左から中野裕之週刊少年ジャンプ編集長、ケンドーコバヤシ、栗田宏俊週刊少年マガジン編集長。

週刊少年ジャンプ(集英社)と週刊少年マガジン(講談社)による共同プロジェクトとしてオープンしたWebサイト・少年ジャンマガ学園の発表会が、本日4月8日に東京・IID世田谷ものづくり学校にて開催された。

発表会ではまず集英社より少年ジャンプ+担当の細野修平氏、講談社よりマガジンポケット担当の橋本脩氏が登壇し、若い世代にマンガを読む機会を増やしてほしいという思いから誕生した少年ジャンマガ学園について説明。その後週刊少年ジャンプの中野裕之編集長、週刊少年マガジンの栗田宏俊編集長とケンドーコバヤシが登場しトークセッションが行われた。

両編集長は本プロジェクトの企画を初めて聞いたとき、「本当に実現するんだろうかと思った」と口をそろえる。一方で会場の黒板に描かれた2社のキャラクターが並んだビジュアルについて中野編集長は「思っていたより(2社のキャラクターが並んでいても)違和感がないですね。こういう雑誌があってもおかしくないなと思います」とコメント。栗田編集長は「人気作ばかりが並んでいて圧巻ですね。こんな雑誌の編集長だったら(苦労なく売れるでしょうから)楽だなと(笑)」と笑顔を見せた。

栗田編集長は今回の取り組みについて「50年以上の歴史のある雑誌同士が組むというのは意義のあることですし、ジャンプとマガジンといえば少年マンガのトップを走っている作家さんが集まっていますので、それがこうしてまとまるのは画期的なことだと思います」と語る。中野編集長も「マガジンとジャンプはライバルではあるけれど、エンターテインメントが多様化する中で、マンガを盛り上げる仲間であると思っていました。それが今回具体的にタッグを組めたのが本当にうれしいです。我々は少年マンガ誌を作っていますので、少年、子供たちにマンガを読んでもらいたいと常に考えています。若者向けに特化した今回の企画は、『マンガで世界中の子供たちを幸せにしたい』という私たちの理想というか野望が形になりました」と喜んだ。

考え方や発言は9割9分、ジャンプとマガジンのマンガからの引用だというケンコバは、2社の連載作を第1話から読めるという本作のシステムについて、「今回黒板に描かれている作品の中で、個人的に決めている(第1話のインパクトがすごかった)『第1話グランプリ』に選んでいる作品が2作あるんです。それは『進撃の巨人』と『約束のネバーランド』なんですが、皆さんにも改めて読んでいただいて僕に(どちらのインパクトがすごいか)意見をください」とメッセージを送る。さらにケンコバは全作品が無料で楽しめるという部分にも目をつけ、「お金が発生してしまうと取り分のことで(集英社と講談社で)ケンカしだすんじゃないかと思ったんで、僕の中でひとつ心配だった部分が解決しました」と指摘。そして少年ジャンマガ学園の楽しみ方について、「自分が学生時代に少年ジャンマガ学園のサイトが存在していたら」という想定のもと、「(ともにヒロインに勉強を教える)『五等分の花嫁』と『ぼくたちは勉強ができない』を続けて読んだりして、『勉強していたら女の子に囲まれていいことあるぞ』と考えたりしますね」と例を挙げて解説した。

最後に栗田編集長は「普段マンガを読んでいる方はジャンプ派、マガジン派と分かれていたりするかもしれませんが、読みきれないほどのコンテンツを用意しているので、(どちら派の方も)皆さんで楽しんでいただければと思います」、中野編集長は「マガジン、ジャンプ作品の主人公はいつも前をむいて戦い続けている奴らです。そんな主人公の姿は若者の皆さんが苦しいとき、つらいときに励ましてくれるのではないかと僕は信じています」とメッセージを送る。そしてケンコバが「若い方々が夢の共闘に乗っかって、盛り上げてくれるとさらなる夢の続きが見れるかもしれませんよ」と述べると、中野編集長から「ジャンマガ○○学園みたいなね(笑)」と企画に参加する出版社の増加を匂わせるワードも飛び出した。

少年ジャンマガ学園は“マンガの学校”をコンセプトに週刊少年ジャンプ、少年ジャンプ+、週刊少年マガジン、別冊少年マガジン、マガジンポケットの計5媒体で連載されている約150タイトルの一部を無料で配信。22歳以下を対象としており、初アクセス時に生まれ年を入力し認証する仕組みになっている。

(c)少年ジャンマガ学園製作委員会