3年の歳月をかけて作られたポルシェだけの巨大ミュージアム

ポルシェのスポーツカーの歴史は、1948年、タイプ356 で幕を開ける。そして3 年後の1951年には356SLがルマンへ初参戦。クラス優勝を遂げている。ポルシェの歴史とは、すなわちモータースポーツの歴史でもある。ポルシェ自身がそのことを理解し、ヘリテージをいかに大切にしているかは、ポルシェミュージアムを訪れてみると一目瞭然である。
 
ツッフェンハウゼンのポルシェ本社工場前に新しいミュージアムを建設する計画は2005年10月にはじまった。全ヨーロッパの170もの建築事務所からデザイン案が寄せられ、勝ち残った10社によるコンペティションの結果、ウィーンの Delugan Meissl建築事務所の案が最終的に選出されている。
 
展示フロアは、3本の柱に支えられて宙に浮く巨大なモノリス(一枚岩)をイメージしたもので、その大きさは縦140m、幅70m、床面積5600 ㎡、重量は3万5000トンにも及ぶ。総工費約1億ユーロを投じて、約3年の歳月をかけ2008年12月に竣工した。
 
ポルシェミュージアムとは、単なるクラシックカーの展示場ではない。彼らはそれを"ローリングミュージアム" と呼んでいるが、すなわちポルシェクラシックにてレストアされたモデルが実際にヒストリックカーレースやイベントに参加し、観客の眼前を走るというわけだ。

ミュージアムに展示されているのは500台以上とも言われる所有車の約6分の1ほど。例えばレースに参加するタイミングなどで展示車両が入れ替わる。したがって訪れるたびに新たな発見があるというわけだ。企画展示も趣向が凝らされており、現在は917誕生50周年を記念した特別展示が行われている。

ポルシェミュージアムとは、ポルシェのもつ偉大なる遺産を次世代へと継承するための一大拠点なのだ。