俳優の玉木宏が、テレビ東京系新ドラマBiz『スパイラル〜町工場の奇跡〜』(4月スタート 毎週月曜22時〜)の主演を務めることが1日、明らかになった。

  • 玉木宏

同作は、小説家・真山仁による累計260万部を超えるベストセラー『ハゲタカ』シリーズのスピンオフ作品『ハゲタカ4.5/スパイラル』を実写化。企業再生家の芝野健夫(玉木)は、恩人である天才発明家・藤村登喜男の死をきっかけに大手 電機メーカーから転じ、小さな金型工場・マジテックの再生を手掛けることに。しかし、過去の因縁から芝野に復讐を目論む村尾と外資系ファンドのホライズンが、ある目的でマジテックを乗っ取ろうと動き出す。

町工場という“1つの家族”が世界規模で襲いかかってくる巨大ファンド“ハゲタカ”に立ち向かい奮闘する姿を描く同作は、原作者の真山自身が「ハゲタカの常識を破ることを目的にした」と自負する、“中小企業の再生”をテーマに描いた話題作。主演の玉木はテレビ東京の連続ドラマ初主演となり、真山作品に出演するのは2016年・2017年に同局で放送されたスペシャルドラマ『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』『巨悪は眠らせない 特捜検事の標的』に続き3作目となる。

脚本は、映画『フラガール』や連続ドラマ小説『マッサン』を始め、数多くの名作を手掛けている羽原大介、監督は井坂聡、松田礼人、棚澤孝義が担当する。

玉木宏 コメント

・原作を読んだ感想は?

いわゆる“日本の技術”を守っていかなければいけないという説得力を、すごく感じる作品だと思いました。中小企業が舞台になっている話なので、外資との対峙が面白さだと思いますし、町工場の技術を芝野が必死で守ろうとしているところも見応えがあると思います。

・ドラマ出演の話を聞いた時の気持ちは?

真山先生が描く社会派ドラマは、内容にもリアリティーがあります。年齢など原作とは異なる設定もありますが、原作ファンが多くいる作品ですので、ファンの方々にも納得できるような作品になったらと思いながら撮影に臨みたいと思います。

・芝野健夫をどう見る?

芝野は基本的に真面目な人間だと思いますし、原作に「世の中には時々信じられない巡り合わせがある。芝野は年齢を重ねる中で、一見偶然にしか見えない巡り合わせでも必然と考えるようになった。その必然は無視してはならない」とあるように、全てを受け入れていくようなところがある。物事に関してのこういう考え方が彼のベースになっていると思います。信念を心に持ちながら……また人に寄り添える人だと思うので、優しさも持ち合わせながら、この役を生きられたらいいなと思います。

・今回の役を演じるにあたって役作りや準備したことは?

何かを体得しなければいけない役柄ではないので、役作りや準備は特にしていません。大切なのは、共演する方々とのセッションだと思うので、そのセッションの中で一番リアリティーがある着地点はどこか、ということを探りながら、皆さんと一緒に作品を作っていくことを楽しみにしています。共演者には久しぶりの方も初めての方もいるのですが、今からすごく楽しい現場になりそうな予感がしています。

・視聴者へのメッセージ

このドラマは家族、町工場など、地に足が着いた人たちの“これから”をしっかりと見届けられる作品になっていくと思います。いざ自分の家族が同じような状況になった時にどうすればいいのか、自分に置き換えられる状況もたくさんあると思います。その中で何を守っていくべきなのか……そんなことを想像しながら見ていただけると面白いのではないかと思います。ぜひ幅広い世代の方に見ていただきたいですね。

真山仁 コメント

M&Aは、あなたの街でも起きるかもしれない——。世界を股にかけた大企業間による買収合戦が、M&Aというイメージがあります。しかし、実際は中小企業でも、頻繁にM&Aが起きています。『ハゲタカ』をシリーズで書く以上、そうした小さくはあるが身近で、より多くの当事者にとってエモーショナルな買収・再生劇を書きたい——というのが、『スパイラル』を執筆した動機です。そして、日本屈指と言われる事業再生家の芝野健夫が、大手の再生よりもはるかに難易度の高い中小企業の買収・再生と葛藤する姿は、これからますます日本中で起きる“現実”となります。そんな作品がドラマ化されるのは、驚きであり、感動でもありました。登場人物すべてが当事者となる企業の生き残り劇に、ハッピーエンドはあるのか。今から、ドラマが楽しみでなりません。