3つ目の発表の「Apple Arcade」はゲームのサブスクリプション型サービスだ。毎月一定額を支払うことで、100種類以上の新作またはArcade向けのゲームを自由にプレイできる。広告は表示されず、トラッキング型広告にも煩わされない。また「No in‑app purchase」、アプリ内で追加課金せずともゲームを楽しめる。

オンライン/オフライン対応で、ダウンロードしておけばインターネット接続がなくても遊べる。多くのゲームがMFiコントローラをサポート。iPhone、iPad、Mac、Apple TVに対応するクロスデバイスを実現し、デバイスを切り替えてもゲームを中断したところから続けられる。

  • モバイルでも、Macでも、Apple TVでも、世界で14億台以上のアクティブデバイスが存在するAppleデバイスのユーザーにプレイしてもらえる可能性はデベロッパにとって大きな魅力

坂口博信氏、Ken Wong氏、Will Wright氏といった著名なゲームクリエイターがオリジナル作品を提供するほか、Annapurna Interactive、Bossa Studios、カートゥーンネットワーク、Finji、コナミ、LEGO、ミストウォーカー、SEGAといった数多くのデベロッパが参加する。ゲーム好きならサービスの紹介ビデオを見ただけで、早く試してみたくなること請け合いだ。

  • 坂口博信氏が手がけるオリジナル作品は、ジオラマを撮影したリアルな背景を使い、その上を3Dキャラクターが動く

ただ、サービス料金がまだ公表されていないので先行きを見通しにくい。Apple Arcadeの紹介ビデオを見ると、Appleがゲームのオリジナル作品のサポートにも積極的に投資していることが分かる。魅力的なゲームタイトルに惹かれたユーザーが増加すれば、ゲーム開発者にとってサブスクリプションが有料モデルを超えるような収益モデルになり得る。しかし、逆にユーザーが増えずに有力デベロッパが離れるようなことになると負のスパイラルに陥る。高すぎず、安すぎず、ライバルに対して競争力のある適正料金の見極めが重要になる。