車の愉しみは男性だけのものじゃない!女性編集部員がクラシックカーラリーを初体験

春の訪れを感じる3月初旬に、沖縄で開催されるクラシックカーラリーに参加しませんか?というお誘いをいただきました。2019年で4回目の開催を迎える「クラシックカーラリー沖縄2019」です。オクタン日本版からは昨年は編集長が参加しましたが、今年は別のスタッフにもイベントの魅力を知ってもらいたいという、このラリーに特別協賛をしているショパール ジャパンの計らいでお声がけをいただいた次第。

自動車メディア業界にはかれこれ20年以上携わり、国内外のクラシックカーラリーの取材もしている私ですが、実際にラリーに参加したことは過去にありません。こんなチャンスはそうそうないと、二つ返事でお受けしたのが事の発端です。そのためクラシックカーラリー初心者目線でのレポートとなりますこと、ご容赦ください。
null2日間のラリーの相棒となったトヨタスポーツ800。

いざ出発に向けての準備を始めた段階で、すでにわからないことが多すぎることに気付きました。沖縄の天気予報は雨。何を着ればいいのだろう、靴はどうしたらいいんだろう、荷物は車のトランクに入るのかしら、車内に持ち込むバッグには何を入れるべき?コドライバーとして参加するから筆記用具は必須よね、夜のパーティー用にフォーマルな服と靴とバッグも持って行かなくちゃ、など準備に関する疑問や心配は尽きません。経験豊富な編集長に訊ねても、そこにはやはり性別の差があります。この時代に「男性だから」「女性だから」という区別はナンセンスだとは思うものの、クラシックカーの世界を謳歌しているのは男性がほとんどで、女性向けの情報がありません。あれもこれもと詰め込んでいたら、2泊3日の日程にもかかわらずスーツケースがいっぱいになってしまいました。

沖縄への到着日。前泊したザ・ナハテラスでビギナー向けのブリーフィングに参加しました。クラシックカーラリー全般について、コースについて、PC競技について、その他の注意点などを教えていただき、「他に何か質問はありますか?」と聞かれましたが、そもそも何がわからないかがサッパリわからない状態なので、具体的な質問はできません。「コドライバーの役割として気を付けることは、ドライバーのご機嫌をとることです!」という、クラシックカーラリー沖縄実行委員長である宮下実さんの言葉だけを信じて翌日からのラリーに臨むことにしました。とにかく、ドライバーに気持ちよく運転してもらえるようにすること。それが私の今回の任務です。


ザ・ナハテラスで開催された前夜祭には、事前にエントリーリストでチェックはしていましたが実際に何名もの女性が参加していて一安心。男性が多い会場に女性の姿があるだけで、とても華やかな印象になります。とはいえ、華でいるだけが女性の役割ではありません。クラシックカーラリー沖縄の事務局長を務めて一切を取り仕切っているのは、矢口可南子さん。現在の愛車はポルシェ356という、筋金入りのクラシックカー女子と思いきや、もともとはまったくクラシックカーには興味がなかったといいます。しかし、このラリーにかける情熱は、実行委員長の宮下さんに負けません。細やかな気配りとともに「車という文化を若い世代にも繋いでいきたい」「出身地である沖縄を、このラリーで盛り上げたい」という熱いパッションを抱いて活動している姿はとてもしなやかで素敵。「女性が元気に活躍するのって、やっぱりいいなと思います。クラシックカーを自分で運転するというと驚かれるんですけど、驚かれること自体が快感なんですよね!」と笑う彼女はとてもチャーミングです。

nullクラシックカーラリー沖縄実行委員会 事務局長の矢口可南子さん。

前夜祭も終わった夜更けに、参加車両の写真を撮ろうと地下駐車場に行った私の目に入ってきたのは、懐中電灯を片手に参加者の車を修理している実行委員長の宮下さんの姿。クラッチが壊れてしまった車両を「何とか明日スタートさせてあげたいから」と言うメカニック歴45年の宮下さんは、「これでスタート前に直した車は4台めだよ」と微笑みます。前夜祭の後に企画されていた、親睦を深めるためにオプショナルで用意されている「ちょい呑みコース」にも行かずに、深夜に主催者自らが車両をメンテナンスしてくれるなんて。このラリーの温かさの舞台裏を垣間見た出来事でした。

