NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は12月18日、米国のグループであるRagingWire Data Centers( RagingWire)を通じて、「カリフォルニア シリコンバレー 1 (SV1) データセンター」(SV1)を建設すると発表した。

SV1は、シリコンバレーエリアの1つである米国カリフォルニア州サンタクララ市において、サーバールーム面積約5900平方メートル(2300ラック相当)、電力供給容量16MWのデータセンター(DC)を2020年7月以降にサービス開始を予定している。

  • 「カリフォルニア シリコンバレー 1 (SV1) データセンター」の外観イメージ

    「カリフォルニア シリコンバレー 1 (SV1) データセンター」の外観イメージ

全世界のDC市場の40%以上を占める米国では、活発な企業のクラウド利用など、ICT環境のアウトソース拡大が続いており、同社は米国においてDCを12拠点提供し、そのうちRagingWireは東海岸のバージニア州アッシュバーン、中西部のテキサス州ダラス、西海岸のカリフォルニア州サクラメントに7拠点を展開。

シリコンバレーは、バージニア州アッシュバーンに次ぐ全米第2位のDC市場でありながら、依然として供給不足が続いていることから、SV1を建設することでユーザーの旺盛な需要に応え、米国でのDC市場におけるプレゼンスを拡大していくという。

SV1はノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港(SJC)から車で約10分の利便性が高い場所に、シリコンバレーエリアでは免震DCとして建設し、同社のDCサービスブランド「Nexcenter」が独自に定める300項目以上のグローバル統一設備・運用基準に準拠し、電力・空調・通信設備の冗長化に加え、テロにも強い強固なセキュリティを提供するとしている。

サンタクララ市は、シリコンバレーエリアにおいて唯一、市営会社から電力が供給されており、SV1では周辺と比べて25~40%割安な電力料金を実現するほか、ユーザーのシステムや予算に合わせて、N+1、N+2構成など、さまざまなオプションを提供する。

加えて、サンタクララ市は近隣IXの中間点に位置し、インターネット接続環境が充実しているため、SV1のネットワークは2ルートで引き込まれたファイバーにより、同社をはじめとした多数の通信事業者やクラウド事業者と接続するキャリアニュートラルな環境により、高い可用性、耐障害性、広帯域容量の確保を可能としている。

また、SV1はRagingWireが保有する米国内の各DC間を完全冗長で結ぶ高速大容量のファイバーネットワークで接続され、ユーザーは安全かつ迅速にディザスタリカバリ、ロードバランシング、バックアップ、レプリケーションを実現できるという。

米国の中では比較的地震が多い地域に立地することから、日本における耐震対策のノウハウを活かし、最先端の免震構造により巨大地震発生時でも、ユーザーのシステムへの影響を最小限に留めることに加え、RagingWireは電気、空調、通信などの設備構築・運用を自社で対応可能なライセンスを保有し、専門の主任技術者を多数擁しているため、高品質な設備を低コストでユーザーに提供することを可能としている。

空調機は、外気温を利用して冷却能力を高めるフリークーリングシステムなど、最新の空冷式システムを採用しているほか、RagingWireが開発したDC設備管理システム「N-Matrix」を導入し、リアルタイムで電力使用状況の監視や設備の冷却を自動管理するなど、低コスト運用を実現した環境配慮型のDCを提供するという。

さらに、クレジットカード業界のグローバルセキュリティ基準である「PCI DSS」、米国連邦情報セキュリティマネジメント法にもとづく情報保護ガイドライン「FISMA」や米国医療情報保護ガイドライン「HIPAA」に準拠することに加え、内部統制に関する有効性証明書である「SSAE16/ISAE3402」を取得する。また、オンサイトスタッフによる各種マネージドサービスやリモートハンドサービスなど、安全かつ豊富な運用サービスや会議室、各種アメニティ施設も提供する。