頬づえ・歯ぎしり・スピード重視の歯磨き……些細な癖が歯に悪影響を与えていたら、あなたはどうします? 無意識の動作が歯に与える影響について解説します。

皆さんが良くご存知の貧乏ゆすりなどは、無意識のうちについつい繰り返してしまう、習慣性の動作です。これと同じように、歯の周辺にもさまざまな「癖」が隠れています。ここでは、歯に悪い影響を与えそうな癖について解説します。

◆そもそも癖の問題点とは?
歯の周囲に影響を与える癖が問題になるのは、1つの動作を何度も長期間に渡って繰り返すと、その弱いわずかな力が積み重なり、長期間で見ると悪い影響となるからです。

◆歯に影響を与える癖
歯に影響を与える可能性のある癖は、次のようなものがあります。

■歯磨きの癖
不十分な歯磨きが毎日繰り返されると、奥歯の外側や、歯の裏側全般などの特定の部分だけの磨き残しとなって、虫歯や歯周病に影響を与える場合があります。

■噛み癖

食事の際に前歯だけで噛んだり、片側ばかり使用すると、顎の関節に負担をかけたり、特定の歯の歯周病や、虫歯などが進行しやすくなります。

■指しゃぶり
子どもの指しゃぶりなども、前歯が前方へ矯正されたように飛び出した形になりやすく、上下の歯が咬み合わさらない口が開いた状態になることがあり、歯並びに大きな影響を与えます。

■頬づえ
下あごを片側から支えるような頬づえは、歯並びを内側に移動させたり、顎の関節などに負担をかけたりすることがあります。

■歯ぎしり
就寝中の歯ぎしりは、歯周病を悪化させたり、知覚過敏や虫歯などの原因となることもあります。

歯ぎしりなどは、注意しても自分では止めることはできませんが、その他は自分で対応できる可能性があります。

◆小さな癖で、数年後に後悔しないために……
歯の移動などは、数日単位ではほとんど確認することはできません。しかし目立った癖がなくても、口の中は歯が磨り減ってきたり、歯並びが悪くなったり、と年齢を重ねるごとに、少しずつ変化していくのです。

歯に影響を与えるような癖がある場合には、本来の正常に変化するべき状態を、違った方向に速いスピードで変化させてしまう恐れがあります。とはいっても、今、歯に影響を与える癖があるからといって、すぐに問題になることはありません。それが問題となってくるのは数年後の先なのです。

怖いのは、問題が起きてからでは、元の状態に修正するのがかなり難しくなってしまうことです。まずはちょっとした噛み癖などから見直してみてはいかがでしょうか?

文=丸山 和弘(歯科医)