null宮下実 実行委員長が深夜の駐車場で参加車両を修理。見えない部分の手厚いサポートにキュンとします。


明けてラリー1日目。メディア用の参加車両として主催者にご用意いただいたのは、1967年トヨタスポーツ800と1970年ダットサン240Z。沖縄のコレクター、比嘉定司さんからお借りした車両です。私たちの相棒となった赤いヨタハチは、レストアを終えたばかりでエクステリアもインテリアも美しく、機関系もばっちり仕上がっています。790cc空冷水平対向2気筒を積むヨタハチの第一印象は、とにかく可愛い!そしてかっこいい。本州では見かけることが少ない左ハンドルには、アメリカによる統治下にあった沖縄ならではの歴史がありました。

null左ハンドルの赤いヨタハチは内外装ともにコンディション良好です。

スタート会場を見渡すと、思い思いの服装に身を包み、出発の準備をしている女性参加者の皆さんの姿が。パートナーとお揃いのレーシングスーツや、小粋な赤いレーシングシューズ、もちろんもっとラフな服装の方もいますし、後席に座っているおばあちゃまもいらっしゃいます。

null赤いヘルメットに揃いのツナギ。ファッションまで含めて満喫している様子は、見る側にも元気を与えてくれます。

今回、私たちのチームのドライバーを担当したのは、LEON.JP副編集長の高橋大さん。左ハンドルのマニュアル車を運転するのは久しぶりとのことでしたが、以前はランチア・デルタ HFインテグラーレ16Vに乗っていたそうで、初めて運転するヨタハチともすぐに意気投合したようです。ドライバーと車との相性はバッチリ、ということは、あとはドライバーとコドライバー(つまり私)との呼吸が合うかどうかが心配です。

nullミス沖縄が振るフラッグがスタートの合図。

コマ地図を見ながらのクラシックカーの助手席、「酔ったらどうしよう」というのは杞憂でした。小さなヨタハチは、その軽さのおかげでとても軽やかに走ります。高橋さんの運転も安定感があり、雨のワインディングで地図を見ていてもまったく問題なし。たまに道を間違えることもありましたが、それもご愛敬ということで寛容に接していただき、チーム・ヨタハチは(参加車両35台中、初日の成績は総合30位という事実ははさておき)和やかに初日の行程約200kmを終えることができました。

nullVintage、Historic、Modernの3クラスに分かれて順位を競います。

とはいえ、参加するからには競技についても真剣に臨みたいと思い、遅ればせながら参加諸先輩方に攻略法をヒアリング。専用の機器を設置しているペアもありますが、100均のキッチンタイマーで工夫している人もいて、対策はさまざまです。ここでも大切なのは、ドライバーとコドライバーの信頼関係と阿吽の呼吸のようです。

1日目の宿泊地であるザ・リッツ・カールトン沖縄では、ガラパーティーが開催されました。昼間のスポーティーな服装とは違って、皆さんエレガントな装いです。スポーツ×エレガンス。この2つのワードは、クラシックカーラリーのキーワードそのものではないでしょうか。ラリーを通して仲間やパートナーのさまざまな面を見ることができるのが、クラシックカーラリーの醍醐味ではないかと感じます。


コマ地図の見方にも慣れてきたので、2日目はPC競技も真面目に取り組む余裕ができました。この日のルートは海がメインの約150kmのコースです。前日よりも天気は回復し、時には晴れ間がのぞく中、海沿いを一路ヨタハチと走るのはこの上なく気持ちがいい。リラックスした気持ちでPC競技に臨むと、良い結果が出るのかもしれません。2日目には総合21位(モダン・クラシック・クラスでは6位)まで盛り返すことができました。

null絶景の古宇利大橋を渡る。爽快!

