――"笑いを取る"といえば、誘拐された魁利、透真、初美花を救出するべくビストロ・ジュレに乗り込んだ圭一郎、咲也、つかさの3人がそれぞれラーメン屋、電気工事、保険レディに変装していたのはコミカルで楽しいシーンでしたね。

結木:「まいど~、朝加ラーメンでィィす!」って言いながら入っていくところですね。僕は以前から、丸いメガネをかけて変装したいってリクエストしていたんですけれど、それが叶ってうれしかった。

伊藤:顔つきがすっかり変わっていて、面白かったです(笑)。

結木:「朝加ラーメン」って名前は、僕がアドリブで言ったんですけれど、それを後の2人もマネして「陽川電工です」「ニコニコつかさ保険です」って続けてきた(笑)。

伊藤:朝加ラーメン、陽川電工は苗字を使っているのに、つかさ生命だけは名前なんだよね。

結木:おっ、いいところに気づいたね(笑)。

――キュウレンジャーチームの濃厚な個性に負けないよう、ルパンレンジャー、パトレンジャーそれぞれもテンション高めでコミカル要素を強めた作品になっているようですね。ちなみに、撮影現場でいちばん元気だったのはどなたでしたか?

結木:山崎くんじゃないかな。

伊藤:そうですね。

結木: いや、山崎くんだけじゃないな。キュウレンジャーはみんなうるさかった。岸くんも(笑)。

岐洲:岸も、役に入るときはしっかりと無口なスティンガーになるんだけどね。

伊藤:大きな声でしゃべっている人が「用意スタート」って声がかかると、急に人柄が変わる。人によっては「さすがに変わりすぎだろ」って思っちゃいます(笑)。

岐洲:オリオン号の中にみんなが集まると、やっぱりうるさくなって、どれだけ深刻なシーンでも面白くなっちゃうんですよ。始まる寸前になると みんなスッと顔つきが変わって役に入るんですけれど、そこでこらえきれないのが山崎(笑)。ラッキーは別に本番でも笑顔でいていいキャラなんですが、ナーガは感情を持たない設定なんで、いちばん笑いをこらえないといけないんですよ。

伊藤:南(圭介:ホウオウソルジャー/鳳ツルギ)さんも、そうとう素と役とのギャップが激しいですよね。南さんという人を知っていると、もうツルギの姿を現場で見ただけで笑いが起こりますからね。真面目にしゃべっているだけで面白いという。

岐洲:ツルギの存在感はものすごいですからね。『ルパパト』の世界にツルギが現れたら、それだけで"なんかヘン"というか「違和感が服を着て立っている」としか形容できない状態になる。

結木:ワハハハハ(爆笑)!

岐洲:あの面白さは、南圭介という人物を知っている人でないとわからない感覚だと思いますけど、本当に面白いんです。鳳ツルギの存在こそ、今回の作品の見どころのひとつです。

――『キュウレンジャー』のエンディングでおなじみ、キュータマダンスをキュウレンジャー、ルパパトのみなさんで踊っているのがPR映像で流され、話題を集めました。あのダンスについてのご感想をお願いします。

結木:『ルパパト』はエンディングがないので、初めてエンディングダンスを踊ることができてうれしかったですね。

伊藤:先輩たちのダンスですから、事前にしっかり練習して取り組みました。快盗の3人は怪盗BN団といっしょに踊っているカットがあるのですが、ナーガの動きのキレがすごかった。隣で踊らせていただいて、本当に楽しかったですね。

結木:圭一郎も、みんなに負けないよう頑張って踊りました。普通に踊っていたら、なぜか"ハジケた"感じになってしまいましたが。

岐洲:朝加圭一郎の全力ダンスも絶対注目すべきポイントですね(笑)。

結木:最後にルパパト、キュウレンジャー全員で踊るところはワンショットで撮影していて、1人でもミスると最初からやり直しになるから、すごいプレッシャーの中でやっていましたね。

岐洲:途中間違えた人は、自己申告で手を挙げるんです。

伊藤:徹士さんが間違えていましたね。

結木:そうだ! なんでだよ(笑)!? あなたたちのダンスでしょって!!

