不動産テクノロジーを活用したサービスを積極的に展開している、ハウスコム株式会社。同社では住まい探しに関する新たなビジネススキームを生み出すべく、昨年から大学生を対象にしたビジネスコンテストを開催しています。今回は、先月開催された「キックオフイベント」(https://chintai.mynavi.jp/contents/sumaioyakudachi/20181107/s1172/)に続いて第2回となる、「予選会」の様子をお届けします。 

 ここで改めて、学生ビジネスコンテストの概要を説明すると、今回の「予選会」で5チームがビジネスプランを発表。その後、「決勝大会」に進出する上位2チームを選出。2018年11月25日の「決勝大会」で2チームが競い合い、最優秀チームが決定します。 

 審査員席にはキックオフイベントに引き続き、コンテスト主催者のハウスコム株式会社・代表取締役社長執行役員である田村穂(たむらけい)氏、大東建託株式会社 賃貸未来研究所・所長の宗健(そうたけし) 氏、日本大学スポーツ科学部・教授の清水千弘(しみずちひろ)氏、中央大学戦略経営研究科・教授の榊原清則(さかきばらきよのり)氏の計4名が集結。プレゼンは「チームマテ工」からスタートしました。 1チーム目「チームマテ工」:「コミュニティ形成のためのシェアリングサービス」 

 「高齢化社会で充実した生活を送るには?」「居住に対して幸せを感じるには?」という想いを胸に問題を提起。マッチングアプリで彼女を探すように、例えば老夫婦と核家族、1人暮らしの女子学生同士といった、助け合いを見込めるベストマッチな隣人をAIに提案してもらうアイディアや、ご近所づきあいを促進するイベントの企画、居住スペースの狭さが精神的なストレスに繋がっているという発想から、共有物をAIで管理する提案、さらにはビルナカ商店街計画なども飛び出しました。 

 寸評宗氏:人に合わせた物件のマッチングという発想が非常に面白い。榊原氏:コミュニティの共有はいいことも面倒なことも発生し、表裏一体。面倒なことをいかに克服するかがカギ。 2チーム目「Cチーム」:「アニメ部屋」 

 アニメに出てくる部屋を再現して人を集めて住まわせる「アニメ部屋」を提案。日本人の5人に1人はオタクであり、その中でも大きな消費活動を行うアニメオタクは約20万人存在するとのこと。アニメに登場する部屋の再現やアニメのコンセプトルーム、アニメの鑑賞会の実施など様々なコンテンツを用意し、イベントスペースとして活用したり、貸し出したり、最終的には売却も視野に入れるとのこと。広告戦略案や競合媒体の差別化にも言及がありました。 

 寸評田村氏:ハウスコムでも、民泊事業の企画部署で外国人向けにアニメを取り入れることができないか検討したことがあり、アニメに関するビジネスには興味がある。清水氏:例えば、アパート一棟をすべてアニメ部屋にする、アマゾンエコーのAlexaの声を声優が担当したら面白そう。ビジネスとして考えると、市場規模がどれくらいあるのかが焦点になる。 3チーム目「チームJACK」:「いつまでも変わらない帰ることのできる家を」 

 「現在の家に住み続けたい」と考えている人は多いものの、住み続けるには家のメンテナンスが必要です。10年で100万円以上の費用がかかると見られるものの、半数以上の人がメンテナンス費用を前もって準備していない現実があるとのこと。そこで、家のメンテナンスを一括して任せることができるサービスの展開を提案。市場規模や競合優位性、ビジネスモデルにも話が及びました。 

 寸評田村氏:ビジョンとしては、我々もライフプランナーとしてこういうことをやっていきたいと感じる。ビジネスとしては、もっと深堀りして欲しい。清水氏:社会課題としてとても面白いテーマ。次の世代に向けたビジネスモデルがあれば「お金を払うのは無駄だ」という想いを打ち消せるのではないか。 4チーム目「Team Pentagon」:「子供の生活を豊かにするくらしづくり」 

 「秘密基地のような家を作りたい」という誰しも一度は考える想いをもとに、家でも安心して遊べて・学べる、住居と遊び場を融合した環境づくりを提案。子ども目線で「やりたいことができる」空間や、親御さん目線で子供の安全・安心できる環境に言及。マンション住人全体で子供たちを見守る仕組みづくりや、家の中で子供の勉強・遊び・コミュニケーションを支える仕組みづくりを考えました。 

 寸評宗氏:子供たちは管理された遊び場で本当に楽しいのか。親にバレないように遊びたいといった信条が働くのでは?どんな環境づくりが「幸せ」に繋がるのか研究して欲しい。榊原氏:発想の飛躍があるが、大人より子供の方が家にいる時間が長いというのはユニークな主張。無粋なコメントだが、限られた空間で何が可能で、何が不可能か考えてみて欲しい。 5チーム目「Queen」:「寺院宿泊施設と消費者のマッチング」 

 全国の寺院で利用されていないスペースを活用するシェアリング・エコノミーの提案。寺院と宿泊先を求める消費者をマッチングすることで、宿泊先不足や有休資源の活用、寺院の運営難を解消する事業を想定。オリンピックを目的として来日する外国人観光客をターゲットに需要と供給をマッチングするためのプラットフォームにも言及。オリンピックを契機に宿坊を浸透させ、国内観光客の利用者も増やしたいと締めくくりました。 

 寸評田村氏:寺院という発想がよく面白かった。寺院側には、金銭面以外にどのようなメリットがあるのか気になった。宗氏:粗削りではあるが大変ユニーク。リーズナブル路線で行くのか、高級路線で行くのかが鍵となりそう。 

 こうして「ビジコン」の予選が終了しました。次回はいよいよ、選抜された3チームによる「決勝戦」です。予選会で審査員の方々からいただいたアドバイスをもとに、よりブラッシュアップされたプレゼンに期待しましょう! (マイナビ賃貸広告企画:提供【ハウスコム株式会社】)