新生活に向けて新しいパソコンを買いたい人で、古いパソコンの処分方法のひとつとして「売却する」を検討している場合、どうすれば少しでも高く売れるかは悩みのタネだろう。今回は具体的に高く売るための方法を紹介していこう。

高く売るには商品をよく見せよう

前回、高く売るためのポイントとして「販売時期が浅く、性能が高いこと」「正常に動作すること」「汚れや傷がないこと」「付属品や外箱が付いていること」の四つを紹介した。それでは具体的にどうしたらいいだろうか。項目ごとに見ていこう。

一つ目の「販売時期」については、購入済みの製品についてはどうしようもないのだが、今後の提案として、早めに売って買い換えるようにするのはどうだろうか。例えばMacBook Proを毎年買い換えることにして、1年で売却すれば購入額の半額くらいは取り戻せる。それを元手にして次の機種を購入すれば、買い替え時の出費額は半分くらいで済む、という理屈だ。元手に少し余裕がないとできないが、追加保証を買う必要もないし、常に最新機種を使えるという優越感も味わえるので、なかなかオススメだ。

二つ目の「正常動作」について。Macには自己診断システムが搭載されており、これを走らせることでハードウェアに問題がないか、確認できる。結構時間がかかるのだが、ユーザーが気づかない細かいところまで見てくれるので、必ず一度は実行しておこう。

  • 起動時に「D」キーを押したままにしておくと復旧用システムから「Apple Diagnostics」(Apple診断)が起動する。復旧用システムがない場合は、そのまま待っていればインターネット経由で復旧システムをダウンロードして起動する。診断は自動で行われ、エラーメッセージが出なければOKだ

  • 2013年6月以前に発売されたMacは「Apple Hardware Test」が起動するが、基本的には同じ機能だ。ただし自分で操作して実行する必要がある。「詳細なテスト」にチェックを付けると数時間はかかるので要注意

  • Windowsの場合は「システムファイルチェッカー(sfc.exe)」や「チェックディスク(chkdsk.exe)」、「Windowsメモリ診断」といったシステム標準のツールに加え、ハードウェアメーカーが独自の診断ツールを用意していることがあるので、これらを使おう

三つ目の「傷や汚れ」については、傷や凹みについては素人が治すのは不可能に近いので、乱暴に扱ってきた過去の自分を罵りつつ、素直に諦めるしかない。汚れについては、ちゃんと掃除すれば相当なレベルまでキレイにできるので、しっかり掃除してあげよう。

今のノートPCは主に樹脂かアルミ合金が使われているので、全体は水で固く絞ったマイクロファイバー製の布などで拭き、汚れが取れたら乾拭きで仕上げ、という手順で構わない。本体に水が入らないよう、硬く絞るのが絶対条件だ。汚れが落ちないときはごく薄い中性洗剤水を使って拭く。なお、間違っても塩素系や塩酸系の洗剤を使ってはいけない。アルミ合金は腐食に弱いのだ(まして混ぜるのはもってのほかだ。人間は塩素に死ぬほど弱いのだ)。

  • 100円ショップ(ダイソー)で購入した、水をつけるだけで掃除できるマイクロファイバー製のふきん。大概の汚れはこれだけでも十分落ちる。できれば週に一回くらいは掃除する習慣をつけておこう

  • PVA製のクロスは吸水性が高く、繊維ではないので毛羽が残ることもないので、仕上げ拭きに使うと効果的だ。乾いて水の跡ができる前に手早く拭こう

キーボードのキーの隙間など、拭きにくい部分には頑固な汚れも付きやすいもの。こういう細かい部分の汚れが取れないときは、台所用のメラミンスポンジに水をつけて硬く絞り、角を使ってごく軽く、決してゴシゴシとこすらないようにして落とすといい。メラミンスポンジは研磨剤のようなものなので、下手にゴシゴシやるとアルミ合金ですら削ってしまい、テカリが出てしまうのだ。本来アルミにはNGな素材なので、あくまでそっとなでるように、爆発物を扱うかのように細心の注意を払ってほしい。

  • 100円ショップのダイソーで購入したメラミンスポンジ。あらかじめカット済みのものから大きな塊までサイズも複数から選べる

  • スポンジ掃除中。このように角を立ててそっと左右に往復させる。縦方向はストロークが短くなるのでこすりすぎないように

  • キーの間にへばりついた脂汚れもキレイに落ちた。あまりゴシゴシやると梨地がテカテカになってしまうので、あくまでソフトに。濡らしたスポンジで軽く擦った後、乾いた角を使って拭き取るようにすると落としやすい

