もうすぐ新年度ですね。4月から、初めてお子さんを保育園に預ける方も多いのではないでしょうか。ところで、みなさんは、認可保育園の保育料が、どのように決まっているかご存知ですか。今回は、認可保育園の保育料の決まり方や、上手に保育料を抑える方法をご紹介します。特に、お子さんを保育園に預けている方は、必見ですよ。

  • 保育料がどう決まるか知っていますか?(写真:マイナビニュース)

    保育料がどう決まるか知っていますか?

保育料ってどうやって決まるの?

まずは、認可保育園の保育料の決まり方を確認していきましょう。保育料は、お子さんの年齢と、保護者の方の「市区町村民税所得割相当額」というもので決定されます。「市区町村民税所得割相当額」とは、簡単に言うと、住民税のことを指します。

つまり、「所得が多い=住民税が高い」ご家庭の場合は保育料が高くなり、「所得が少ない=住民税が安い」ご家庭の場合は保育料が安くなるような仕組みになっているのです。

たとえば、現在、生活保護を受給しており、経済的に余裕がないご家庭の場合、認可保育園の保育料の負担額は、毎月0円となる可能性があります。一方、夫婦共働きなどで、世帯収入が多いご家庭の場合、保育料は最高で、毎月7万円〜8万円程度となっています。

認可保育園の保育料は、住んでいる地域によって異なっているので、詳しくは、自分の市区町村の保育料をチェックしてみてくださいね。

どうしたら保育料が下がるの?

では、保育料を下げるために、私たちが工夫できることはあるのでしょうか。保育料を下げるためには、「住民税を安くする=所得を少なくする」必要があります。

賢く所得を少なくするためにポイントとなるのが、「所得控除」です。所得控除とは、所得税を計算するときに、各納税者の個人的事情を加味するために定められている制度で、所得の金額から所得控除の金額を差し引くことで、納めるべき税金が安くなるというものです。

所得控除を上手に活用し、所得金額および住民税を下げることができれば、保育料を節約することができる可能性がありますよ。

確認したい所得控除とは?

では、みなさんの生活において、特に保育料の計算に関わってくる所得控除について、確認していきましょう。

生命保険料控除

まずは、生命保険料控除です。これは、生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料に加入している方の場合、一定の条件のもと、支払った保険料を所得から控除することができます。

医療費控除

病院での診察費用や調剤薬局での薬代など医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、所得控除を受けることができます。

小規模企業共済

これは、小規模企業の経営者や役員の方が、廃業や退職時の生活資金などのために、お金を積み立てるもので、掛金を全額所得控除することが可能です。フリーランスで仕事をしている方も、加入することができます。

国民年金基金

国民年金基金は、自営業者など国民年金の第1号被保険者の方々が加入することができる年金です。掛金は、全額が所得控除の対象となります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

最後にご紹介する所得控除が受けられる制度は、個人型確定拠出年金iDeCoです。iDeCoとは、公的年金にプラスして加入することができる、私的年金制度の1つです。

iDeCoにおいて、自分で掛金を拠出しそのお金を運用することで、将来は老後資金などに充てることができる給付を受け取ることができます。拠出限度額は、自営業の方は毎月6万8,000円まで、専業主婦の方は毎月2万3,000円までとなっています。そして、この加入者が拠出した掛金額は、全額所得控除とすることができますよ。

iDeCoは、他の所得控除と比べて、所得控除の金額が比較的大きいという特徴があります。控除金額によっては、住民税の金額も下げることができるので、毎月支払うべき保育料の金額も抑えることできるかもしれません。

iDeCoについて、さらに詳しく知りたいという方は、国民年金基金連合会のiDeCo公式サイトや、厚生労働省のホームページに掲載されている、iDeCoの概要について、ぜひチェックしてみてくださいね。

いかがだったでしょうか。税金や保育料の計算は、一見複雑で、なかなか理解するのが難しいと思われがちです。しかし、ちょっとした工夫で、保育料の大幅な節約ができる可能性があります。今回の記事を参考にしながら、ご家庭において、申請することができる「所得控除」がないか、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール: 下中 英恵

女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター/ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。第一種証券外務員、内部管理責任者。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は東京において、資産運用や税制等多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っている。