民主党の救世主となるか?オバマとベト・オルークが会談、期待高まる米大統領選

バラク・オバマとベト・オルークが接触したことで、2020年の米大統領選へ向けたオバマ・ワールドに注目が集まっている。

2018年11月に行われた米国中間選挙を前にバラク・オバマは、テキサス州の11人を含む250人以上の支持を表明したが、そこにベト・オルークの名はなかった。「私たちは意見が一致しなかったのだと思う」と、選挙直前の10月、前大統領の推薦者リストから漏れたことについて問われたオルークは述べた。

当時オルークは、共和党、無所属、民主党の各支持者たちへの幅広い売り込みの真っ最中だった。カントリーシンガーのウィリー・ネルソンが応援に駆けつけたこともあり、テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員(共和党)と張り合えるほどに保守的な有権者を囲い込めたように思われた。しかし選挙が終わり、オルークは考えを変えたようだ。

注目を集めていたテキサス州の上院選に僅差で敗れてから10日後、間もなく「元下院議員」となることが期待されるベト・オルークが、ワシントンDCにあるオバマのオフィスで前大統領と会ったことをワシントン・ポスト紙が伝えた。オルークとの会談にオバマは満足していたようだった。事実、11月16日に行われた両者の会談の4日後に配信されたライヴ・ポッドキャストでオバマは、大統領時代の上級顧問であるデイヴィッド・アクセルロッドに対し「オルークは自分自身と似た”とても印象の強い若者”」という内容の発言をしている。

「私が米国のさまざまな地域とのコネクションを築けた理由は、国民が私の主張を理解してくれていたからだ」とオバマは、アクセルロッドに語った。「私がよく重要視したのは、”する事に意義を見出しているかどうか”、そして”自分が進んでリスクを冒してもよいという強い確信をもって事にあたっているか”、ということだった」

前大統領はさらに「彼の選挙戦でよかったと思うのは、常に票の行方を見ながらの活動ではなかったということ。彼の信念を持った姿勢や公約に基づく活動がよかったと思う。それが常となるのが理想的だと思うが、残念ながら実際はそうでない」と続けた。

オルークとの類似性を感じたのはオバマだけではない。オバマ=オルーク会談から約10日後、オバマ大統領時代の上級顧問を務めたダン・ファイファーは、Crooked.comに『ベト・オルークの場合』と題した論説を寄稿した。Crooked Mediaは、ファイファーが他の元オバマ政権の側近3人と共同で立ち上げたメディアだ。ファイファーは、オルークがかつての上司であるオバマを連想させるだけでなく、ある意味オバマを超えている、とも書いている。オルークは、同メディアのポッドキャストに出演したこともある。


「2004年のオバマを含め、ベトほど選挙戦で熱狂を巻き起こした上院議員候補は見たことがない」とファイファーは書いている。「レブロン(ジェームズ)がベトの名前を書いた帽子をかぶったり、ビヨンセがベトの帽子をかぶった姿でInstagramに投稿したことよりもすごいのは、テキサス州とは直接関係のない全国各地の人々が自宅の庭にベトを応援する看板を掲げ、車にステッカーを貼って彼を支援したのだ。全国各地の何十万人もの国民が彼に少額献金を行ったのは、国民がベトに共感し、彼が政治活動委員会(PAC)を通じた資金集めに頼らないと宣言したためだ。このような熱狂はリアルで重要なこと。仮にベトが翌週にアイオワシティを訪れたとしたら、オバマが初めてアイオワを遊説した時以来、他のどの候補者よりも多い3倍の群衆を集めただろう」

ファイファーはまた、2018年中間選挙の有権者全体の5分の1を占めた投票初経験者についても言及している。オルークの獲得票の14ポイントは初めて投票を行った有権者からのもので、さらに彼の集めた無党派層からの票は、ヒラリー・クリントンのかつての得票数よりも12ポイント多かったという。(ファイファーは、オルークのテキサス州郊外における得票数が、オバマが2012年の大統領選で獲得した数よりも低かったことについては触れていない)

ファイファーによるオルークに対する期待を込めた主張に続き、オバマの他の元側近からの声も聞こえてきている。「ベトには、かつてのオバマ大統領のように、人々に米国の理想像の存在を信じさせる特別な才能がある」と、ニューハンプシャー州でオバマの選挙キャンペーンに携わったローレン・パーディは、NBCニュースに語っている。

オバマの元側近の中には、冷ややかな見方をする者もいる。シカゴ市長のラーム・エマニュエルは「仮にベト・オルークが大統領選へ出馬したいのであれば、自らが皆を納得させて立候補すべきだ」とMSNBCの番組『Morning Joe』で述べた。「しかし彼は選挙に破れた。敗者を党のトップへ推すことは通常しないだろう」

エマニュエルの主張はその通りなのかもしれない。しかしオバマは、選挙の敗者か勝者かにかかわらず、2020年の大統領選へ向けてのアドバイスを求める全ての人々との対話を続けている。CNNのレベッカ・バックが2018年12月5日に伝えたところによると、オバマは前日に、オルーク同様カリスマ的存在の南部の民主党員アンドリュー・ギラムと会ったという。ギラムは民主党支持者の心を掴んだものの、選挙結果では期待に添えなかった。(ワシントン・ポスト紙の報道によると前大統領は、エリザベス・ウォーレン上院議員、バーニー・サンダース上院議員、さらにニューオーリンズの前市長ミッチ・ランドリューらとも会っているという。)