タモリ、林田理沙

街歩きの達人・タモリが“ブラブラ”歩きながら知られざる街の歴史や人々の暮らしに迫る『ブラタモリ』(NHK総合、毎週土曜19:30~)。4月27日の放送は、「熊野の観光~熊野観光の“深~い”魅力とは?~」と題して、タモリと林田理沙アナウンサーが前週に引き続き、和歌山県熊野を訪れる。

和歌山県熊野は、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社を巡る熊野詣で、熊野古道、険しい山々に荘厳な滝、奇岩巨石など神秘的な名勝の数々、そして温泉など、観光名所に事欠かない。だが、その魅力はもっと深いところにあるらしく、タモリがその謎に迫っていく。

まずタモリが向かったのは、海岸にそそり立つ岩が目を引く「橋杭岩」。橋杭岩は、地中でマグマが冷え固まり、周りの岩が侵食されて姿を現したものだ。およそ1400万年前、熊野の地下深くでは、活発な火山活動が起きていて、かつて熊野カルデラという日本最大級のカルデラがあったほど。熊野の奇岩巨石は、そのほとんどがこうした火山活動で生まれたものだという。

また、熊野の観光を支えている温泉にも注目。大塔川の水面を眺めると泡がぶくぶく出ているが、その名も「川湯温泉」といい、川の中にプールのように大きな露天風呂が作られることで有名な観光名所だ。火山活動ははるか昔に終わったのに熱い湯が湧く理由は、地下深くのプレート活動。熊野の地下にあるプレートはできたてのほやほやで、その熱がまだ残っているからだそう。

そんなプレートの力でできたもう一つの温泉が「湯の峰温泉」。90度の温泉で卵を茹でれば、プレートが運んだ海水の塩分ですこぶる美味らしい。さらに、ここには世界遺産となった「つぼ湯」という公衆浴場が。これは熊野古道の参詣者が身を清めるために使ったものだそうで、信仰もまた熊野観光の深い魅力を作り出していたことが分かる。

そして、熊野観光のクライマックスとして、タモリらは熊野本宮大社へ。そこには古くから旅人を喜ばせるしかけが。それは社殿の真下にベンチを作り、神の力を間近で感じられる工夫で、この懐の深さも熊野観光の大きな魅力になっているという。

また、熊野本宮大社がかつて建っていた場所には、忽然と姿を現す大きな中州「大斎原」も。この世のものとは思えない神秘的な眺めをタモリも堪能する。この不思議な風景を作り出したのもまた、火山活動で、冷えたマグマが下流で水をせきとめたため、中流域にあたるこの場所が氾濫域となり、運ばれてきた土砂が広大な中州をつくったそうで……。大いなる自然の力と人間の信仰心があわさってできた熊野観光の本質が明らかになる。