JR西日本米子支社は5日、境線米子~境港間で導入する「車載型IC改札機」の報道公開を実施した。境線ではダイヤ改正を実施する3月16日から、車内に設置された「車載型IC改札機」をタッチすることで、「ICOCA」などICカード乗車券が利用可能となる。

  • JR西日本が境線に導入する「車載型IC改札機」を報道公開(写真:マイナビニュース)

    JR西日本が境線に導入する「車載型IC改札機」を報道公開

米子支社管内では2016年12月から、山陰本線伯耆大山~出雲市間と伯備線の一部の駅が「ICOCA」エリアに。境線では、JR西日本において初という「車載型IC改札機」を備えた車両を導入することにより、3月16日から「ICOCA」などが利用可能となる。全国相互利用対象のICカード乗車券「Kitaca」「PASMO」「Suica」「manaca(マナカ)」「TOICA」「PiTaPa」「はやかけん」「nimoca」「SUGOCA」も境線で利用できる。

報道公開では、「車載型IC改札機」を設置したキハ40形(キハ40-2118)の試運転列車に乗車。米子駅を発車後、途中の各停車駅でICカードタッチによる乗降の実演が行われた。乗車した車両では、乗降ドア付近に入場用(青)・出場用(黄)のIC改札機が設置され、「ICOCA ご利用案内」も掲出。運賃箱にも出場用のIC改札機(黄)を搭載している。乗車時はドア付近に設置された入場用のIC改札機(青)にタッチし、降車時は運転台後方にある出場用のIC改札機(黄)にタッチする方式となる。

自動改札機が設置された米子駅、IC専用型改札機が設置される境港駅では、駅の機器にタッチすることで乗降可能。米子~境港間の途中駅のうち、博労町駅・富士見町駅・後藤駅・三本松口駅・河崎口駅・弓ケ浜駅・米子空港駅・余子駅・馬場崎町駅では券売機でICチャージ可能だが、その他の駅は券売機がないためICチャージ不可とされている。

  • 乗車時はドア付近に設置された入場用のIC改札機(青)にタッチ

  • 降車時は運転台後方にある出場用のIC改札機(黄)にタッチする

境線は水木しげる氏(境港出身)の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を描いた「鬼太郎列車」が走る路線としても知られる。「車載型IC改札機」は「鬼太郎列車」のキハ40・47形など22両を対象に設置するとのことだった。

JR西日本米子支社営業課の金田謙氏は、「沿線に観光地が多く、米子空港駅は首都圏の玄関口でもあるため、普段からICカード乗車券等を利用されるお客様が多くいらっしゃいます。一方、境線は無人駅が多く、駅できっぷを買い、車内できっぷを回収する、あるいは車内で運賃を支払っていただく状況となっています」と説明。「車載型IC改札機」の設置により、「きっぷ購入や車内での運賃支払いなどがなくなり、よりスムーズに乗車できるのではないかと思います」と話していた。

「車載型IC改札機」の導入で境線が「ICOCA」エリアとなることを受け、利用開始初日の3月16日、境港駅で記念セレモニーも予定されている。なお、JR西日本における「車載型IC改札機」は境線に続き、2020年春から和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)にも導入される予定。新型車両(227系1000番台)への置換えが完了した後、車内に設置した「車載型IC改札機」を使用開始して「ICOCA」エリアを拡大する。

  • 「車載型IC改札機」を設置した境線「鬼太郎列車」(キハ40-2118)の車内・外観