イベント[2019.06.11 UP]


「バリアフリー2019」福祉車両レポート【ニュースキャッチアップ】より快適に、使いやすく。福祉車両はここまで進化した!


文と写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグー本誌 2019年6月掲載の内容です)


最新の福祉機器が一堂に会するイベントとして、毎年多くの来場者を集める「バリアフリー展」が今年も開催された。福祉車両は一般的なクルマと違い、なかなか実車を試すことができないという事情もあって、来場者の目は真剣そのものだった。


実際に使い勝手を試せる福祉車両の展示イベント


 クルマの本質的な価値は、我々に移動の自由を提供してくれることにある。しかし、高齢や障がいによって身体機能に制限があるひとにとっては、一般的なクルマは使いにくく、場合によっては乗車すらできない。そこで登場するのが、福祉車両と呼ばれるクルマたちだ。
 「バリアフリー2019」は、高齢者や障がい者に快適な生活を提案することがテーマで、同時開催のイベントと合わせて8万8千人が来場したという。世間の関心が高まっていることをうかがわせる数字だ。会場には車いすの利用者も多く、熱心に使い勝手をたしかめていた。
 会場に並ぶ最新の福祉車両を取材して感じたのが、非常に多くのバリエーションが存在するということ。その理由は、身体の状態に合ったクルマでなければ使えないから。ひと口に車いすと言っても、サイズや重さはまちまちだし、並んでの介助が必要な場合もある。だからこそ、こういった展示会の役割は大きい。
 一方で福祉車両の進化も感じた。近年ではベースモデルの開発時に福祉車両化を見据えた設計を行うケースが徐々に増えているし、ユーザーの声を反映し、開発に生かすといった好ましいサイクルも加速している。
 より快適に、使いやすく進化を続ける福祉車両に今後も注目したい。


ユーザーの声を反映して福祉車両も多様化の時代に



トヨタ&ダイハツ
「ヴェルファイア サイドリフトアップシート装着車」は、シートの角度などが乗り降りしやすいよう設計されていることに加え、道路へのはみ出しも最小限に抑えられた。


3列目シートへの移動をしやすく改良した「ノア ウェルジョイン 助手席リフトアップシート付」。


「ハイゼット スローパー」は、車いすの横にもシートがあるため、並んで座り介護したいユーザーに人気がある。


タント ウェルカスタムシート」はBピラーがないため、介助しやすい。スピードを重視したシート昇降モードも用意。


スズキ
新型をベースにした「スペーシア車いす移動車」。テールゲートとスロープを一体化させることで、手早く乗車できる。




「エブリイ 車いす移動車」は車いすの横に補助席があり介助しやすいのが特徴。装備の充実したエブリイワゴンの車いす移動車もある。


免許返納後の移動手段としても注目されている電動車いす。スズキは長年手がけている。


ホンダ
「ステップワゴン 車いす仕様車」は、前後に2台の車いすまたは、ストレッチャーやリクライニング状態の車いすが乗車可能。3列目が床下収納され空間効率がいい。


「N-BOX スロープ仕様車」は、ベース車の設計段階から福祉車両化を意識したことで使い勝手がよく、人気も高い。


最新の市販レース用車いす「翔」も展示されていた。国内外の数多くのトップアスリートが導入を決めている。


日産
福祉車両であっても最新モデルに乗りたいという声に応えて開発された「セレナ e-POWER チェアキャブ スロープタイプ」。


こちらは「ノート e-POWER」の上級グレード「MEDALIST」をベースにした助手席回転シート仕様。


必要になったときに慌てないためにも

 福祉車両はその性質上、いざ必要になったときに急いでクルマ選びをすることになるジャンルでもある。クルマによって使い勝手を含めてマッチングが大切なクルマだけに、どのようなタイプがあるのかだけでも知っておきたいところ。なかなか実車を見る機会がないだけに、こういったイベントは貴重だ。



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