中古車購入チェックポイント[2019.06.11 UP]


ホンダ フリード/フリードプラス【ONE MAKE MARKET RESEARCH】小さなボディに無限大の楽しさが詰まったコンパクトミニバン

※写真は2016年式 フリード

文●工藤貴宏
(掲載されている内容はグー本誌 2019年6月掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2019年5月調べ。


実用的な室内スペースかつ、小さな車体サイズで運転もしやすい人気モデル! 日常生活に“ちょうどいい”と言われる理由は?

●全長×全幅×全高:4265×1695×1710mm ●ホイールベース:2740mm ●トレッド前/後:1480/1485mm ●車両重量:1430kg ●エンジン最高出力:131ps/6600rpm ●エンジン最大トルク:15.8kgm/4600rpm ●モーター最高出力:29.5ps ●モーター最大トルク:16.3kgm ●サスペンション前/後:ストラット/車軸式 ●ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:185/65R15 ●中古車参考価格帯:150万円~260万円(16年~19年 ※全グレード)


コンパクトボディながら多人数乗車できるクルマ


 フリードはコンパクトカーでもあり、3列のシートを備えるミニバンでもある。その魅力は、なんといっても効率のよさだ。
 三世代家族での移動や子供のクラブ活動の送迎など、1台のクルマに多くの人を乗せることが求められるシーンがある。そんなときに都合がいいのはやはりミニバン。とくに7人乗りのフリードは実用性が高い。
 一方で日本には狭い道や狭い駐車場がたくさんあるから、車体は大きすぎないほうがいい。車体が小さいと運転がしやすいだけでなく、狭い駐車場での乗り降りだってしやすい。そこを考えてコンパクトカーなど小さな車体を求める人も多いのが、昨今のクルマ選びの流れだ。
 フリードは、その二つの要素を兼ね備えたクルマ。日常生活にちょうどいい車体サイズと実用性なのである。大きな車体のミニバンはほかにもたくさんあるが、小さな車体の3列シートミニバン、そしてスライドドアを組み合わせたモデルとなると、新しめのモデルで選べるのはトヨタ シエンタとこのホンダ フリードだけなのだ。
 もうひとつのポイントは、天井の高さとスライドドア。一般的なコンパクトカーに比べて高い天井は、後席の開口部を広くできるから乗降性のよさに直結している。さらには開いたドアが乗り降りの邪魔をしないスライドドアは、赤ちゃんを抱えたままの乗り降りやチャイルドシートへの乗せ降ろしもしやすく、子供が勢いよくドアをあけて隣のクルマにドアをぶつける心配がないのもいい。電動スライドドア装着車であれば、運転席からスライドドア開閉をコントロールできるのもメリットだ。
 運転しやすく、室内は実用的。そして乗り降りだってしやすい。フリードは日常生活に“ちょうどいい”小さなミニバンである。


[エクステリア]いかにも「箱型」ではなく軽快だ

フリード/フリードプラスともにガソリン車とハイブリッド車を設定。ハイブリッド車は写真のようにフロントグリルやヘッドライトの飾りが青っぽくなり、専用デザインのテールランプを組み合わせる。

 スペース重視のデザインだが、大きく寝かせたフロントウインドウなどは軽快な雰囲気も感じさせる。一方で車体後部は広さを重視して四角くしているのが特徴だ。あまりに効率を求めて「箱型」にしてしまうよりも、適度に躍動的があって親しみを覚えやすい。後席ドアは全車ともスライド式で、電動開閉機能も設定している。


フリードは後席の有無で2つのタイプから選べる
フリードプラス(左)/フリード(右)

フリードプラスは2列シート仕様
「フリード」と「フリードプラス」の違いは、3列目の有無。2列仕様のフリードプラスは3列目のシートがないぶん荷室空間が広く、荷物をたくさん積むことができる。3列目を活用する予定がなくステーションワゴン的な使い方を求めるなら、フリードプラスが魅力的。


[バリエーション]

モデューロX

スポーティな「モデューロX」
 特別な仕様として設定されている「モデューロX」のポイントは、スポーティテイスト。エアロスタイルの外装を身に纏うだけでなく、サスペンションも走行安定性をひときわ高めた専用セッティングだ。


車いす仕様車

選べる3タイプのライフケアビークル
 「サイドリフトアップシート車」では2列目、「助手席リフトアップシート車」では助手席に、電動で車外にせり出してくれるシートを備えるから乗り降りが楽。車いす仕様車は最初から荷室の床が低いフリードプラスをベースにしているので、一般的な同タイプの車両に比べて価格が抑えられているのが特徴。


サイドリフトアップシート車


助手席リフトアップシート車


[インテリア]ゆとりの広さではないけれど3列目も無理なく座れる

インパネのデザインは高い位置のメーターが特徴。ハンドルにさえぎられることなく表示を確認できるほか、前方との視線移動が少なく済むのもメリット。※写真は2016年式 フリード

