データダイレクト・ネットワークス・ジャパン(DDN ジャパン)は、昨年9月に米Tintriを買収して以降初めて、Tintri関する記者発表を開催。今後の方向性と年内にリリース予定の新機能を紹介した。
米DDNは、昨年9月、米Tintriを6,000万ドルで買収したことを発表した。現在、TintriはDDNの中の1つの事業部(Tintri by DDN)として活動している。
買収の経緯について、5年前にTintriに入社し、DDNによるTintri買収以降は、Tintri組織の再構築に責任を持っている米Tintri by DDNワールドワイド セールス&マーケティング シニアバイス プレジデント フィリップ トリコビク氏は、「1年前くらいからM&Aの話をDDN幹部と開始した。DDNはHPCをやってきた会社で、Tintriは仮想化をやってきた。両極端の2社が一緒になることで、ちょとよい中間点をカバーできると考えた。DDNは財務に厳しく、規律を効かせた経営をしている。そこがTintriにはなかった。そのため、Tintriには技術はあったが、1四半期も黒字にすることができなかった。しかし、買収以降は2四半期連続で黒字を達成し、約300%の成長を達成している。買収後は、大手顧客の半分程度はTintriから離れていくのではないかと思ったが、1社も離れなかった。これは、Tintriのテクノロジーの強さを証明している」と語った。
データダイレクト・ネットワークス・ジャパン 代表 ロベルト・トリンドル氏は、「DDNはHPC分野に特化してきたが、ビジネスを拡大するためにいくつの会社を買収している。Tintriも昨年買収した。Tintriとしての会社は存在していないが、DDNの中の事業部として存在している。これによって、新しい層の顧客を開拓できた」と語り、今後は、Tintriの機能としては、データ領域分野を強化するとした。
具体的には、アナリティクス、データベース(DATA AWARE:DBを理解する)、データセンター設計、プラットフォームとパフォーマンス、セキュリティ、UIの6つを強化していくという。
そして同日、DATA AWARE部分の新機能(Tintri OS)として、データベース統合機能が発表された。
Tintriが提供するストレージは、サーバ単位ではなく、サーバ上のVM単位で管理ができることが大きな特徴だが、データベース統合機能は、これをデータベースに広げたもの。1つのVM上で動作する複数のデータベースを個別に管理できるようにするもので、パフォーマンスの可視化、制御、予測が可能で、スナップショット取得、クローン、レプリケーションをインスタンスで個別に行うことできる。また、優先すべきデータベースを特定し、割り当てるリソースを自動で調整するという。
まずは、SQL Server対応を行い、8月のVMware Warldでプレビュー版を紹介、年内に正式リリースするという。そのあとは、12-18カ月ごとにOracle、MongoDB、PostgreSQLなどの主要なDBに対応していくという。