スペシャルドラマ「白い巨塔」で花森ケイ子を演じる沢尻エリカさん

 岡田准一さん主演で22日から放送される「5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子『白い巨塔』」(テレビ朝日系)に花森ケイ子役で出演する女優の沢尻エリカさん。これまでに何度もドラマ化された山崎豊子さんの不朽の名作が原作で、大学病院という組織の中の権力争いを軸にした人間ドラマが描かれる。沢尻さん演じるケイ子は、病院の中でのし上がっていく主人公・財前五郎の愛人のホステスで、広い心と仕事で得たネットワークを駆使して財前を支える存在。「どうやって“大人のいい女”感を出せるか、すごく苦労した」と明かす沢尻さんに、役作りや岡田さんとの共演エピソードなどを聞いた。

 ◇“大人のいい女”役に苦労 岡田准一といきなりキスシーンで…

 「最初は『この名作をまたやるんだ』という気持ちでした」と語る沢尻さん。もともと過去に映像化された作品も見ていたといい、「(同じ役を)黒木瞳さんが演じられていたのを見ていて『この役か!』と。すごく好きな作品なので、緊張するというか『え、私なんかがいいんですか』という気持ちでした(笑い)」とオファー当時の心境を明かす。    演じるケイ子は大人の魅力を漂わせるキャラクター。沢尻さんは「しっかり芯があって成熟した大人な女性、というイメージがありました」とケイ子の印象を語る。ただ、その“大人な女性”という部分に苦戦した。「どうやって“大人のいい女”感を出せるのか、そこにすごく苦労して……」と明かし、「おおらかというか、愛情深くというか、包み込んであげるような大きな優しさを持った女性でいようとは、心掛けていました」と役作りを語る。

 鶴橋康夫監督からの信頼は厚く、唯一“色っぽく”というオーダーがあったのみで、あとは「自由に演じられた」という。ただ、岡田さんとは初対面だったうえ、最初の撮影はディープなキスシーン。「『初めまして』でいきなり“ブチュー”からのシーンの撮影で。緊張するし、人見知りなのでどうしようかな……と思っていました」と戸惑いがあったという。

 だが、「最初、軽めにしていたら(監督から)『もっといけ!』と(笑い)。岡田さんは経験を積まれている方なので、任せてください、という感じで引っ張っていただけて、頼もしかったです」と笑顔を見せる。

 相手役となる岡田さんとは当然、初共演だが、気さくで現場のムードを明るくする姿に、すぐに信頼感を抱いた。「もっとクールな方なんだろうなというイメージだったので、こんなに気さくで、いろいろ話しかけてくれたことにびっくりして、『もう、ついていこう!』と(笑い)。私はシャイで人見知りしちゃう方だけど、でも愛人役なのでスキンシップをとらないといけない。気負っていたところもあったけど、最初からカジュアルに壁を壊していただいて救われました。岡田さんについていけば間違いない、と思いました」と岡田さんへの信頼を語る沢尻さん。現場では、岡田さんから「じりさん」と呼ばれていたといい、「親しみを込めて呼んでくださったので、よかったです」と笑う。    ◇信念貫くケイ子に憧れ 「カッコいいと思った」

 ケイ子が支え続ける財前は、上昇志向の強い、野心の塊のような存在。財前のような生き方を、沢尻さんはどう見るのか。沢尻さんは「信念を持って何かに向かっていく姿は、カッコいいなと思う」とした上で、「変わっていってしまうもどかしさはありますよね。好きだった五郎ちゃんが、葛藤や争いを経て人が変わるまで追い詰められていく姿に、闇を感じました。彼の願いや信念にリスペクトはあるけど、でも変わらずにいてほしかったな、という願いがケイ子にはずっとあって。それがケイ子の葛藤でもあったのかなと思います」と思いを語る。

 すでに撮影を終えた沢尻さんに、改めてケイ子への思いを聞いた。「ケイ子は愛人だけど、信念があって。世間一般でいうモラルからは外れていると思うけど、そういうことは関係なく、すごく深く考えている女性。財前と自分の最善を考えた上で選んだのが、愛人という形で、そうできるのってすごいなと思う」と感嘆する。では、そんなケイ子へ憧れる部分もあった? そう聞くと、沢尻さんはにっこりほほ笑んでうなずき、「やっぱり強く信念を貫き通すってすごいこと。私もブレちゃったりするので、ケイ子はカッコいいなと、単純に思いましたね」と語った。

 「白い巨塔」はテレビ朝日の開局60周年を記念した大型ドラマスペシャル。今作は物語の設定を2019年に置き換え、腹腔(ふくくう)鏡手術のスペシャリストである浪速大医学部第1外科・准教授の財前五郎(岡田さん)が、同大学医学部第1外科・東貞蔵教授(寺尾聰さん)の退官に伴う教授選挙を巡り、後継者となるため工作。欲望が渦巻く教授選は、思いもよらぬ展開を迎える……というストーリー。22~26日に5夜連続で各日午後9時から放送。