ルネサス エレクトロニクスは5月30日、インターシルブランドとして人工衛星のコマンドおよびテレメトリシステムの小型化・軽量化・低消費電力化を可能とする4ビットデコーダ内蔵耐放射線パッケージ16chカレントドライバ「ISL72814SEH」を発表した。

同製品は、独自のSOIプロセスを採用し、デコーダ、入力レベルシフタ、16のカレントドライバアレイを1つのモノリシックICに集積することで、ペイロード内のRFスイッチの削減することを可能とするほか、スラスタのオン/オフやソーラーパネルのチルト用モータの起動などに用いられるソレノイドとリレーを、50mA~600mAのラッチパルスを持つ12V~30Vを出力して制御することも可能だという。

また、レベルシフタの統合などにより、複数の周辺部品を削減することも可能となっており、例えば内蔵クランプダイオードにより、誘導性負荷によるサージ発生に対しても保護回路を追加することなく対応できるとしている。

さらに、高線量(HDR)では100krad(Si)、低線量(LDR)では75krad(Si)までの線量に対してウェハ合格検査済みとするほか、特性化試験では、最大86MeV cm2/mgの線エネルギー付与(LET)で、シングルイベントラッチアップ(SEL)、シングルイベントバーンアウト(SEB)、シングルイベントトランジエント(SET)は認められなかったという。

なお、同製品はすでに28リード セラミックフラットパックパッケージにて販売中で、評価用ボードの提供も開始されているという。

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    4ビットデコーダ内蔵耐放射線パッケージ16chカレントドライバ「ISL72814SEH」