XYZプリンティングジャパンは2月6日、同日から2月8日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「日本ものづくりワールド2019 第1回次世代3Dプリンタ展」において、産業用光造形3Dプリンタ「MfgPro700xPF/600xPF」および、コンシューマ向けFFF方式フルカラー3Dプリンタ「ダヴィンチ Color mini」を発表。ダヴィンチ Color miniの実機を用いたデモ展示などを行っている。

MfgPro700xPF/MfgPro1600xPFは、米Nexa3Dとの共同開発した3Dプリンタで、光硬化性樹脂の底面と独自のマトリックス構造の光源の間に透明な自己潤滑性被膜を使用するNexa3DのLSPc技術を採用することにより、一般的な光造形3Dプリンタと比べて40倍ほど高速な1分間あたり最大1cmの積層を可能としたモデル。最大造形サイズはMfgPro700xPFが270mm×160mm×170mmで、MfgPro1600xPFが270mm×160mm×380mmとなっており、同社では、この速度を実現したことで、プロトタイプではなく量産への適用も可能になると説明している。

  • MfgPro1600xPF

    MfgPro700xPF/MfgPro1600xPFの実機展示はない(機体を模したパネル展示は有り)が、代わりに各種の造形物が展示されている

フルカラー3Dプリンタを25万円で提供

一方のダヴィンチ Color miniだが、従来のダヴィンチ Colorと比べて体積を1/2にコンパクト化しつつも、機能面での改良や機能拡張などが施されたFFF(FDM)方式の3Dプリンタとなっている。

  • ダヴィンチ Color miniI@003.jpg

    A@ダヴィンチ Color mini

  • ダヴィンチ Color mini
  • ダヴィンチ Color mini
  • ダヴィンチ Color miniの実機。5インチのタッチモニタも搭載している

コンパクトな筐体を実現するために、カラーインクはCMYの3色一体型を採用(従来機はCMYK4色独立型)。各色4.5ml(合計13.5ml)と少な目だが、インクの吐出量の制御機能の改良などにより、10cm大の造形物(例えば10cm×7cm×4cmのマスク)であれば40個程度製造することができるという。

  • ダヴィンチ Color mini
  • ダヴィンチ Color mini
  • ダヴィンチ Color miniによる造形の様子。CMYの3色インクのタンクはノズルヘッド部分に設置されている。1タンクあたりで作れるのは、このサイズのマスクが40個とのこと

また、エクストルーダーはステンレス製を採用。これによりメタリックPLAを使用することができるほか、オプションとしてカーボンPLAが使用可能となる高硬度エクストルーダーや、レーザー刻印を可能とするレーザーモジュールなども用意されている。

ダヴィンチ Color miniの造形の様子

なお、価格は24万8000円(税別)だが、2月6日より、公式オンラインショップにて先行予約の受付を開始。先着48台限定で12万9000円(同)にて提供するとしている(出荷自体は2019年4月以降)。また、MfgPro700xPFの価格は298万円から(同)、MfgPro1600xPFは未定としており、こちらは7月以降の出荷を予定しているという。

レーシングマシンの開発に3Dプリンタを活用

また同社は、2018年12月にインディーカーなどで活躍する佐藤琢磨選手が所属するレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)と技術的パートナーシップ契約を締結しているが、ブースでは、レースで使用するマシンの部品を今後、同社の3Dプリンタを活用して製造していくことの例として、レーシングマシンのフロントノーズの展示も行われている。

  • 3Dプリンタ
  • 3Dプリンタ
  • 3Dプリンタ
  • 3Dプリンタで造形されたRLLのレーシングマシンのフロントノーズのプロトタイプ