グレタ・ヴァン・フリート、ツェッペリンとの比較やPitchforkの過小評価に物申す

第61回グラミー賞では最優秀新人賞ほか4部門にノミネートされ、2019年1月の初来日公演も盛況だったグレタ・ヴァン・フリート。フロントマンのジョシュ・キスカが、グラミーの夢舞台や周囲の批判についてローリングストーン誌に語った。

12月の貴重なオフの日、グレタ・ヴァン・フリートのフロントマン、ジョシュ・キスカがぐっすり眠っているといきなり携帯電話が鳴った。「何が起きたのか、さっぱり見当もつかなかった」と本人。「法王が死んだとか、そういうのかと思ってたよ」法王フランシスはピンピンしていた。なんと、グレタ・ヴァン・フリートがグラミー賞4部門にノミネートされたのだ。いずれも2017年にリリースしたミニアルバム『Black Smoke Rising』と『フロム・ザ・ファイヤーズ』がらみだった。「あれは僕らの初期の曲だったんだ」とジョシュ。「だから驚いたね。まさかノミネーションされるなんて予想もしてなかったから」

グラミー賞のノミネーションで、グレタ・ヴァン・フリートの脅威の一年はクライマックスに達した。この一年、ハードロックのリバイバルブームを作ったミシガン州のバンドは、クラブを回る生活から一転、シカゴのアラゴンボールルームやデトロイトのフォックスシアターといった5,000人規模の会場で、三夜連続ライブをソールドアウトするまでに成長した。「2018年の年明けのころと比べると、観客の数はほぼ3倍に増えたね」とジョシュ。「おかげで、ものすごい達成感を味わってるよ」


「ハイウェイ・チューン」はグラミーの最優秀ロック・パフォーマンス部門にノミネート

だがそれに伴って、彼らは全米でもっとも誤解されたバンドとして名を連ねることになった。多くの批評家たちが口を揃えて、彼らのサウンドはあまりにもレッド・ツェッペリンそっくりだと評したからだ(「かわいそうに、ミシガン州のフランケンムース出身の若者たちは自分たちが真のロックバンドではなく、アルゴリズム上の幻想だと気づいていない」と、音楽情報メディアPitchforkは10月に手厳しいレビューを掲載した)。ロバート・プラントは冗談で、ジョシュの声は「どこかで聞き覚えがあるんだよな……ああ、『レッド・ツェッペリン I』だ!」と言った――ジョシュはこれを誉め言葉だととらえている。「嬉しいじゃないか。これほどロバート・プラントらしい表現ってないだろ!」


こうした態度のおかげで、彼らは誹謗中傷も気にせずにいられた。ジョシュはPitchforkのレビューにはまったく目を通していない、と白状した。「彼らがそれぐらいのことしか世間に発信していないなんて、残念だよ。でも、それも彼らの自由だからね」と彼は言った。「あいにく僕は、自分たちのしてることには中身があると思いたい派なんだ」つまり彼は、世間もそろそろ自分たちをツェッペリンと比較するのは卒業してもいいのではないか、と考えている。「確かに共通点はあるよ。僕らが影響を受けたバンドの一つだからね。でもここまできたら、『OK、それは分かったってば。そろそろ先に進もうよ』って感じだよ」

キスナとバンドメンバーたちはすでに前進している。この先しばらくはツアーで忙しくなるだろうが、(2018年のアルバム『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』に続く)次回作の構想を練り始めている。「次のアルバムの土台固めをしているところ」とジョシュは言った。「できれば年内に1枚リリースしたいね。前作の時よりプレッシャーも少ないし。早いところグレタ・ヴァン・フリートの世界観をもうちょっと掘り下げてみたいんだ」


「ブラック・スモーク・ライジング」はグラミー賞の最優秀ロック・ソング部門にノミネート

彼らはまた、来るグラミー賞授賞式を心待ちにしている。もっともジョシュは、授賞式のステージで演奏する可能性に関しては固く口を閉ざしたままだ。「そういう噂もあったね」と本人。「アッと言う間だったけど。僕ら自身も、何が起こるか分からないんだ」グラミー賞ではしばしば若いバンドがベテラン勢と共演しているが、もし今回もそうなるとすれば、ジョシュの夢はフローレンス・アンド・ザ・マシーンか、クリス・ステイプルトンと一緒に演奏することだそうだ。「それと、ずっとポール・マッカートニーと演奏したいと思ってたんだ」とジョシュ。「もし彼と一緒に『レット・イット・ビー』をプレイするチャンスが巡ってきたら、最高だろうね」

だがしばらくは、彼の人生はホテルとツアーバスの旅、バックステージの控室の往復が延々と続くことになる。「文字通り、朝起きたときに自分がどこにいるのかわからない、ってことがあるんだ」と彼も言う。「バンドは上手くやってるよ。逞しくなった。特にステージやスタジオでのコミュニケーションを密にして、絆を深めているのが良いんだろうね。今のところ消耗しているとは感じてない。早くスタジオに戻って、あれこれ曲を作りたくてしょうがないよ」




グレタ・ヴァン・フリート
『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』 
ユニバーサル
発売中
日本盤ボーナス・トラック4曲収録
(デビューEP「ブラック・スモーク・ライジング」全曲) 
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