主婦の夢の1つに「在宅で毎月数万円の収入を得る」があります。それは老後にも言えることです。内職が身体的に難しくなる高齢期には、在宅ワークという新しい方法があります。リタイア後、スキルを生かしてお金と自由を得る方法を考えてみました

主婦の夢の1つに「在宅で毎月数万円の収入を得る」があります。それは老後にも言えることです。内職が身体的に難しくなる高齢期には、在宅ワークという新しい方法があります。リタイア後、スキルを生かしてお金と自由を得る方法を考えてみました。

◆在宅ワークは多種多様
「在宅で収入を得る仕事」と言えば内職です。仕事の内容は、アクセサリー組み立てや縫製、ちらしやサンプルの封入、ラベル貼りなど、驚くほど多種多様です。

最近では在宅ワークと言われるパソコンを使った仕事、例えばホームページ作成やデータ入力、テープ起こし、ライティング、翻訳、校正、添削、アンケート入力なども増えています。

内職と在宅ワークの違いは、『パソコン・インターネットなど情報通信技術を活用するのが「在宅ワーク」、これに対し物品の製造・加工等を行うのが「内職(家内労働)」』(長野労働局)です。「内職には家内労働法を適用、在宅ワークは適用外」という違いもあります。

◆在宅就業者は約126万人にも上る
「都合のいい時期や時間に働くことができる」「スキルや趣味を生かした仕事をしたい」などの理由で在宅就業の道を選んだ人は、平成25年度は126万4000人でした。近いうちに開始、あるいは準備中の「在宅ワーカー予備軍」は、ほぼ5倍の約581万4000人と推計されています(平成25年度三菱UFJリサーチ&コンサルティング『在宅ワーカー人口推計調査』)。

◆すでに多くの中高齢者が在宅ワークに従事
就業者を性別・世代別に見ると、男性は60~69歳が最も多く30%を占め、若くなるにしたがって減少します。女性は50~59歳が30%でトップ、僅差で40~49歳が続きます(同『在宅ワーカー詳細調査』)。中高齢者が既に在宅ワークを実践していることに驚きました。

◇在宅就業者の性別・世代別の割合
<男性>
・30~39歳 13.8%
・40~49歳 21.8%
・50~59歳 26.4%
・60~69歳 30.5%

<女性>
・30~39歳 20.9%
・40~49歳 28.9%
・50~59歳 30.5%
・60~69歳 10.4%

※在宅就業者の定義
事業主から委託を受けて、報酬を得るために主として自宅または自ら選択した場所に置いて情報成果物の作成または役務の提供を行う個人であって、同居の親族以外を使用しないことを常態とするもの

◆初心者の年収は60万円程度
次に、在宅ワーカーが実際どのくらいの収入を得ているのか見ていきましょう。

平成27年度港区立男女平等参画センターのリーブラ助成事業として行われた「在宅ワークに関する意識・実態調査」(2016年3月特定非営利法人フラウネッツ)によると、在宅ワーカーの現在の税込み年収は平均約120万円です。しかし初心者の50%弱は20万円未満、経験者でも50万円未満が約40%。月収換算では2~4万円程度が多いようです。

●在宅ワーカーの年収
・初心者 平均59.7万円(20万円未満が約49%)
・経験者 144.5万円(20万円未満が約18%、20~50万円未満が約21%、50~100万円が約13%)
・全体 118.8万円(50万円未満が約47%)

わずかであっても、収入があるというのはうれしいことです。

◆在宅ワークは地方自治体からも紹介してもらえる
では、在宅ワークはどのように探し出せばいいのでしょうか。その方法をご紹介します。

内職は単価が安いので人気がないと思いきや、意外と人気があるようです。「友人たちとのお茶の時間に、口を動かすだけでなく手も動かしてお茶代をゲットする」「趣味の編み物や手芸品を将来、個人販売できるようレベルアップを図る手段の一つとして利用」など、目的も様々です。

仕事を見つける方法はチラシ、電話勧誘、知人の紹介などいろいろなルートがありますが、地方自治体やハローワーク、商工会議所でも紹介しています。また、シルバー人材センターも同じような仕事を扱うことがあります。興味のある人は、自治体などのホームページや各窓口に立ち寄って、詳しいお話を伺ってみてはいかがでしょうか。

◆現役のあいだに在宅ワークの準備をしよう
在宅ワークの初心者は、仲介機関や仕事紹介サイトなどから仕事を得る「受動型」。経験者は、勤めていた会社や知人への声掛け、ブログやホームページでアピール、異業種交流会に参加するなど、自らの働きかけで直接仕事を得る「能動型」が多い傾向にあります。

初心者であれ経験者であれ、「今後も直接受注を増やしたい、在宅ワークを続けたい」と多くの人が考えています。在宅ワークを考えているのであれば、現役のうちに在宅ワークに繋がるスキルを身に付けたり、「退職後も在宅ワークで仕事を続けるので仕事を回してください」と会社や取引先に働きかけておくこと。すると、比較的ラクにスタートし、仕事量を維持できるでしょう。

会社側からすれば、仕事の遂行力レベルや性格などが分かっているので、安心して仕事を発注することができるようです。

◆仲間作りをしてリスクヘッジ
私の周りには、勤めていた会社から会議のテープ起こしや翻訳や設計を、知人の会社の記帳の補助などを請け負っている人たち少なからずいます。彼らが口をそろえて「あるといいよ、助かるよ」というものがあります。それは何でしょう。

在宅ワークは納期を守ることが何より大切です。しかし、健康や家庭の事情などで納期を守れない状況に陥ることが少なからずあります。仕事がオーバーフローすることもあります。そのような時に助け合える・融通し合える仲間がいると心強いだけでなく仕事の幅もグ~ンと広がっていきます。

◆在宅ワーカーを狙った詐欺に注意
ネットワークのもう一つのメリットは、詐欺への防波堤になることです。新たな顧客に関して仲間の意見を聞くことで詐欺に遭うリスクは減少します。在宅ワークには詐欺の危険が付きまといます。

『字がきれいで書くことが好きなので、筆耕の仕事をしようと登録した。きちんとしたルールを学び資格を取る必要があるというので、受講料50万円くらいの通信教育を受けた。資格は取得したものの一度も仕事は発注されなかった』

これは実際にあった典型的な詐欺です。

2016年4月22日、消費者庁は在宅ワークの悪質業者として「ネットライフ」「クラウドシステム」の2社を公表しました。内職でも同じようなことが起きています。被害にあわないためには、問い合わせの際に次のような要件を出す業者には注意が必要です。

・高い報酬を謳う
・事前に登録料や保証金、研修費など様々な名目で金銭を要求する
・研修期間がある
・資格が必要

なお、これから在宅ワークを始める人や初めて間もない在宅ワーカー向けに、安心して在宅ワークをするために必要な基礎知識をまとめた「在宅ワーカーのためのハンドブック」(厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」)があります。

◆目標額はほどほどに。欲張り過ぎないのが続けるコツ
在宅ワークは時間の切り売りです。多額の収入を目指すと、必然的に家庭生活や健康や趣味活動などにしわ寄せが行きます。目標額を決めたら、それ以上は追い求めない強い意志を持ちましょう。

目標額は、例えば「マクロ経済スライドによる年金の減少分」「生活費の赤字を半分補填」「自分の小遣い」という感じでしょうか。人生のいろんな楽しみを体験する時間とお金を、在宅ワークでひねり出せるといいですね。

文=大沼 恵美子(マネーガイド)