楽天モバイルネットワークは2月20日、情報、通信、テクノロジー分野におけるデジタルソリューションサービスを提供するインドTech Mahindra(テックマヒンドラ)と連携し、次世代ネットワーク(4G/5G)の大規模な試験基盤を保有する施設である「楽天クラウドイノベーションラボ」を設立したと発表した。

  • 左から楽天モバイルネットワーク 代表取締役社長 山田善久氏、シスコシステムズ合同会社 副社長 情報通信産業事業統括本部 中川いち朗氏、楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏、Tech Mahindra Network Services CEO Manish Vyas氏、楽天モバイルネットワーク CTO タレック・アミン

    左から楽天モバイルネットワーク 代表取締役社長 山田善久氏、シスコシステムズ合同会社 副社長 情報通信産業事業統括本部 中川いち朗氏、楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏、Tech Mahindra Network Services CEO Manish Vyas氏、楽天モバイルネットワーク CTO タレック・アミン氏

新ラボの設立は、2018年10月に両社で締結した、次世代ネットワークに特化した試験施設の設立に関する合意に基づいている。

同ラボのインフラストラクチャは、楽天モバイルネットワークのエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネットワークを再現しており、試験は網羅的に自動化しているため、イノベーションの加速を可能としている。この試験設備を使用することでバグの早期発見を行い、品質の高いソフトウェアの継続的な商用ネットワークへの提供を実現するという。

  • 施設内の写真。左上・左下:サーバルーム、右上:基地局設備、右下:シールドルーム

    施設内の写真。左上・左下:サーバルーム、右上:基地局設備、右下:シールドルーム

開発から新サービス提供まで長い時間と高いコストをかけて商用ネットワークに展開する一般的な手法に比べ、小規模なソフトウェア機能単位で、短期間で自動的に試験を繰り返す手法を採用することで試験期間の短縮とコスト低減を図るとしている。

また、新サービスを展開した際に起こる通信ネットワークの不具合を低減でき、高品質で安定したサービスを継続的に提供可能になるとしている。

同ラボには、拡張性のあるネットワークトラフィックシュミレーション機能を備える仮想化したRAN(無線アクセスネットワーク)、モバイルエッジコンピューティング、仮想化したEPC(進化型パケットコア)やIMS(IPマルチメディアサブシステム)のコアシステム、OSS(運用支援システム)、BSS(ビジネスサポートシステム)を含んでおり、ネットワーク全体の包括的なエンドツーエンドの検証を可能としている。

さらに、新機能の商用化に向け、商用ネットワークと同一の環境において継続的に試験を繰り返すことができる全経路の実装を自動化している。DevOpsを活用しているため、自動的に新機能やテクノロジーの検証と統合を迅速に繰り返すことができ、同社が早期にこれらを商用サービスに展開することを支援するという。

同社は、同ラボを活用して「5Gレディ」な次世代ネットワークの構築に向けた試験を実施し、ユーザーに利便性の高い革新的な体験を提供することを目指す。