20カ国・地域(G20)首脳会合で国連持続可能な開発目標(SDGs)など地球規模課題で協調を―世界のシンクタンクや研究機関の関係者で構成する「T20」が26、27日の両日東京都内で会合を開催した。27日は来月大阪市で開かれるG20首脳会合に向けた共同声明を発表、声明文書は河野太郎外相に手渡された。声明は、世界で進む格差拡大や保護主義の台頭など世界的な構造変化に危機感を表明し、地球規模課題解決に向けG20に強い指導力を求めている。

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    T20の共同声明を受け取る河野太郎外相(右、左はアジア開発銀行研究所の吉野直行所長)

T20のTはシンクタンク(THINK TANK)の頭文字。今回の会合はアジア開発銀行研究所(ADBI)、日本国際問題研究所(JIIA)、国際通貨問題研究所(IIMA)の3つの国内主要シンクタンクが共催し、G20だけでなく世界の約50カ国から約500人が参加した。

26日は安倍晋三首相がビデオ映像を寄せ、「G20首脳会合では国際社会が直面する課題について、各国が団結して対処するというメッセージを発信したい」などと語った。また「T20はG20の重要なエンゲージグループの1つだ」と述べ、T20の議論に期待を寄せた。27日の閉会セッションで共同声明を手渡された河野外相はあいさつの中で「私たちが持続可能な、インクルーシブ(包摂的)な、強靱な社会をつくらなければならないことは疑う余地がない。そのためにどうしたらよいかが大きな問題だが、T20はこれらの問題を議論し声明をまとめてくれた。G20首脳会合にこの声明を持参(し反映)したい」などと述べた。

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    閉会セッションであいさつする河野太郎外相

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    閉会セッションであいさつする河野太郎外相

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