ABEJAは5月13日、コンタクトセンター向けサービス「ABEJA Insight for Contact Center」の提供を開始した。従来、コンタクトセンターで用いられてきた自然言語(話し言葉や書き言葉)の処理モデルでは、画一的な対応しかできず、口語ならではの文法の「揺らぎ」にはピント外れな回答をしてしまうこともあったが、昨年秋にGoogleがオープンソースとして公開した自然言語の意味理解に特化したモデルであるBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)をコンタクトセンターに利用することで、膨大な文書から複雑な言語表現の学習が可能になり、違和感のないやりとりが実現できるという。

ABEJAは同モデルを活用することで、これまで蓄積してきたノウハウを用いて、企業のコンタクトセンターのAIによる自動的な対応レベルを高め、待ち時間の短縮や不要なやりとりの解消、顧客の満足度向上につなげていく。

BERTなどの最新の自然言語処理モデルを現実的なレベルで実装する際には、学習するためのテキストデータ集である「コーパスセット」を大量に用意しなければいけない点や、コーパスセットをモデルに学習させるために膨大な時間をかけて計算しなければならない点が課題とされている。

これらの点について同社は、これまで構築してきたABEJA Platform(データの取得、蓄積、アノテーション、学習、デプロイ、推論、再学習といった事業のAI化に欠かせない工程を一貫して進めることができるプラットフォーム)で提供されているアノテーション機能や高い計算処理能力を活用し、迅速に実装できる環境を整備している。

これにより、社内システムで用いてきた膨大な業務用の文章を用意するだけで、高品質なコンタクトセンター向けのAIを構築することを可能としている。