ディスプレイについては、光沢ディスプレイのモデルはいいが、非光沢モデルの場合はコーティングが剥がれてしまうので、液晶クリーナーや水拭きなど、水分を伴った掃除は厳禁。汚れの大半は指紋や唾などと思われるが、カメラのレンズやメガネ用のクリーニングクロスを使って、軽めに何度も拭うようにしよう。ゴシゴシやるのは逆効果だ。

四つ目の「付属品」についても、本体と同様に清掃しておくと好印象。特にMacに付属する白いケーブルは黒い汚れがつきやすいので、キレイに拭き取っておきたい。ここでもマイクロファイバーやメラミンスポンジが活躍する。また、外箱のシール類もきれいに剥がしたいところだが、専用のシール剥がし剤を使っても難しいので、無神経な販売店に呪詛を吐いて諦めよう。

いよいよ手放す前に、プライバシーも確保しよう

さて本体の清掃も終わったところで、最後の仕上げをしておこう。やるべきことは二つ、現在使っているパソコンのバックアップと、現在のストレージの完全消去だ。

まずバックアップについては、新しいパソコンが来た時に移行するためだ。最近はオンラインのストレージサービスも充実しており、写真や書類、メールなどのデータはすべてオンラインにあるという人もいるだろう。その場合でも、万が一のサービス停止などに備えて、ローカルにデータをバックアップしておきたい。

バックアップの手順は、Macであればシステム標準の「Time Machine」を使うのが手っ取り早い。外付けのハードディスクをつないでTime Machineをオンにすると、ほぼ全自動でシステムを含んだストレージ全体をバックアップしてくれる。本来は差分バックアップで過去の状態に戻せることがウリの機能だが、初回のバックアップだけでも通常のバックアップと同様に利用できる。

  • Time Machineの設定は「システム環境設定」で行う。実行には外付けハードディスクが別途1台必要になるので、本体のストレージより容量が大きいドライブを用意しておこう

  • 初回バックアップには図のケース(約80GB)で3時間程度と、多少時間がかかるので、夜中などに作業させるといい。次回からは差分だけをバックアップするので、短時間かつバックアップ容量も少なくて済む

Time Machineバックアップの利点は、新しくMacを購入した時に、ユーザー環境をバックアップから新しいMac上に再現しやすいことだ。初回起動時に動作する「移行アシスタント」を使ってアプリや書類を丸ごと新環境に移してくれる。面倒な移行作業が嫌いな人には強くオススメしたい。

Windowsの場合はシステム標準の「バックアップと復元」を利用しよう。こちらはUSBメモリ(16GB以上)に「回復ドライブ」を作り、そちらで起動してからシステムディスクを丸ごと、外付けディスクにコピーする機能。新しいWindows PCではコピーからシステムを復元してやればいい。

  • 先に外付けUSBメモリ(16GB以上)に回復ドライブを作っておき、その後システムディスクのバックアップを作る。USBメモリを回復ドライブ専用に1本準備しておくと、いざというときの修復などにも役立つ

バックアップが完了したら、現在のシステムを消去して新たにシステムをインストールし直そう。この消去は、現在のユーザー情報(プライバシー)を守るために必ず行っておきたい(次のユーザーに住所などがダダ漏れでも構わないなら別だが)。

データの消去は、別ディスク(USBメモリでも可)から起動してシステムディスク全体を初期化しなおせばいいが、この時に初期化を1回ではなく、数回行うオプションがあるので、これを選んでおこう。初期化1回ではデータが読みだせる場合があるからだ。理想的には上からランダムなデータを書き込み、消去することを数回繰り返すのがベストだが、別途ソフトが必要だったり、とにかく時間がかかるなど、やや手間がかかる。空き時間と相談して決めればいいだろう。個人的には3回消去で十分だと思う。なお、Macはシステム標準でデータの完全消去が可能だが、Windowsには標準で消去手段がないため、市販の消去アプリや、メーカー品であればシステムに付属してきた消去アプリを使うのが一般的だ。

  • 「ディスクユーティリティ」で「消去」を選ぶ際に「セキュリティオプション」ボタンを押し、データ消去の方法を選ぶ。速度と安全性で4段階に分かれているが、さすがに「最も安全」は時間がかかりすぎる。よほどの重要データでもない場合は、3段階目(DOE準拠)でいいだろう

データを消したら、システムの再インストールは通常通り行えばいい。インストールしたら特にユーザーなどを作成する必要はなく、初回起動時の画面になったら電源をオフにすればOK。ここまで完了したらいよいよお別れの準備が完了だ。