 やはり気になるのは3列目の居住性。小さな車体サイズなので、さすがに大きな車体のミニバンのようなゆったり感はないけれど、大人でも窮屈な印象はなく無理なく座れる。2列目のシートは、6人乗りは写真のように左右が独立したタイプ、7人乗りは左右がつながったタイプを組み合わせる。


3列目のシート格納は左右跳ね上げ式。左右分割で、片方だけを畳むことができる。運転席周辺は収納スペースが多くて便利だ。


センターコンソールトレイは、一部仕様ではホワイトに塗って明るさや温かみを表現。対応するスマホなら置くだけで充電できるワイヤレス充電器も設定。




[メカニズム]先進安全デバイスも搭載

[HYBRID]エンジンの苦手な領域をモーターがアシストすることで、燃費をよくするハイブリッド。バッテリーなどは1列目のシート下に内蔵。

 ガソリン車に加えてハイブリッド車を用意したり、「ホンダセンシング」と呼ぶ衝突被害軽減ブレーキなどをセットにした先進安全システムを採用する。ハイブリッド車の走りはモーターによるトルク増強効果で加速が力強く、室内スペースや荷室スペースの広さがガソリン車と変わらないのも自慢。


[HONDA SENSING]衝突しそうになるとクルマが判断してブレーキをかける仕掛けをはじめ、高速道路で前のクルマに追尾するよう自動で速度を調整する機構も採用している。


フリードプラスって何がスゴイの?

[その1]ロングテールゲート&超低床フロア
 荷室床面の低さが驚異的で、床が低い分だけ普通のフリードよりも天地高が増しているからより多くの荷物を積むことができる。また、ボードで上下を分割して積載効率を高められるのも魅力だ。床が低い分だけ車体後部の開口部も広い。



[その2]車中泊もできる多彩なシートアレンジ
 床面のボードを活用し、荷室床面の完全フラット化も実現。この特徴を生かし、大人ふたりが横になれるスペースは車中泊にも大活躍してくれるだろう。サーフボードなどの長尺物を車内に積む際も便利なアレンジである。


[先代モデル]価格が安い先代モデルという選択も

中古車参考価格帯:40万円~200万円(08年~16年 ※フリードスパイクを除く)

 先代モデルでも「無理なく座れる3列目」というパッケージングは実現できているから、実用性は高い。現行モデル同様にガソリン車とハイブリッドが選べるほか、2011年10月以前の車両では、3列目に3名が座れる8名乗車モデルも用意されている。相場は下がり、大変お買い得な1台。


中古車参考価格帯:40万円~200万円(08年~16年 ※フリードスパイクを除く)




[市場データ]物件数は多いが相場はやや高め、購入するなら16年式


 登場から4年が経つものの、その人気ぶりから中古車相場は高値安定。しかし、2016年または17年式ならば100万円以下の物件も目立ち、以前よりも買いやすくはなっている。物件豊富で安いのは3列シート車の非ハイブリッド「G」。フリードプラスは物件が少ない。



グレード
フリードプラスの割合が極端に少なく、全体の1割未満となっている。もっとも多いのはフリード非ハイブリッドモデルの「G」だ。



年式
2019年式を除けば、どの年式もそれなりに充実している。とくに2018年式は登録済未使用車も少なくない。価格重視なら2017年式を。



走行距離
物件の大半は5000kmの低走行車だが、こちらは2018年式が中心。しかし2016年~2017年式でも3万km未満が大半である。


自動車ジャーナリスト工藤貴宏の「ホンダ フリード/フリードプラスのGOODとBAD」



【GOOD】小さい車体ながら実用性の高さが見事


 フリードの素晴らしさは「ちょうどよさ」に尽きる。室内はゆとりたっぷりとまではいかないものの、3列目も無理なく座れ、一般的なコンパクトカーに比べて荷室も広いし乗り降りもしやすい。一方で車体が小さいから運転がしやすいのもちょうどいい。そのバランスが絶妙で、この実用性の高さを一度味わうとほかのクルマが選べなくなってしまうほどだ。


【BAD】完成度が高く目立つ欠点はない


 これといって車両特有のウィークポイントは見当たらない。大きなミニバンに比べると居住スペースや荷室スペースにゆとりがないといった側面もあるが、それは「小さい」というパッケージングを組み立てるために欠かせない“特性”なので欠点とはいえない。ただ、背が高いので、ミニバン非対応の機械式立体駐車場を使えないことは覚えておこう。


編集部イチオシ!

買いのグレードは「G ホンダセンシング」

安全性を考えると「ホンダセンシング」が採用されているグレード(もしくはオプションで装着されている車両)を選びたい。「G」は助手席側の電動スライドドアも標準装備する。



関連情報


ボディタイプ:ミニバン