岐洲:僕は何度も踊っていますから、キュータマダンスだけは"極めて"いるつもりです。本番でも絶対に間違えることがないなと自信を持ちつつ、精一杯ダンスしていました。

――それでは最後にみなさんから『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』のおすすめポイントをお願いします。

伊藤:今回の魁利たちは、圭一郎とラッキーのぶつかりあいから一歩退いて、外から見ているというポジションです。見どころとしては、これから最後の決戦だというタイミングで、快盗3人が向こうからゆうゆうと歩いてくるところがカッコいい。快盗っぽくてとても"おいしい"シーンですから、ぜひご覧になってください。

結木:ラッキーと圭一郎との関係性が、最初のときから終わりに向けて、変化していくところがドラマ部分の見どころです。僕自身も演じていて日に日に楽しく感じるようになりましたので、その雰囲気が観てくださる方に伝わってくれればうれしいです。ラッキーと圭一郎は似た者同士。子どもたちは単純に「どっちが好きかな」と思いながら観てくださればいいですし、ラッキー側から観た後は、圭一郎側から観るとか、1回だけでなく2回、3回と観ていくとストーリーをより深く楽しむことができると思います。

岐洲:2作品の「VS」なのに、まるで『超スーパーヒーロー大戦』か?というくらいの大人数ヒーローが出てくるところが大きなポイントですね。ラッキーとしては、いかにもラッキーらしい登場の仕方も含めて、圭一郎とぶつかりあい、やがて心を通じ合わせるまで、楽しく演じさせていただきました。キュウレンジャーは12人もいるので、結集するまでに時間がかかるのですが、その人数の多さをうまく活用して、スパーダ、スティンガー、ハミィ(カメレオングリーン/演:大久保桜子)といったとんでもない異色なチームで行動したり、怪盗BN団が快盗と協力したり、組み合わせの面白さを楽しんでほしいです。

伊藤:予告編でも流れていましたが、快盗の3人が初めて「警察チェンジ」をしてパトレンジャーになるところも、ぜひ注目してください。あのシーンでは、実際にルパンレンジャーを演じているスーツアクターさんたちがパトレンジャーをやっているので、体型がいつもと違うとか、武器の使い方がうまくこなせないとか、細かな演出がありますので特に注目してほしいです。僕も初めて警察チェンジをして、パトレン1号のスーツを着せてもらったりして、新鮮な気持ちになりました。

岐洲:もし次の作品があったら、こんどは結木くんが快盗チェンジしてルパンレッドになるのかな。

結木:それは絶対にありません(笑)!

伊藤:圭ちゃんの快盗姿、絶対似合わないと思いますから(笑)。またルパパトチームで作品を作る機会があったら、一度は観てみたいですね!

東映Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』は、2019年5月3日(金)より期間限定上映を開始する。Blu-ray&DVDは東映ビデオより8月21日(水)に発売される。

■プロフィール
伊藤あさひ(いとう・あさひ)
2000年生まれ、東京都出身。テレビドラマ『緊急取調室』(2017年)『先に生まれただけの僕』(2017年)などの出演を経て、2018年『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のルパンレッド/夜野魁利役で初主演を果たす。4月20日から放送される日本テレビ『俺のスカート、どこ行った?』や、FOD配信『高嶺と花』(2019年)、Amazonプライム・ビデオ『紺田照の合法レシピ』(2018年)といった連続ドラマへの出演が続いている。
結木滉星(ゆうき・こうせい)
1994年生まれ、大分県出身。映画『一礼して、キス』(2017年)や、『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"進化の夏"』(2017年)などの舞台に出演。『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)のパトレン1号/朝加圭一郎役で子どもから大人まで、幅広い年齢層から熱い注目がそそがれた。2019年4月25日からMBSほかで放送される連続テレビドラマ『カカフカカ-こじらせ大人のシェアハウス-』に長谷太一役で出演する。
岐洲匠(きず・たくみ)
1997年生まれ。愛知県出身。2014年、第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで明色美顔ボーイ賞を獲得し、2017年『宇宙戦隊キュウレンジャー』のシシレッド/ラッキー役で俳優デビュー。以後、『チア☆ダン』(2018年)『僕の初恋をキミに捧ぐ』(2019年)などのテレビドラマ、『青夏 きみに恋した30日』(2018年)などの映画に出演し、今後のさらなる活躍が期待されている。