GfKジャパンは5日、同社が行う企業の情報化投資動向の調査結果を発表、情報化投資実績(2017年度)が増加した事業所がここ数年で初めて過半数に達している。セキュリティやクラウド、Windows 10需要など情報化に投資する企業の増加傾向が窺える。

調査は、情報システム部所属、勤務先で50%以上の時間を情報システム関連業務に費やすユーザーを対象に2018年8月にインターネットで行ったモニタ調査(1,028件)の分析結果となる。

情報化投資 前年比(同社資料より)

情報化投資前年比(同社資料より)

同社が公開するグラフでは、2010年度からの情報化分野への投資を前年度10%(以上/未満)の変動で一覧できる。2010年度からここ数年増加を重ねており、2017年度の情報化投資実績が前年より増加したと回答した事業所が51%を超えている。ここ近年では初となる過半数を超え、2018年度見込み(増加する)でも50%となり、高い情報化投資が近年続いていることが窺える。

投資対象分野で最も多かったものがハードウェアの62%、セキュリティが32%、ソフトウェア、運用・保守、システム開発がそれぞれ20から21%、クラウドコンピュータが12%となる。ほとんどの分野で比率の大きな増減は無いが、セキュリティとクラウドコンピューティングが3年連続で増加しており、労働生産性の観点から投資を強化した企業も少なくないと同社は推察している。

ハードウェアの中では最も投資が活発なカテゴリーにパソコンへの投資が挙げられている。2020年1月にはWindows 7の公式サポートが終了するが、Windows 10導入が投資を牽引していることに同社は言及している。昨年8月の同社調査での搭載OSの数量構成比が平均37%(2016年12月調査から18%上昇)。ITリセラーなどの販売実績をもとに推計する販売データ(Surfaceシリーズを除く)でもB2B(BtoB)市場は堅調に推移し、17年度の販売台数は前年比7%増、18年度(4-12月)で26%増と需要が大きく伸びている。

Windows 10の導入理由(複数回答可/同社資料より)|

Windows 10の導入理由(複数回答可/同社資料より)

また、Windows 10導入理由についてもリサーチし、比較データ(2016年/2018年調査)を発表しているが、セキュリティ強化やサポート期間の利点以外にも、PC自体のパフォーマンス上昇を挙げる回答の増加が見られる。SaaS型の多種多様なサービスから動画サービスまで広くクラウドが提供するツールは進化しており、常設する端末で快適且つ生産的に使えることが求められるが、日進月歩のITテクノロジーの世界において、世代の古いPCはどうしてもパフォーマンスが影響してくる。サポート終了まで1年を切る今年、情報化投資がさらに大きく増加していくことが予測される。