技術を身に付けて仕事に就きたいと考えている人たちのために、公共職業訓練という制度があります。ポリテクセンター埼玉でテクノインストラクターとして働く細井遼太郎さんは、この制度で技術を身に付けたいと考えている人たちの指導をしています。今回はテクノインストラクターについてさらに詳しいお話をお伺いしました。

■テクノインストラクターになるためには免許が必要

―― テクノインストラクターとして働くには資格は必須ですか? 

テクノインストラクターになるためには「職業訓練指導員免許」を取得することが必須です。免許取得の流れは出身大学や実務経験によってさまざまですが、いずれの場合もテクノインストラクターを養成するための大学校で実施している「指導員養成訓練」を受講し、テクノインストラクターに必要な技能等を習得する必要があります。


―― ポリテクセンターの訓練コースはさまざまなものがありますが、テクノインストラクターは何名いらっしゃるのですか? 
 
ポリテクセンター埼玉には28名のテクノインストラクターがいて、私は第4次産業革命に対応したものづくり分野のIT技術を習得するスマート生産サポート科(*)を4名体制で担当しています。一つのテーマを1カ月かけて教えて、次のテーマに切り替わるところで別のテクノインストラクターに交替します。このように、スマート生産サポート科ではテクノインストラクター4名で技術指導から就職支援まで連携して取り組んでいます。

(*)スマート生産サポート科では、第4次産業革命に対応するIT技術を活用した生産設備の開発、運用及び保全に関するものづくり分野の訓練を実施しています。

■母校の先輩後輩が職場の同僚となることが多い

―― この仕事ならではの「あるある」なことはありますか?

テクノインストラクターを養成する大学校は国内で一つだけなので、職場の先輩や後輩がほとんど同じ学校卒業です。そのため、「〇〇先生、知ってる?」という会話から盛り上がることがあります。


―― テクノインストラクターだからこそ知ることができたことはありますか?

今まで担当してきた受講者は300人ほどですが、就職支援をする中で300人分の仕事の経験を聞くことができます。いろいろな職種の話を聞くことができるので、この仕事はこんなことをしていたのかということを改めて知ることができます。この仕事に就いていなかったら分からなかった知識だと思います。

■仕事について悩んでいる人たちの助けになっていきたい

―― 休日はどんなことをして過ごしていますか?

新しいプログラミングの技術があると聞いたら、本を買って思いのままにプログラムを作ったりしています。ただ単に「試してみたい」「動いたら面白いな」という感覚ですね。テクノインストラクターは学び続けることが必要なので、私の場合、趣味が実益をかねているのかなと思います。


―― 今後の目標を教えてください。

私自身、一般大学の教育学部へ進学しましたが、退学してアルバイト生活を3年間送りました。
遠回りをして今の仕事に就きましたが、「テクノインストラクター」という仕事に出会えたおかげで、今の人生を作ることができたと思っています。
もしかしたら私と同じように、一度どこかの学校へ進学したけれど、うまくいかなくてどうしようと悩んでいる人がいるかもしれません。そうした人たちのため、私自身の経験を生かし、悩んでいる人たちの助けになって、活躍するためのレールにのせるお手伝いができたらいいなと思います。これが今後成し遂げたい目標です。



細井さんはご自身の進路について「遠回りをした」とおっしゃいましたが、3年間のアルバイト生活を経て入学した大学校では同級生にも恵まれ、とても充実した生活を送れたそうです。

ご自身が進路に悩んだ経験があるからこそ、悩んでいる人の助けになりたいという気持ちがあるのですね。「人の助けになりたい」と考えている人は、テクノインストラクターという仕事を一つの選択肢にするのもいいかもしれません。


【profile】独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構埼玉支部
埼玉職業能力開発促進センター(ポリテクセンター埼玉)
電気・電子系 職業訓練指導員(テクノインストラクター)  細井 遼太郎