劇場版アニメ「海獣の子供」のワールドプレミア上映会に登場した(左から)小西賢一総作画監督、渡辺歩監督、秋本賢一郎CGI監督

 五十嵐大介さんのマンガが原作の劇場版アニメ「海獣の子供」(渡辺歩監督、6月7日公開)のワールドプレミア上映会が19日、東京都内で行われ、トークショーに渡辺監督、小西賢一総作画監督、秋本賢一郎CGI監督が登場した。渡辺監督は、女優の芦田愛菜さんが実年齢と同じ14歳の主人公・琉花の声優を務めたことについて、「僕が思っていた14歳よりはるかにリアルでみずみずしくて、愛菜ちゃんに教えられた」と話し、芦田さんの声の演技を目の当たりにして「作品を捉え直すような不思議な時間だった」と語った。

 「海獣の子供」は、「リトル・フォレスト」などで知られる五十嵐さんがマンガ誌「IKKI」(小学館、現在は休刊)で2005~11年に連載したマンガ。友人にけがをさせた少女の琉花が、ジュゴンに育てられた不思議な少年・海と空に出会い、港町と水族館を舞台にさまざまな冒険を繰り広げるというストーリー。アニメは、「鉄コン筋クリート」などのSTUDIO4℃が製作する。芦田さんが主人公・琉花、石橋陽彩(ひいろ)さんが海、浦上晟周(せいしゅう)さんが空の声優を務める。主題歌はシンガー・ソングライターの米津玄師(よねづ・けんし)さんが担当する。

 トークショーでは、原作をアニメ化する上でのこだわりも語られ、渡辺監督は「原作のマンガはものすごいビジュアルで魅力の塊。元々ある魅力を痩せさせないように、フィルムに焼き付けることに注力した」と話した。また、CGを担当した秋本CGI監督は、原作の「筆致の細かさ、圧倒的な白黒の絵の魅力に引き込まれた」と話し、「それをCGを使って表現するのがものすごく遠いところにあり、ハードル高かった。だからこそチャレンジしたいと思った」と振り返った。小西総作画監督も原作について「線画から起こるイメージと想起させる力が本当に高い」といい、アニメにする上では「やっていくのは、それに負けないようにすることしかなかった」と苦労を語った。