新車情報[2018.11.30 UP]


50周年を祝う特別な存在、ミツオカ ロックスターが登場!


文と写真●内田俊一

 光岡自動車は、創業50周年を記念した新型車Rock Star(ロックスター)を公開した。限定200台で、12月1日より受付けを開始する。マツダロードスター(ND)がベースとなるこのロードスターは、2019年6月以降に納車が開始され、初年度は50台、2020年、2021年それぞれ75台が生産される予定だ。価格は435万円から。


すでに50台は完売






 実は報道発表を前にロックスターの情報はSNSなどを中心に駆け巡った。その理由は創業50周年を記念したクルマであることから、同社のこれまでの顧客を中心にDMが流され、そこから広まったとのこと。そのユーザーを対象に50台限定の先行予約が行われ、2019年はその50台が割り当てられる。なお、この割り当て台数はすでに完売している。

 50台中26台はマニュアルで、そのユーザー層は50代から60代がほぼ半数。20代から30代は数名程度だ。1名女性が購入した以外は全て男性が購入しているとのこと。世代によって色の好みが変わっており、50代から60代はロサンゼルスブルー(写真のカラー)が一番人気。40代は黒だという。


わくわく感やときめきを再現したい


 ロックスター誕生には、ミツオカ事業部営業企画本部担当執行役員の渡部稔氏の、「今自分がどういうクルマに乗りたいか」という思いが大きく影響していた。

 渡部氏は大学を卒業後、4年間ほど“自分探しの旅”としてアメリカは西海岸で生活をしており、そこでVWビートルを購入し楽しんでいた。「ある日、バイト先の先輩が乗っているポルシェ914に心を奪われてしまいました。その先輩によるとビートルも914も中身は一緒。おまけにその辺に走っているカルマンギアも中身は一緒だよといわれ、非常に衝撃を受けました。今でこそワーゲンポルシェという言葉は知っていますが、その当時は全く知らなくて、それ以来私の心の中にこの2台が離れなくなりました。ビートルが2000ドルで、カルマンギアが4000ドルから5000ドルくらい。914は8000ドルから1万ドルくらい。1985年の夏の出来事でした」と当時を振り返る。「結局お金もなくこの憧れの2台には手が届きませんでしたが、中古のダットサントラックやオールズモビルカトラス、ジープラングラーあたりを乗り継いで4年間のアメリカ生活を楽しんで帰国したのです」とのこと。

 そういった背景を基にデザイナーであるミツオカ事業部開発課課長の青木孝憲氏に今回リクエストされた内容は、「私が憧れていたカルマンギアを、新型ヒミコと同様にNDロードスターをベースに描いてもらうということでした。カルマンギアや914、ビートルの3台は、中身は一緒でも見た目は全く別物です。その感じを描いてもらいたいという思いで依頼しました」と渡部氏はいう。

 しかし出来上がったデザイン画は、「非常に良い出来でしたが、なぜかワクワク感とかときめきが自分の中で湧き出てこなかったのです。品が良過ぎるというか、大人しいというか・・・・。20代の時に感じたあの時のワクワク感が残念ながら再現されてこなかったのです」と述べる。実は914のイメージも考えられたというが、ベース車両を踏まえると914のデザインは難しかった。そこで、渡部氏はなぜあれだけ欲しかったカルマンギアがピンと来なかったのかを自問自答した。「若い頃というのは少し大人びたものに憧れを抱いたりします。しかし、年を重ねていくと青春時代に戻りたくもなる、そんな感じだと思うのです。そう考えると、今の私にはこのカルマンギアでは満足できない、まだまだ刺激が足りないという結論に至りました」と説明。

 また、数年前からアメ車をテーマにした新型車を作りたいという共通の思いが青木氏とはあったという。そこでは、渡部氏のアメリカでの生活や、当時の情景、クルマに対するあこがれと現実などが多く話されていた。その後、青木氏から渡部氏のみに1枚のデザイン画が送られてきた。「“タイプカリフォルニア”と名付けられたそのデザイン画を見た瞬間にビビビッときました。これだ、これに間違いない!と感じたのです。社長も気に入り、このロックスターの誕生につながりました」と経緯を語った。


みんなロックスター


 さて、タイプカリフォルニアというネーミングから、いかにしてロックスターに変化したのか。ミツオカ事業部開発課課長の青木孝憲氏は、「今年の夏頃に、オールディーズロックバンドのライブを見に行ったのです。ステージ上のバンドの人達はもちろんキラキラ輝いたスターでしたが、それを見に来ていた老若男女、皆さん汗だくで本気になって純粋に子供のように盛り上がっていました。その時に、ロックな気持ちというのは誰もが持っていて、自由や解放を求めているのではないかと気づいたのです。年齢や性別、立場を問わず、純粋に自由とか楽しいこととかを求める姿というのは子供のようでしたが、非常に素敵なことだなと思いました」とし、「その思いは純粋で楽しいことを追求するミツオカ自動車の姿とリンクし、我々のお客様の人物像と瞬間的に重なったのです。そこで、そういう思いを持ったみんなこそロックスターだぜ!と思い、この名前を皆さんに捧げたいと思ってつけました」と、そのネーミングに込めた思いを語った。


チームオロチが生んだロックスター


 このロックスターとオロチには共通点があると青木氏はいう。通常車両のデザイン開発に際しては1/1スケールでクレイモデルを作るのだが、青木氏はカーデザイナーであるので、クレイモデルは手掛けず、そこはクレイモデラーの手に委ねられる。青木氏は、「カーデザイナーとクレイモデラーは相性があり、クレイモデラーはデザイン的な要素はもちろん、そのデザインに対するデザイナーの気持ちや背景にあるものなど、形のないものも立体として表現していきます。いわばデザイナーの通訳をするのがクレイモデラーといってもいいでしょう。デザイナーはそういう思いを究極的に二次元で表現して、ビジュアルコミュニケーションを図る、それをクレイモデラーが汲み取って現実のものにするという関係なのです」と説明し、その相性の重要性を強調。そのロックスターを担当したクレイモラーが、実はオロチも担当した人物だった。また、「車両開発のマネージメントや部品の設計もオロチと同じ、また、ミツオカ自動車を独立していった先輩方も構造検討や造形の手伝いをしてくれました。いわばチームオロチのような格好で取り組めたのは良かったですね。それが見た人がなんとなく、いつものミツオカとは少し違うと感じている秘密が、まさにそこにあると思っています」とコメントする。

 そして最後に、「純粋に楽さを追い求める姿が、ミツオカ自動車の象徴でもありお客様のことでもあります。理屈も忖度もない純粋で楽しいロックスターを感じてもらえる人たちこそがロックスターだと思っています」と結んだ。


似ている、似せていない


 ロックスターのデザインを見るとシボレーコルベット(C2)のイメージが重なってくる。その点について青木氏は、「我々ミツオカ自動車にはBUBUというチャンネルがあり、こちらでアメ車をずっと販売していますし、そこではもちろんヴィンテージのコルベットなども扱います。また、カーデザインはヨーロッパやアメリカから日本に入ってきたものですので、自分の中にあったそういう気持ちと、会社の背景ともリンクして、それがストレートに出たのが今回のロックスターのデザインにつながったと思っています。例えばコルベットを目指してとにかく全く同じものを作ろうという意味合いではなく、それとは全く別のものとして自分の気持ちの中にある、ずっと温めていたものを形にしたのがこのロックスターなのです」と述べた。


右から光岡代表取締役社長の光岡章夫氏、ミツオカ事業部営業企画本部担当執行役員の渡部稔氏、ミツオカ事業部開発課課長の青木孝憲氏。














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