2019年第1四半期(1~3月期)の世界半導体市場は、前四半期比15.5%減、前年同期比13%減の968億ドルだったと米国半導体工業会(SIA)が発表した。

2019年3月単月の半導体市場も前月比1.8%減、前年同月比13%減の323億ドルに留まり、2019年に入って以降、市場の減速感が鮮明になってきた。なお、これらの数値は世界半導体市場統計(WSTS)が毎月集計しているデータを基に、SIAが3か月移動平均値として発表しているものとなる。

  • 半導体市場の推移

    世界の半導体市場および前年同月比の増減率の推移(1996年1月から2019年3月まで) (出所:SIA)

SIAのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるJohn Neuffer氏は「2019年第1四半期の半導体市場は、前四半期比、前年同期比ともに2桁減となってしまった。また3月単月の市場も、全世界の主要市場および半導体製品カテゴリ全体にわたって前年同期比で減少を記録したが、これは世界の半導体市場が景気循環における不況局面にあるためである」と述べている。

3月の半導体市場を地域・国別に見ると、前月比では中国(1.3%増)および欧州(0.6%増)がわずかにプラスに推移したものの、米州(6.7%減)、日本(4.5%減)およびアジア太平洋地域/その他(1.9%減)でマイナスとなった。また、前年同月比では、米州が26.6%減、日本が11.1%減、中国が9.4%減、アジア太平洋地域/その他が9.3%減、欧州が6.8%減とすべての地域で減少を記録することとなった。

Neuffer氏は、「米国政府の政策決定者は、半導体産業の成長と革新を促進し、米国の半導体技術におけるリーダーシップを維持するために、科学技術研究への投資、最先端技術分野での労働力の獲得と維持、そして開放市場と知的財産の強力な保護を確実にする措置を講じるべきである」と述べているほか、これらはSIAが最近発行したレポートである「Winning the Future: A Blueprint for Sustained U.S. Leadership in Semiconductor Technology(未来を勝ち取る:半導体技術において米国がリーダーシップを持続するための青写真)」の中核となる推奨項目であるとも述べている。