椎名林檎(提供:日比谷音楽祭)

亀田誠治が委員長を務める日比谷音楽祭実行委員会主催のフリーイベント「日比谷音楽祭」が、6月1、2日に東京・日比谷公園で開催された。

「フリーで誰もが参加できる、ボーダーレスな音楽祭」をコンセプトに、公園内の複数の会場で行われたこのイベント。アーティストによるライブのみならず、楽器体験ブースや音楽を奏でながらの絵本読み聞かせなど、世代とジャンルを超えて楽しめる催しも用意され、初日は約3万5000人、2日目にはおよそ6万5000人が集まった。

イベント初日、日比谷野外大音楽堂で行われた「Hibiya Dream Session」のオープニングセレモニーには小池百合子東京都知事が登壇。都知事は祝辞を述べると共に、リニューアルされたばかりの野外大音楽堂について、「日比谷公園は、120年近い歴史があります。419日後には東京オリンピック、さらにパラリンピックとつながっていきますが、パラリンピックをきっかけにしてユニバーサルデザインを心がけており、ここ野音もスロープを付けて車いすでも使いやすくなった」と説明した。セレモニーのあとは豪華アーティストが続々と登場し、KREVAは「Na Na Na」でゴスペルチームと9歳のドラマー・よよかとセッションを展開。山本彩は最新シングル「イチリンソウ」、AKB48の楽曲「365日の紙飛行機」を熱唱し、夕暮れどきに登場したJUJUはヒット曲「やさしさで溢れるように」を歌い上げた。

ゴダイゴのタケカワユキヒデとミッキー吉野が幅広い世代に親しまれる名曲「銀河鉄道999」で観客を盛り上げたあとには布袋寅泰が登場。世界的な認知度を誇る「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」で会場の興奮を高めたところで石川さゆりが合流し、「NHK紅白歌合戦」でのコラボでも話題になった「天城越え」を披露した。石川は「日比谷の野音というのは、45、6年ぶりです。そのときは私もすごく子供で15歳とか16歳とか。(山口)百恵ちゃん、(森)昌子ちゃん、さゆりちゃんでここでやりました」と野音での思い出を振り返った。最後は「ソーラン節」が届けられ、観客からの合いの手も相まって、一体感のあるエンディングとなった。

2日目の昼、日比谷野外大音楽堂の「Hibiya Dream Session 2」では、まずCreepy Nutsが「かなり命令します」とヒップホップにおけるライブの注意事項を丁寧に説明し、「数え唄」でライブをスタートさせた。2人は観客に手を挙げさせ、コール&レスポンスに興じて、会場を盛り上げた。同志社大学のThe Third Herd Orchestraは「スラップハッピー」の演奏後にシークレットゲストを紹介。すると、ステージに和服姿の椎名林檎が登場し、客席に大きなどよめきが起こる。椎名は「こんにちは。お邪魔しております」と丁重に挨拶し、自身の楽曲「人生は夢だらけ」をThe Third Herd Orchestraによる演奏をバックに歌唱。続けて椎名と宮本浩次(エレファントカシマシ)による初共演となる楽曲「獣ゆく細道」のイントロが流れると、宮本本人が登場して椎名とのデュエットでイベントに華を添えた。

その後も新妻聖子や、平昌オリンピックの開会式と閉会式で音楽監督を務めた梁邦彦、CHEMISTRYの堂珍嘉邦といった面々が続々と登場。新妻と堂珍が「美女と野獣」で美しいハーモニーを聴かせるという「日比谷音楽祭」ならではのコラボが展開された。亀田に迎え入れられて姿を見せたナオト・インティライミが、亀田の呼び込み時の発音についてインティライミの「ティライミ」がうまく言えていなかったことを指摘し、登場シーンをやり直すなど、イベントは和やかに進行。ナオトが「カーニバる?」を歌えば観客が立ち上がってタオルを振り回すなど、開放的な野音のステージにぴったりな熱いライブが展開された。