数多くのアイドルを生み出す、ジャニーズ事務所の社長・ジャニー喜多川製作総指揮による、『映画 少年たち』が29日より全国で公開される。1965年から上演されていた舞台『少年たち』シリーズが、2010年に大阪松竹座と日生劇場で復活し、Kis-My-Ft2、A.B.C-Z、ジャニーズWESTなど現在活躍する若手ジャニーズが出演してきた同作が、待望の映画化となった。

2012年の少年刑務所を舞台に、ジャニーズJr.のSixTONES(ジェシー、京本大我、高地優吾 ※高ははしごだか、松村北斗、森本慎太郎、田中樹)が赤房、Snow Man(岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、 宮舘涼太、佐久間大介)が青房、関西ジャニーズJr.のなにわ男子(西畑大吾)、向井康二(Snow Man)、室龍太、Aぇ! group(正門良規、小島健)が黒房に分かれ、物語を展開。さらにHiHi Jets、美 少年、少年忍者、宮近海斗、中村嶺亜といったジャニーズJr.のメンバーたち、戸塚祥太(A.B.C-Z)、横山裕といったスターが出演するという豪華布陣の音楽劇となっている。

2015年の結成時より、舞台『少年たち 世界の夢が…戦争を知らない子供達』にSnow Manとともに主演し、同作に関わり続けているというSixTONES。今回は同ユニットにインタビューし、作品への思いや、彼らの歴史に迫った。

■映画化を聞いた時の感想は?

――SixTONESさんは『少年たち』の舞台に出続けていますが、映画化について最初に聞いた時はどんな印象を持たれたんですか?

京本:4年間、舞台としてもDVDなどの映像化をしたことがなかったので、映画として映像化できるということが、理想を超えたくらい嬉しくて。それと同時に、ジャニーさんの『少年たち』への想いもわかってるので、プレッシャーも感じて、良いものにしたいなと思いました。

ジェシー:舞台上でやっている楽曲が映像化されるので、PVみたいな感じでも楽しんでもらいたいと思いましたね。舞台では自分の名前が役名だったんですけど、初めて役としての名前もいただいて、これまでとも違うキャラクターを見ていただければと思います。

高地:ジャニーさんが大事にしている、半世紀前からある作品なので、僕たちが代表として歴史に名を残せる事はとても嬉しかったです。聞いた時は喜びも大きかったけど、プレッシャーもすごくあって、ジャニーズの名に恥じないように頑張らなきゃいけないなという、いろんな緊張感がありました。作品が完成した今は、安心感に変わっています。

森本:「あ、やるんだ!」って感じでした。何年も舞台に立たせていただいていたので、形に残るという嬉しさもあり。ジャニーさんの伝えたいメッセージが、舞台に来た人だけでなく、スクリーンを通して、響くんじゃないかなと思ったので、ワクワクが大きいです。人それぞれ感じ方が違うと思うけど、どう捉えるかはその人次第なので、観終わった後の感想が気になります。

――最後に映し出されるメッセージにも、圧倒されました。

高地:僕たちも、知らなかったですからね! 編集して出来上がった作品を見て、驚きました。

松村:僕は、映画化の話を聞いた瞬間は『少年たち』のファンとして嬉しかったです。ずっと先輩の舞台を観ていましたし、自分たちも上演するまでの工程を全部見てきたからこそ、『少年たち』の大ファンになっていたんです。だから、『少年たち』が舞台から飛び出て映画になるんだ、という嬉しさの方が、先行しました。それくらい、想像していなかった大きな出来事でした。

――松村さんは『少年たち』のどういう点のファンになったんですか?

松村:年々ストーリーは変わっていくんですけど、そこにあるメッセージ性や、今でも残る要素には生々しさがありますし、舞台の台詞としての美しさや、残り続ける大軸に魅力を感じてました。社長が最初に作り上げた『少年たち』という時点から、素晴らしいものなんだなと思いました。

田中:僕は、半世紀前から色あせず残り続ける舞台って、ジャニーズでもなかなかないので、ジャニーさんが今でも大事にしているという舞台を映像化することへのプレッシャーが大きくて。これをどう再現するんだろう、映像としてどのように伝えていくんだろう、と思いましたし、やりきれるのか、というプレッシャーが1番最初の感想でしたね。

――SixTONESさん、Snow Manさん、関西ジャニーズJr.さん…と大人数ですけど、現場で起こったできごとなどあればぜひ教えてください。

松村:裏エピソード的なことですね?

ジェシー:実際、少年刑務所だった旧奈良監獄で撮影したので、芝居もやりやすかったです。

森本:やっぱり、空気が違いますよね。

田中:中と外で、本当に重みが違う。ドラマなどでよく「シャバの空気はうまいな」と言うのが、理解できる。

ジェシー:”平和と地獄”でした。

5人:……?

ジェシー:いや違うか! ”天国と地獄”だ!

高地:撮影が終わって門を出た時だけでも、「解放された」という感じがありました。塀も高くて外の景色も見れないし、重要文化財なので、火とかも使えないですし、過酷な撮影でした。

京本:僕らSixTONESとSnow Manでずっと舞台をやっていて、1年目は関西ジャニーズJr.とも一緒だったんですが、久しぶりに関西も含めて撮影できたのが嬉しかったです。関西でも、『少年たち』をずっと上演しているので、思い入れのあるメンバーで一緒に映画を撮影できたのが嬉しいですし、普段なかなか交流できないので、撮影裏で会話したり、同じホテルの大浴場で温まったりする時間は修学旅行みたいな感じでした。

田中:これだけメンバーがいたので、良い意味でグループ関係なくごちゃ混ぜになれました。普段はなかなかそういう機会がないんです。

京本:6人の一致団結という意味では、撮影しながら横アリのセトリ(※SixTONESは2018年3月に横浜アリーナでライブを行った)を決めなければならなくて。提出期限があったので、出番の間にみんな紙に書いて決めていました。

5人:あ~! やってた!

田中:スタッフさんとごはんに行って、新曲について話したりとか。撮影している時は、ライブまで1カ月なかったくらいだったからね。しかも、撮影前もずっと舞台をやってたし。

高地:逆に、ライブのことを考えるのが、リフレッシュ感ありましたね。

京本:映画でマネキンが出てきたりするんですけど、一瞬ライブでも「マネキン使おうぜ」という案があって、影響を受けたりとか。結局使わなかったんですけど。