樋渡結依 復帰記念インタビュー「AKB48の役に立ちたい気持ちが強くなった」

2018年7月21日より学業専念のため活動を休止していた、AKB48樋渡結依が4月15日にAKB48劇場で行われた公演から活動を再開させた。次世代の中心メンバーとしての活躍が期待される彼女は、約8カ月の休止期間中に変革し続けるグループを見て、何を思い、どんな気持ちで戻ってきたのか。今抱える気持ちを赤裸々に語ってもらった。
──復帰、お待ちしておりました!

樋渡 ありがとうございます。個人仕事は久々で……緊張します(照笑)。

──話の最中に慣れていただければと(笑)。早速ですが、復帰を決めたのはいつ頃でした?

樋渡 3月の頭頃です。3月1日に写真撮影があったので、その撮影の参加から徐々に復帰に向けて動き始め、3月の半ば頃に4月半ば頃の劇場公演で復帰が決まりました。

──今は現場感覚を取り戻している最中でしょうか?

樋渡 はい。その撮影のときは、メイクの仕方どころか道具も何を使っていたのか完全に忘れてしまっていて。これはマズイ! と思い、撮影前日にメイクと髪形のリハをひたすら繰り返していました。メイクだけならまだしも、4月の頭からレッスン再開が決定していたから、メイク以上に真剣にやらなきゃ危ない! と思い、ダンスの自主練も本番レベルにメッチャやっていきました。

──レッスンのためのレッスンが必要とは、大変ですね(笑)。

樋渡 はい(笑)。最初は体や感覚を慣らしていくために、先生と私の1対1での練習から始まったのですが、自主練のおかげで感覚を取り戻すのにそこまで時間がかかりませんでした。ただ、練習曲が『チームB推し』という、メンバーを1人ずつ紹介していく、テンションの高い楽曲で。体力以上に「イェ~イ!」と、はしゃぐ気持ちづくりに必死でした(笑)。少し前はそんなことなかったのに、やたらと恥ずかしがってしまって……この感覚は、みんなとこれから一緒にやっていかないと戻らないですね(笑)。

──活動再開についてメンバーの反応はいかがでした?

樋渡 最近レッスン場で、ゆかるんさん(佐々木優佳里)、(武藤)十夢さん、みゆぽんさん(大森美優)とお会いしたんですよ。「待ってたよ~!!」とみなさんに声をかけていただけてうれしかったです。しかも、チーム8の高橋彩音さん(※「高」の正式表記は「はしご高」)には抱きしめてもらいました(照笑)。復帰報告の際にはファンのみなさんが「楽しみにしているよ!」と、SNSでたくさんコメントをくださって。うれしさと同時に、みなさんの期待に応えなくちゃと身も心も引き締まりました。



──昨年7月21日にSNSを通じて休業を発表しました。いつ頃から、休業は考えていたのですか?

樋渡 昨年の総選挙が終わった直後です。圏外と結果も残せず、活動についてもいろいろ悩む出来事が続いていたりして、これから何を頑張っていけばいいのか? と、分からなくなってしまったんです。ちょうどこの時期に、進学についても悩んでいたので、卒業することも視野にいれつつ、横山(由依)さんと話し合ったんです。いろいろとアドバイスをいただき自分なりに考えた結果、休業を決めました。

──休業することは前もってほかのメンバーに伝えていましたか?

樋渡 いえ、休業発表の当日に休業することを決めたので、ファンの方同様SNSで伝える形になりました。すぐに心配の言葉や、励ましの言葉をSNS、LINEでいただいたのですが、自分の口で伝えられず、しかも急な形での発表になってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。唯一、馬嘉伶だけには、休業前にじゃんけん大会のユニットの相談をされたので、直接伝えられました。ただ、「明日から会えないの!?」とすごく寂しそうな顔をしていたのを今でも覚えています……。

──休む決断を下されても、気持ちとしては落ち着かないですよね。

樋渡 はい。休んでいる間にAKB48の環境は変化していくでしょうし、私も休むことで心境が変化するかも? と考えたら、この決断は良かったのかどうかいろいろと考えてしまいました。しばらくは普通に生活することが怖かったですね。

──休業発表後から一学生としての時間が始まりました。この間はどのような時間を過ごしていましたか?

樋渡 とにかく勉強を最優先に、と考えていました。ただ最初の頃は、今まで2年半AKB48の活動を優先してきたぶん、いざ「勉強、頑張るぞ!!」と思っても、ペース配分がなかなか掴めず。やっと志望大学が決まり、集中できるようになったのも夏休みが終わる頃と、大分遅れてでした(苦笑)。

──Instagramを拝見するに、勉強以外の時間も、しっかりと取り、充実していたようですね。

樋渡 はい、友人とでかけて、お話をしたりしていました。合間にはSILENT SILENさんのライブ、みるきーさん(渡辺美優紀)のライブに遊びに行かせてもらいました。どちらも、ものすごいステージで、楽しみながらこれから復帰したときに、活かせるようにたくさん勉強させてもらいました。



──休業中とはいえ、活動のための勉強は欠かさなかったんですね。

樋渡 はい、勉強中は9月に始まったチームB公演曲を予習も兼ねて聴いて気分と集中力を高めて、『AKBINGO!』(日本テレビ)を観て田口愛佳ちゃんのぶっちゃけキャラに笑わせてもらいつつ、私ならこういうギャグを入れられるなぁと考えたり、ドラフト3期生のみんながすごく個性的で面白いので、早く私も仲良くなりたいなぁ……と、結局勉強以外はずっとAKB48のことばかり考えていました(笑)。

──早くも、復帰に向けてのシミュレーションが始まっていたんですね。

樋渡 そうなんですよ。ギャグもやっていかないと感覚が鈍っちゃうので、家でモノマネをしてふざけては、母が見て笑う、ということをよくやっていました。

──まさか、新ネタも完成したのでしょうか!?

