IC Insightsは5月16日(米国時間)、2019年第1四半期における半導体企業の売上高ランキング・トップ15を発表した(IDMやファブレスのほか、ファウンドリを含む)。15社の本社所在国別内訳は、米国6社、欧州3社、韓国は2社、日本2社、中国と台湾各1社となっている。

  • 2019年第1四半期世界半導体企業売上高ランキング・トップ15

    2019年第1四半期世界半導体企業売上高ランキング・トップ15(ファウンドリを含む)。企業名の後の(1)はファウンドリ、(2)はファブレスを示す (出所:IC Insights)

1993年から2016年まで業界トップの座を守ってきたIntelは、2017年第2四半期にSamsung Electronicsにトップの座を奪われた。このおよそ2年ほどはSamsungの後塵を拝してきた。しかし、メモリバブルの崩壊とともにSamsungの業績が悪化。その結果、2018年第4四半期に再びトップの座に返り咲いた。こうした動きもあり、Intelは2019年の通年でもトップ企業に返り咲くという予測をIC Insightsは今年3月にはやばやと出している。

同四半期における業界トップ15社の売上高合計は前年同期比16%減となった。半導体業界全体では同13%減であるため、トップ15社のほうがより悪化したことになる。これは、Samsungのほか、SK Hynix、Micron Technologyといった3大メモリサプライヤの業績が悪化したためである。

また、トップ15社のうち13社は、同四半期に少なくとも20億ドル以上の売上高を記録しており、トップ10に入るためには、22.5億ドル以上が求められる結果となっている。

ちなみにトップ10内には、9位に東芝/東芝メモリが入っている。東芝メモリはすでに米韓日の企業コンソーシアムに売却されており、東芝の連結決算会社ではなく持分法適用会社になっている。このため、IC Insightsがいまだに東芝/東芝メモリとして集計しているのは不可思議であるが、過去の東芝グループのデータと比較するためかもしれない。他の市場調査会社から発表されるランキングと比較する場合、TSMCおよび東芝、東芝メモリの扱いについては注意して比較する必要がある。

また、同四半期に新たにトップ15位に入ってきたのは、中HiSiliconとソニーセミコンダクタソリューションズである。HiSiliconは中国を拠点とするファーウェイ傘下のファブレスICサプライヤで、同四半期は前年同期比41%増という高い成長率を達成し、前年同期の25位から一気に14位へと浮上した。またソニーも主力のイメージセンサが好調なおかげで同14%増と堅調に業績を伸ばした。

なお、トップ15社に入っているファウンドリ(TSMC)を除くと、代わりに15位には台湾を拠点とするファブレスのMediaTekが入ってくる。