ラリーに参加してみての率直な感想は、「楽しかった!」これに尽きます。風光明媚な地を巡りながら、パートナーと協力をし、参加者の皆さんとも交流を深め、車談義に花を咲かせる。こんな愉しみを、男性だけのものにしておくのは勿体ない。男性同士の参加があるように、女性だけのペア参加があってもいい。女友達でもいいし、母娘でも気兼ねがなくてよさそうです。初参加で不安要素が多かった私でも、実際に参加してみたら事前の心配はどこへやら。終わってみれば、またぜひ参加したいという気持ちだけが残っています。

null雨の中でも映える色とりどりのクラシックカーは、観客の目も楽しませてくれました。

そもそも男性諸氏がこういった愉しみを味わえるのも、パートナーの存在があってこそ。ならばいっそのこと、一緒に楽しみつくすのも素敵です。ドライバーとコドライバーが協力しないと進まないラリーは「最近会話が少なくなってきた」というご夫婦にも、共通の趣味としておすすめです。気になる1泊2日の参加費は23万円(税込、1台2名の金額)。事務局長の矢口さんが「決して営利目的ではない」と語るように、充実した内容を考慮すると大変良心的な価格設定ではないでしょうか。「ラリーで駆ける車を見た子供たちが、車に憧れを持ってほしい。琉球文化も、車の文化も、どちらも歴史やストーリーがある。それを伝える文化的な事業としてこの先何十年も続けていきたいと思っています」という矢口さんの言葉、同じ女性として応援しています。

nullミッレ ミリアのオフィシャルパートナー兼タイムキーパーを30年以上も続けるショパールは、このラリーの「パッション」に共感して特別協賛をしています。各クラスの1位に贈られた「ミッレ ミリア ザガート」。ケースのバックには「 Classic Car Rally OKINAWA 2019」の文字が刻まれています。問:ショパール ジャパン プレス TEL: 03-5524-8922

「クラシックカーラリー沖縄2019」の全参加車両の写真と、女性の参加者によるエピソードは『オクタン日本版』26号(2019年5月27日発売)の誌面で詳しくご紹介します。お楽しみに。

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クラシックカーラリー沖縄2019 クラス別成績一覧

Vintage Class
1位 No.2 AUSTIN HEALEY 100/BN2 1955
2位 No.6 TRIUMPH TR2 1954
3位 No.3 AUSTIN HEALEY 100/BN1 1954
4位 No.7 TRIUMPH TR2 1955
5位 No.12 AUSTIN A35 1957
6位 No.1 JAGUAR XK120 1954
7位 No.11 LOTUS SEVEN 1957
8位 No.9 PORSCHE 356A SPEEDSTER 1957
9位 No.10 DEVIN ALFA 750 TWIN 1957
10位 No.14 FORD T BUCKET 1923
11位 No.13 TALBOT 90 SPORT 1933
RIT No.5 OPEL OLYMPIA 1951
RIT No.18 PORSCHE 356B ROADSTER 1960

Historic Class
1位 No.22 AUSTIN MINI COOPER MK-1 1965
2位 No.8 ALFA ROMEO GIULIETTA SZ 1959
3位 No.17 MASERATI 3500GT 1959
4位 No.21 PORSCHE 356C COUPE 1964
5位 No.19 PORSCHE 356B SUPER90 1961
6位 No.20 PORSCHE 356B CABRIOLET 1962
7位 No.16 ALFA ROMEO GIULIETTA SPRINT 1959
8位 No.23 MERCEDES BENZ 220 SE 1961
RIT No.15 CHEVROLET CORVETTE 1963

Modern Class
1位 No.26 FERRARI DINO 246GT 1973
2位 No.28 PORSCHE 911S 1973
3位 No.34 CHEVROLET CORVETTE 1969
4位 No.27 PORSCHE 911S 1971
5位 No.33 FORD MUSTANG MACH1 1971
6位 No.29 TOYOTA SPORTS 800 1967
7位 No.30 HONDA S800 1966
8位 No.32 DUTSUN 240Z 1971
9位 No.24 JAGUAR E TYPE 1966
10位 No.25 MERCEDES BENZ 280 SE 3.5 CABRIOLET 1971
11位 No.36 FIAT 850 TC 1968
12位 No.31 MAZDA COSMO SPORT 1970
13位 No.35 CHEVROLET CORVETTE 1971

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