2018年も、フルサイズミラーレスをはじめとする魅力的なカメラや交換レンズが多数お目見えし、写真ファンの注目を集めました。そこで、各社の新製品を試用&購入する機会の多いカメラマンに、高い評価を与えたベストデジカメとベスト交換レンズをそれぞれ1製品ずつ厳選していただきました。今回は、iPhonegrapherとしても知られる三井公一カメラマンのチョイスを紹介しましょう。

【カメラ編】ニコン「Nikon Z 6」

2018年のベストカメラは、ズバリ「Nikon Z 6」にしました。

  • 三井カメラマンのチョイスは、ニコンが2018年11月に発売したフルサイズミラーレス「Nikon Z 6」。実売価格はボディ単体モデルが税込み27万円前後、標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」とマウントアダプター「FTZ」とのセットモデルが税込み37万円前後

新しく開発した大口径の「Z」マウントを採用し、ニコンが満を持してリリースしたフルサイズミラーレス一眼です。高画素の「Z 7」と使いやすい画素数の「Z 6」の2機種を実際に試しましたが、並み居るライバルと比較しても完成度が高いと感じました。2機種のうちどちらを選ぶか迷いましたが、買いやすい価格帯ながら高画質な描写が得られる「Z 6」にしました。

Zシリーズでまず評価したいのが扱いやすさです。握りやすいグリップと見やすいEVF、そして直感的に扱えるボタン類や画面など、ニコンらしいマジメな作りが随所に感じられました。D850などのデジタル一眼レフから乗り換えても、使用感で戸惑うことはないでしょう。純正マウントアダプター「FTZ」を使えば、手持ちのFマウントレンズが使える点もうれしいですね。

使いやすさもさることながら、写りも秀逸です。特に、Zマウントの交換レンズの描写性能がピカイチだと感じました。画面中心部は当然ながら、周辺部までクリアでヌケ感があり、均一な画質を保っている点は本当にスゴイと思いました。ニコンが、大口径&ショートフランジバックの「Z」マウントを新たに採用した理由がよく分かります。

価格もいいところを突いていて、Z 6はボディとレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」、マウントアダプター「FTZ」とのセットで税込み37万円前後。高画素のZ 7も話題になりましたが、Z 6は断然お買い得感があります。Z 7の倍以上売れているというのもうなずけますね。ニコンファンはもちろん、新たにフルサイズミラーレスを購入したいと考えている人にもオススメのカメラだと思います。

  • Z 6にマウントアダプター「FTZ」を装着し、“ライトバズーカ”と呼ばれるシグマの望遠ズームレンズ「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」を装着して撮影。ヌケ感のある描写と軽快な使い勝手がZ 6の魅力でもある(100-400mm F5-6.3 DG OS HSM使用、ISO100、1/2000秒、F8.0)