日本テレビグループ各社、ネットワーク各社が出展する「日テク2019(ニッテク)」が、2019年3月12日、13日の両日、日テレホールABC+2Fロビーにて開催された。「日テク」という名称に生まれ変わり一新された今年のメインテーマは「日テレ×テクノロジー×働き方改革」で、計23あるブースでは実際の番組制作に役立つ技術、新しいテレビの在り方を提案する技術が展示された。

前編では、働き方改革のヒントとなる最先端技術、AIを活用した技術を紹介。後編となる今回は、新たなコンテンツサービス、業務支援、ネットワーク局の取組みから注目のブースを厳選してお届けしたい。

■タッチポイントを増やす新たなコンテンツサービス「テレビバ」

日テレ新ショート動画配信サービス「テレビバ」のブースでは、同局がプロデュースする新しい動画サービス「テレビバ」を紹介。同サービスはYouTube、Yahoo!アプリなど、さまざまなプラットフォームで番組関連動画やオリジナル動画を無料視聴できるというもの。

担当者は、「TVerとは別コンテンツとして、2~3分のショート動画を多数配信している。インターネットをよく使う若い層に向け、タッチポイントを増やす目的で作成した」と開発経緯を語った。取材時の人気ショート動画は、菅田将暉が主演した日曜ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です』の、人質になる以前(ドラマで描かれる前)の学生の日常を追うスペシャルショートムービーとして配信され、YouTubeでの視聴回数が50万回を超えるものも。

担当者によると、「YouTubeにテレビバというチャンネルを持っており、そこでは通常のYouTubeで流れるようなCMを流さずに、日テレのアドサーバーからCM配信ができるようになった。今後はコンテンツスポンサーを募ったり、マネタイズ化を検討したい」と展望を述べた。

新コンテンツサービスとしてもう一つ、展示されていたのが、AR自動撮影ユニット「mixta Shot」だ。これは憧れのタレントと一緒にいるような体験ができるAR自動撮影ユニットで、タッチパネルと電子マネー決済端末を搭載し、静止画・動画を撮影できるというもの。

今回のイベントでは、夕方のニュース・情報番組『news every.』のメインキャスターを務める同局 藤井貴彦アナウンサーと鈴江奈々アナウンサーと一緒に撮影できる体験が実施された。

■ブラウザのみでOK!映像制作の大幅な簡易化が実現

『ウェブブラウザだけで簡単番組制作』では、ウェブブラウザのみで簡単なテロップや字幕の生成、スーパー、スイッチャー等の機器のコントロールを行い、映像制作ができるシステムを展示した。

担当者は「従来は専門ソフトや作画機が必要だったが、カメラとPCがあれば制作でき、小規模な配信に向いている。ウェブサイトと同じHTML構造なので作成も容易でSNSなどのウェブサービスとも親和性が高い」と特徴を解説。懸念点として、「放送品質の映像ではなく、高画質で複雑な動きのあるCGを描画するような、リッチな映像制作には不向きである」と補足した。

■ネットワーク局の取組み

ネットワーク局の取組みでは、札幌テレビ放送株式会社が字幕付きCMの運用を改善するシステム『字幕付きCMファイリング・オンエア監視システム』を発表した。同サービスは平成30年日本民間放送連盟賞の技術部門で優秀賞を受賞しており、放送局におけるCMバンクプレビューとオンエア監視の負担を軽減できるのが特徴だ。

担当者は「総務省によると、字幕付きCMは通常の3倍負荷があると言われている。しかしこのシステムを活用すれば、ファイリングも監視も軽減され楽になる。高齢者や難聴者だけでなく、公共機関やスポーツジムなど、あらゆるところで利用が見込める」とコメントした。

株式会社テレビ信州では、IPDCを活用した『地デジ放送波で届けるオリジナルデータ配信!「ナローキャスト放送」』では、地上デジタル放送の電波で届けるオリジナルデータ配信「ナローキャスト放送」を利用したサービスモデル(イメージ)を紹介した。例えば、役所や病院、バス停などに公共サイネージを設置し観光イベント情報を配信したり、災害時でも、地デジ電波を利用できるため、正確な情報提供が実現する。担当者は「専用のSTBを設置することで受信できるので、災害時等、ネット環境やキャリアがなくてもBluetoothでスマホに情報を送ることができる。セキュリティもしっかりしているので、なりすましなどのトラブルも避けられるのが特徴だ。エリアの出し分けも可能なので、長野県民のためにこのサービスを活用していけたらと思う」と述べた。

日本テレビと山形放送株式会社の共同展示『誤テロップを無くせ!自動校正ツールとAI活用』では、山形放送の、OA画面にスーパーされているテロップのチェックを自動で行うツール「セバスチャン」と、日本テレビの、AIを活用した自動チェック技術の検証実験を展示した。担当者は「山形放送では既に実装済。200枚を11秒でチェックできるまでに成長した。更なる機能拡張に向けて現在調整中である」と語った。

全体的に働き方改革を意識した「日テレ2019」で展示された最新技術が、今後どのような形で実用化されていくのか。引き続きその動向を追っていきたい。