並外れてモダンなポルシェ911 カレラ3.0RS

ポルシェはRSのテーマを、3リッターの後継車、911カレラRSを投入することで1974年まで継続したが、しかしそれはたった110台の生産にすぎず、そのうちの半数は極めてレアなRSRレーサーだった。1974年のカレラ3.0RSにはわずか6台だけ右ハンドル仕様が現存するといわれている。したがって私たちは、このサーキットテストのために30万ポンドの保険をかけなければならなかった。
 
1974年モデルでは911レンジすべてに、時速5マイルでの衝撃吸収を要求する、北米の新レギュレーションに適合したGシリーズとして知られる新型ボディが与えられた。当時はいささかグロテスクに見えた大型バンパーだが、不思議なことにその感覚は時間とともに変化した。ボディデザインの視覚的印象はやはり、先代よりいささかデリカシーに欠けるマシンというところだろうが、私には最近は当時よりましに思える。どうしてそう感じるのかは説明が難しいところだが。
 
1974年型カレラRSはまた、かなり大型化したリアウィングと、この黒いボディカラーではあまり目立たないが、黒いウィンドウフレームとドアハンドルを持つ。新型3.0はホイール径こそ先代の2.7と同様だが幅は8Jと9Jになった。サスペンションは強化され、おそらく、少なくとも1060kgほどに増加した車重に対応し、より強固なスタビライザーが採用された。また、ブレーキは917用に開発されたものとほとんど同一の穴あきの大きなベンチレーテッドディスクになった。排気量が2994㏄に拡大して、出力とトルクは約10%向上、0-60mphも5.3秒と僅かながら向上したが性能は2.7RSとほぼ同様の印象だった。
 
早くも乾き始めたコースと、このコンディションに適合したタイヤのお陰で、コーナーでは常に2.7よりかなり速かった。不思議なことにこの車は私が想像したより少しだけアンダーステア気味であって、それはひょっとしたらオーナーが望んでそうセットアップしているのではないかと考えられた。これがもし自分の車だったら、間違いなく、もう少しステアリングが"食い込むように"調整していただろう。
 
あの日の路面状況がそうさせたのか。私は定かでないが、1974年3.0RSは紛れもなくクイックにコーナーを回り、拡大したエンジンは予想どおり、かつての偉大なポルシェと同じすばらしいノイズを奏でた。この場合、このマシンが実は34年前のものだと認識し続けることは困難で、オールドファッションなルックスと、その年齢を感じさせるいささか不安定なギアシフトレバーを別にするなら、1974年カレラRSは本気で扱った場合、並外れてモダンであった。