ブリッジインターナショナルは11月30日、日本IBMの協力を得て、アウトバウンド型営業活動にIBM WatsonのAI(人工知能)活用のソリューション「SAIN(Sales AI Navigator)」を開発し、10月より本番稼働を開始したと発表した。

コールセンターを中心としてインバウンド型の問い合わせやサービス対応にAIを活用して担当者の効率を向上させるシステムは広がりつつあり、これに対しインサイドセールスと呼ばれる、電話やe-メールを活用したアウトバウンド型法人営業においては、担当者がエンドユーザーのニーズをタイムリーに把握しつつ複雑な商品やサービスの成約を目指すために、高度かつ柔軟な会話や交渉が必要になるという。

ブリッジでは、インサイドセールス担当者が顧客企業に電話やe-メールでコンタクトして、見込み客の発掘、絞り込み、案件契約を行う。これらの一連のプロセスを支援するためにSAINはモニタリング、ターゲティング、コールナビの3つのサービスを備えている。

  • 「SAIN」の画面

    「SAIN」の画面

モニタリング、ターゲティングは5月に販売を開始している。今回、実際の顧客との会話を支援するコールナビの初期開発を完了させ、ブリッジのインサイドセールスのスキルアップを担う研修部門で利用を開始し、対象となる会話の選出や会話内容・指導ポイントの把握からフィードバックまでの作業時間が47%の削減により生産性の向上が達成できたという。

SAINのコールナビサービスは顧客とインサイドセールス担当者との会話をWatsonの音声認識機能でテキスト化するほか、リアルタイムに顧客の会話の意図をWatsonの自然言語分類機能で26種に分類する。また、分類例、経営課題、阻害要因、ニーズ、予算などを行うことに加え、分類結果からインサイドセールス担当者が顧客に行う会話内容の助言をリアルタイムにナビゲーションする。

今後、ブリッジではインサイドセールスを運営している企業に向けて同サービスの販売を予定している。さらに、インサイドセールス事業は人手不足や働き方改革を追い風として、日本において急速に拡大しつつあることから、同社ではSAINを活用して一層のインサイドセールス事業拡大を目指す方針だ。