NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は1月28日、企業や自治体における契約書やマニュアル、仕様書、稟議書などの各種ドキュメント類の審査を効率化するため、自然言語処理技術と機械学習技術を活用した「自動ドキュメント審査システム」を試作し、今後の実用化に向け、契約書の自動審査を可能とするプロトタイプを開発して、トライアルを開始した。

同システムは、NTT研究所の技術とノウハウを基に、NTT-ATが研究開発を行ってきた自然言語処理技術と機械学習技術を組み合わせ、契約書などのドキュメント審査を効率化する支援システムとして試作。

主な機能は、ドキュメントをアップロードするだけで、予め設定した審査ポリシー(判断基準)に従い、契約書文をチェックし、審査ポリシーにそぐわない箇所の指摘が可能なほか、指摘したカ所に対して審査ポリシーに即した文をサジェストするという。また、過去の類似契約書文を自動的に検索を可能としている。

  • 「自動ドキュメント審査システム」の導入効果(NTT-AT社内調査より)

    「自動ドキュメント審査システム」の導入効果(NTT-AT社内調査より)

特徴としては、機械学習技術を活用しているため文章の構成や表現に依存せずに分析とポリシー審査ができ、法改正に伴うポリシー変更などが求められる場合でも柔軟に対応が可能。さらに、自社の事情や業界の慣習を考慮した判断規準の設定ができるという。

  • 「自動ドキュメント審査システム」の特徴

    「自動ドキュメント審査システム」の特徴

今後、社内利用と先行協力企業からのフィードバックをベースに段階的にブラッシュアップをシステムに反映し、同様にSI受託業務契約を多数抱える企業などに無償トライアル機会を提供することに加え、契約書以外の非定型文書の解析・審査においても同システムを利用し、将来的にAI活用を積極的に進めたい企業と共同で検討・検証していく。

加えて、契約書の審査業務においては従来の紙やメールによるやり取りではなく、契約締結両社の契約・営業担当がAIによる審査サポートを受けながら、オンラインで契約書の修正・確認ができ、その後はRPA(Robotic Process Automation)ツール「WinActor」との連携により、両社の既存業務システム上で決裁を行い、DocuSignなどの電子サインサービスを用いたオンラインで締結し、契約書をクラウド上に保管するような契約サービス「契約書審査プラットフォーム(仮称)」を目指す。