樋渡 ……実は、新作モノマネが完成したんですよ。ただ、私は瞬時記憶タイプなので、一発目がベストでそこから徐々に鮮度が落ちていくんですよね……。ファンの方に披露しないまま、封印する可能性があります(笑)。

──心配していた心境の変化は、結果的に訪れましたか?

樋渡 全然です。変わったことと言えば、ペンを持つ時間が増えたことと、よく甘いものを食べるようになって体重が……(照笑)。それぐらいかな? 相変わらずAKB48こと、ファンの方のことを一番に考えていました。むしろ、AKB48のために役に立ちたい! という気持ちが、より湧いてきました。

──何かきっかけがあったのですか?

樋渡 友だちとの会話や周囲の会話を聞いても、アイドルで話題に上がるのは坂道グループさん、IZ*ONEさんばかり。AKB48の話になっても、指原(莉乃)さんは知っている! でも他の人は……という状態で。若い人の間で、AKB48の存在感が、以前より薄くなってきていると感じることが増えてきました。何より、「総選挙で何位? なぜ1位を目指さなかったの?」と、総選挙について、根ほり葉ほり聞かれたことがあって(苦笑)。この言葉にはグサッときました。やはり世間の方にとってAKB48=総選挙のイメージで、公演や握手会を頑張っているだけでは、世間の人には魅力が伝わらないんだ……と。それが悔しかった。そのときから、どうすればAKB48をもっと盛り上げられるか? と、勝手ながら考えるようになったんです。

──おぉ! その考えとは!?

樋渡 例えば、各地でイベントを開くとかはどうかなと。総選挙が今年は中止になってしまい、多くの方に見ていただく機会がなくなりました。その代わりにいろんなところでパフォーマンスを披露すれば、楽曲の良さ、個々の魅力がダイレクトに伝わると思うんですよね。

──それはとてもいい発想。AKB48が外に広がっていったのは、そうしたアグレッシブな活動があってのものでしたからね。



樋渡 あともう1つ、外で戦える武器を身につけなければいけないなぁと思いました。最近、十夢さんが気象予報士の資格を獲得されたじゃないですか。本当にスゴイ! 世間のみなさんに総選挙以外でアピールするには、個人がはばたくことも大きいと思っていて。1つ大きな特技を手に入れて、たくさんの場所で活躍をすればきっと、もう一度AKB48に目を向けてもらえるのでは? と思いました。私も気象予報士にいつか挑戦したいと思っていたので、十夢さんを見習い、続いていけるようになりたいと思いました。これからも休まず勉強を続けていきたいです。

──素晴らしい! 思考と心の成長という大きな変化が、休業中に訪れたようですね。

樋渡 それならうれしいですね(照笑)。4月30日に19歳を迎えたので、これからは、心だけでなく見た目も大人になりたいなぁと思っています。最近もプライベートで高いツインテールをするのに、ちょっと躊躇するようになって(笑)。

──なぜですか!? もったいない!!

樋渡 いやいや! 年相応って言葉があるじゃないですか(笑)。だって、来年には20歳ですよ! 今まではフリフリの服が多かったのに、最近はロングスカートを穿いたりと、格好にも気をつけているんですよ。周りの友だちが髪の毛を赤く染めているのを見て、私も一度ぐらいはチャレンジしてもいいかな? と最近は思ったりもして。

──樋渡さんが染髪……嘆き悲しむファンの光景が目に浮かびます。

樋渡 そうですか(笑)!? ファンの方が悲しむのなら……止めておきます。やはり、ファンの方が喜んで下さるのが一番ですから。

──安心しました(笑)。ある意味ゼロからの再スタートとなります。新・樋渡結依として、これからどんな時間を過ごしていきたいですか?

樋渡 みーおん先輩(向井地美音)が総監督に就任したことで、これからAKB48は大きく変わっていくと思います。私も変わりゆくAKB48と共に、これまでの自分像を少しずつ壊していきながら、前へと進んでいきたい。新時代が幕を開けると同時に、私も新しい自分に出会いたいですね。……とは言っても、これはこの先の大きな目標ですよ! まずはステージ感覚を取り戻さないと。4曲連続で体力が持つか? 早着替えがちゃんとできるかどうか? 今、ものすごく心配なんです(笑)。
▽樋渡結依(ひわたし・ゆい)
2000年4月30日生まれ、埼玉県出身。A型。AKB48 チームB所属。ドラフト2期生。ニックネームは「ひーわたん」。2015年「第2回AKB48グループ ドラフト会議」において、AKB48・チームAに第1巡目で指名され、2016年に正規メンバーへ昇格。2018年7月21日に学業専念のため活動休止を発表。2019年4月15日に行われたチームB「シアターの女神」公演に出演し、活動を再開。