映画「空母いぶき」の一場面 (C)かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

 かわぐちかいじさんのマンガが原作の映画「空母いぶき」(若松節朗監督)が24日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。かわぐち作品初の実写化。国籍不明の軍事勢力の襲撃を受けた非常事態下の日本で平和を守ろうとする人々の戦いを描いた。西島秀俊さん、佐々木蔵之介さん、佐藤浩市さんら豪華俳優陣が熱演している。

 マンガ誌「ビッグコミック」(小学館)でかわぐちさんが連載中のマンガにオリジナルの設定と展開を加えて製作されている。架空の航空機搭載型護衛艦「いぶき」が舞台。クリスマスを間近に控えたある日、沖ノ鳥島の西450キロにある波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸。海上自衛隊はすぐに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に出動を命じる。その旗艦は、計画段階から「専守防衛」論議の的となってきた、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦「いぶき」だった。

 艦長の秋津竜太一佐(西島さん)と副長・新波歳也二佐(佐々木さん)らは急ぎ現場海域へ向かう。そこで彼らを待ち受けていたのは敵潜水艦からの突然のミサイル攻撃だった。敵の空母艦隊までもが姿を現し、想定を超えた戦闘状態に突入していく中で、政府はついに「防衛出動」を発令する……。

 ほかに、垂水慶一郎首相役で佐藤浩市さん、ネットニュース記者・本多裕子役で本田翼さん、コンビニエンスストアの店長・中野啓一役で中井貴一さん、アルバイトの森山しおり役で深川麻衣さんらも出演。第5護衛隊群乗員役の高嶋政宏さん、玉木宏さん、戸次重幸さん、市原隼人さん……と個性豊かで豪華なキャストが顔をそろえた。

 描かれているのは「自衛」のための戦い。その核は、自衛隊、政治家、国民それぞれの立場の思惑が錯綜する重厚な人間ドラマだ。掲げる理想と迫りくる現実。その狭間で苦悩する登場人物たちの張り詰めた表情に引き込まれる。特に胸の内を決して明かさない西島さん演じる秋津の、不敵な笑みを浮かべた表情は、不気味な雰囲気を漂わせ、強い印象を残す。臨場感あるリアルな戦闘シーンも必見だ。(河鰭悠太郎/フリーライター)