サラリーマンの年収はいくらでしょうか? 会社規模や年齢別でも検証してみました。

◆サラリーマンの平均年収は422万円
国税庁が実施している民間給与実態統計調査によると、平均年収は422万円(平成28年分)。この平均年収は、民間企業の従業員(非正規を含む)と役員の年収が対象となっています。賞与も含まれていて、同調査の平均賞与は65万円です。平均年収から平均賞与を引き算して求めた平均月収は30万円となります。他の統計でもチェックしてみました。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(平成29年)」での平均月収は33万円、平均賞与が90万円です。年収にすると486万円となります。日本を代表する企業が加盟している日本経済団体連合会(経団連)の調査によると、平均月収が43万円(出典:「2017年6月度定期賃金調査結果」)です。賞与を除いて単純に12カ月分にしても516万円と国税局の調査結果を大きく上回っています。

調査の方法や対象などによって、結果にばらつきがあることがわかります。これらの平均年収は、新入社員から定年退職間際の社員までの年収や、大企業から中小企業までの年収がすべてひとくくりになっているので、422万円という平均年収だけを見ても意味がありません。比較しやすくするために平均年収を分解してご紹介します。

◆業種別・年齢別の平均年収
業種(一部)と年齢別の平均年収(出典:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」を加工して作成
業種と年齢で区切った平均年収です。表の見方は次のとおりです。

例えば、“製造業”で“35~39歳”の場合、492.6万円となります。同じ年齢層(35~39歳)の全業種平均は、432.8万円ですので、同年齢層の平均を60万円上回っています。業種は一部のみを抜粋していますが、業種によって大きな差が出ています。

◆事業所の規模別の平均年収
事業所の規模と年齢層別に平均年収を見てみましょう。

事業所の規模別の平均年収(出典:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」を加工して作成)
全体で見ると、規模が大きくなるほど平均年収が高くなるという傾向が出ていますが、男女別で見た場合、女性の平均年収が最も高い事業所規模は「500人以上」となっています。

全体の平均年収は、「422万円(421.6万円)」ですが、こうして少し見方をかえるだけでも大きな違いがあることがわかります。

◆平均とは?
“平均”値について解説します。平均値は、代表値の1つです。平均値のほかに、中央値と最頻値(さいひんち)があります。それぞれの意味は次のとおりです。

●平均値:データの合計をデータの個数で割った値
●中央値:データを大きい順に並べたときにちょうど真ん中にくる値
●最頻値:データの中で最も頻繁に現れる値

どのような違いがあるかを見てみましょう。1~3それぞれの平均値・中央値・最頻値を求めてみます。

平均年収の平均値・最頻値・中央値の違いを簡単に説明
1は、全員の年収が500万円ですから、平均年収の平均値・中央値・最頻値いずれも500万円となります。

2は、平均値は1と同じく500万円ですが、中央値が5人の真ん中=Cの年収となり、480万円になります。最頻値は、人数が最も多い450万円(A、Bの2名)と、年収のバラつきがでるとズレが生じることがあるようです。

仮に、Bの年収を540万円に置き換えると、最頻値は540万円(BとEの2名)に変わってしまいます。

3は、年収が飛びぬけて高いFが入ってきました。たった一人のために、平均値が1007万円まで引き上げられています。このときFさんを除く5人は、平均を大きく下回っており、平均と世間の実感とのギャップが生まれることになります。このような場合には、中央値が世間の実感に近い値となることが多いです。

◇「平均のデータ」を見るときの注意点
平均年収の階層ごとの人数(男女別・合計)、平均と実際のギャップ(出典:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」を加工して作成)
この図は年収の階層ごとの人数を示したものです。

平均年収は、男性が521万円、女性が280万円、合計の平均は422万円です。しかし、人数が最も多い年収階層を探してみると、

男性が300万~400万円
女性が100万~200万円
合計は300万~400万円

といずれも平均値(422万円)より下にあるのです。

平均のデータを見るときには、どのような調査を行ったか(どのような人にどれくらいの人数か)によって、ズレが生じる可能性があるので、鵜呑みにせず「根拠はなに?」と気にするようにしましょう。

◆平均年収と実際とのギャップ
毎年雑誌などで紹介される年収ランキングで上位に入っている企業に勤めていたことがあります。社外の人たちからは高給取りだと思われていたようですが、残念なことに実際の給与は、掲載されていた額の半分にも満たない額でした。社内の噂によると平均を超えていたのは、役員と管理職の一部だけだったようです。

◆おわりに
平均年収を見て何を思いましたか? もし、今の年収に満足していないのであれば、試していただきたい年収アップ法があります。目の前にある仕事で圧倒的な成果を出すことです。まだ出せていないのであれば、今年1年でどれだけできるかやってみてください。どのような仕事であっても職場環境でもとにかく1年間やってみましょう! 成果をどのように出せばよいのか1人で考えていてもわからない場合は、パートナーや家族、友人などと相談しながら仕事内容と目標を書き出してみることから始めましょう。

文=井上 陽一(マネーガイド)