」のブルーレイディスク(BD)ボックスが、10月に発売されることが6月13日、分かった。広瀬すずさん主演で放送中のNHK連続テレビ小説「なつぞら」でも描かれている、草創期の日本のアニメ界を代表する作品。今回のBDボックスには特典として、資料的な価値の高い制作時の台本や絵コンテ、ポスターなどを復刻して同梱(どうこん)する。

 当時「漫画映画」と呼ばれていたアニメーション。それまで劇場上映用の短編作品やコマーシャル用などが制作されていたが、ディズニー作品のような長編カラー作品は日本ではまだ制作されておらず、当時、新興の映画会社であった東映が、アニメーション映画の将来の可能性を見据え、1956年に東映動画(現・東映アニメーション)を設立。約2年半後の1958年に「白蛇伝」を完成させた。

 物語やデザインの基本設定は画家で登山家の岡部一彦さん、背景作りには舞台美術家の橋本潔さんら当時活躍していた美術関係者が起用され、それまでに短編アニメーション「こねこのらくがき」などでも演出を担当した藪下泰司さんが、1957年の12月から絵コンテを手掛け実制作がスタート。原画は大工原章さんと森康二さんのベテランスタッフ2人が担当し、新人の動画担当のアニメーター42人を率いて完成にこぎ着けたという。

 アニメーション制作の経験者などいない時代、順次募集されたスタッフにノウハウを教育しながら制作され、完成には約7カ月の作画期間と4047万1000円の制作費、原画1万6474枚、動画6万5213枚が費やされた。また映画に登場する全てのキャラクターを、俳優の森繁久彌さんと歌手の宮城まり子さんの2人が演じ分けて担当した。BDボックスは初回生産限定。10月9日発売で、価格は1万4800円(税抜き)。

 ◇「白蛇伝」クレジット(敬称略)

 原案:上原信▽製作:大川博▽企画:高橋秀行/赤川孝一/山本早苗▽脚本・演出:藪下泰司▽音楽:木下忠司/池田正義/鏑木創▽構成美術:岡部一彦/橋本潔▽台詞構成:矢代静一▽撮影:塚原孝吉/石川光明▽原画:大工原章/森康二▽声の出演:森繁久彌/宮城まり子