トプコンとオートデスクは3月12日、建設・土木分野における働き方改革の実現を目的に、戦略的パートナシップ(インディペンデント・ソフトウェア・ベンダー・バンドル契約)を締結したことを発表した。

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    握手を交わすトプコンの取締役 兼 常務執行役員 スマートインフラ事業本部長 経営企画本部長の江藤隆志氏(右)とオートデスク代表取締役社長の織田浩義氏(左)

これによりトプコンのハードウェア、オートデスクのソフトウェアなどを組み合わせたBIM・CIM分野におけるワンストップソリューションの提供が行われることとなる。具体的には、建設・土木業界において、設計データから施工、竣工まで1つのデータで流していくことが重要という前提のもと、現場における技術者の不足などを補うことを目的に、BIM・CIMを活用することで、2次元図面を用いずに、すべての作業を3次元データを元に行うことで、現場での作業効率の向上を図り、業務全般のトータルな生産性向上を図ろうというものとなっている。

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  • トプコンとオートデスクによる国内建設・土木向けワンストップソリューションの概要

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  • 国内建設・土木分野におけるデータの流れのギャップとそうした課題解決に向けた戦略的パートナーシップの枠組み

そのため、単に各種のポジショニング機器とオートデスクの各種ソフトウェアの連携のみならず、トプコンが有している国内に4つあるトレーニングセンターでの顧客への実務適用トレーニング支援を販社を通じて行っていくとしている。

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    ハードウェアやソフトウェアのみならず、それを使いこなすためのトレーニングなども提供

こうした取り組みを行うことで、実務適用のスピード促進が可能になるとするほか、大規模から中小まで規模を問わず、効果を享受することができるとしており、両社では、地方の中小企業であっても、実務適用のトレーニングも併せて提供していくことで、効果を得ることができることを強調する。

事前のテストで導入した矢作建設の場合、3000ポイントの墨出しを2次元図面を作らずに、3次元のBIMデータからアドオンソフトを活用して設定することで、従来2~3人かかっていた作業を1人で大なうことができたとするほか、クラウド経由でデータを現場で活用できるため、全体の業務効率化にもつながったとしている。

また、大分県の従業員42名の建設会社でも活用した例では、BIM・CIMの活用で、設計査証時間の短縮などを実現したとのことで、企業の規模を問わずに、あらゆる規模の企業が効果を享受できる協業となることが示されたとしている。

  • BIM/CIM活用事例

    大分県中津市にある従業員42名の建設会社でBIM/CIMを活用

なお、両社はWeb サービス API「Autodesk Forge」を活用することで、さまざまなアプリケーションも活用できるようになるとしており、さらなる付加価値の向上も図れるとしており、日本の建設・土木業界の業務効率向上に貢献していきたいとしている。

  • Autodesk Forge

    Autodesk Forgeとも連携が可能なため、さらなる生産性の改善などにつなげることも可能