日本IBMと共立製薬は11月27日、動物病院向けの電子カルテやペットペアレント(飼い主)と動物病院をつなぐ連携アプリなどを提供する動物医療プラットフォーム「VRAINERS(ブレイナーズ)」(商標登録出願中)の開発を開始し、2019年3月に提供を開始すると発表した。

  • 「VRAINERS」のロゴ

    「VRAINERS」のロゴ

近年、ペットは「家族の一員」との認識が一般化し、ペットの健康意識が高まり、予防医療や早期治療へと関心が向けられており、ペットの寿命が延びるなかで、健康寿命を長く保つことは社会のニーズだという。

それを受けて、共立製薬はペットの定期健康診断の必要性をペットペアレントに伝えたり、病状が重症化する前に動物病院への来院を促したりする、新たなプラットフォームを開発する。

これまでの多くの動物病院向けのシステムは、主として病院内で使う電子カルテで外部と接続することはなかったという。

今回、開発を進めているVRAINERSは共立製薬の動物用医薬品事業で培った知見に、多くの獣医師からのアドバイスが反映され、すでに医療機関で活用されている日本IBMの電子カルテ・システムのノウハウが活かされた、ペットペアレントと獣医療業界のニーズに対応。

具体的には、電子カルテのデータをIBM Cloudで統合的に管理し、それぞれの動物病院やペットペアレントから許可を得た範囲でデータを分析し、動物病院の経営をサポートする機能に加え、ペットペアレントと動物病院のコミュニケーションを促進するカルテ連携アプリを付加した次世代型の動物医療プラットフォーム。

ペットペアレントと動物病院を繋ぐ連携アプリ「myVRAINERS(マイブレイナーズ)」は、従来の診察券を進化させ、これまで受付窓口で行っていた用紙の受け渡しなどを極力なくし、受診予約や健診結果、ワクチン接種証明などをスマートフォンやタブレット端末から確認することができる。

定期健康診断や経過観察の結果をもとに必要情報を動物病院から直接ペットペアレントに提供することで、重症化する前に動物病院で受診することを動機づけるという。

共立製薬は、今後も日本IBMと連携しながら、先進的な画像・鑑別診断の獣医療分野での実用化などの研究や、データに基づいた最新かつ高度で付加価値の高いサービスを提供できるよう、積極的に取り組む考えだ。