デジタルカメラでおなじみの富士フイルムが、カメラや放送機器用のレンズで培った技術を生かして高性能プロジェクター事業に参入します。カギとなるのが、自由自在に向きを変えられる回転機構付きのレンズと、光軸をずらして斜め方向に投影するレンズシフト機構の存在。これまでスペース的な制約で設置できなかった場所にも置けるようになり、さまざまな状況で大画面が投影できるようになります。
今回発表した「FUJIFILM PROJECTOR FP-Z5000」の価格はオープンで、実売価格は100万円前後の見込み。発売は4月の予定です。おもに業務用途に販売しますが、これまで設置できなかった場所にも置けることを訴求して個人向けにも販売します。
FP-Z5000でポイントとなるのが、2軸の回転機構を備えた屈曲型のレンズユニット。レンズが固定されておらず自在に動くので、天井や床などにも投影できます。本体は横置きと縦置きの両方に対応したデザインとなっており、限られたスペースにも設置しやすくしました。
光を光学式にずらすレンズシフト機能は、調整の幅が上下は82%、左右が35%大きいのがポイント。スクリーンが本体の目の前になく斜め方向にある状況でも、隅まで精細に四角く投影できます。大きな壁面に投影する際も、プロジェクターを高い位置に固定する必要がなく、床に置いたままでも投影できるようになります。レンズは短焦点タイプなので、75cmの至近距離から約100インチの大画面を投影できます。
表示方式はDLP。投影の画質はフルHDで、4Kには対応していません。本体サイズはW470×H108×D375mm、重さは約12kg。