俳優の松重豊が、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『パーフェクトワールド』(毎週火曜21:00~)で、娘を持つ父親を演じる心境を語った。

  • 松重豊(左)と松坂桃李=カンテレ提供

前回放送の第4話で、次第に長沢葵(中村ゆり)の代わりに樹(松坂桃李)を支えたいと強く思うようになったつぐみ(山本美月)は、介護の勉強を始める。しかし、疲労がたまっていたつぐみが、駅のホームから転落してしまった…。

きょう21日に放送される第5話では、何もできなかった自分を激しく責める樹が、さらに追い打ちをかけられるように、つぐみの父・元久(松重)からも、ものすごい剣幕(けんまく)で責められてしまう。

つぐみのことを溺愛し、複雑な親心を抱えた父・元久を演じる松重は「娘の彼氏が障がい者であるという事実を、リアルに受け止めるということが、この役を演じる上での使命かなと思っています。極端に作らず、コミカルに走るわけでもなく、悪役に走るでもなく『もしかしたら、こんなことを言ってしまうかもしれない』『こんなひどいことを伝えてしまうかもしれない』ということを、リアルに演じたほうがいいのかなと思っています」と語る。

さらに、役を演じる上で、「言葉では『障がい者と付き合うことは全然問題ないよ』と言いながらも、心の中で葛藤を抱えているリアルさ、反対しながらも自分の中の倫理観と戦うあいまいさや危うさを伝えるべきだと思っています。一筋縄でいかない、心の動きを表現したいと思います。このドラマの中では、お父さんも揺れ動いていくと思うんです。全然違うことを言ってしまったり、つじつまのあわないことが出てきてしまったりと思うんですよね。そのあたりを、物語としておもしろく作り出せたら、心の中のわだかまりが垣間見えたら、と思います」と意識しているそう。

そして、ドラマの見どころについて尋ねると「いろいろなことを、家族や友達同士で意見交換することも、このドラマを通して広がっていけばいいなと思っています。まずは見ていただきたいです。老若男女、お父さんはお父さんの目線があるし、お母さんの目線もあるし、ラブストーリーの中にある厳しい現実も見えますからね。これからオリンピック・パラリンピックがありますし、そういう領域に触れていくことは、ドラマの世界でも意味があるんだろうなと思います」と願っていた。